第447話 SS 帝都以外の子供たち
時は遡りギースとサラが旅行を楽しんでいる頃、ケビンパレスの出産ラッシュが始まった。ドラゴンの中でも人化のできる者たちが次々と我が子を産んでいたのだ。
パレスのNo.2であるアブリルが第1子となる長女のアドラを産み、誰が相手でもタメ口を通すバジリナが第1子となる長女のバジルを産み、無口で表情があまり変化しないカルメラが第1子となる長女のカリナを産み、肉体を磨き続けるが大して効果が現れないドロシーが第1子となる長女のドゥルセを産み、他とは何処かズレているファティが第1子となる長女のファリカを産んだ。
その他にも男児や女児などを産み続けていくパレスの女性たちによって、ケビンパレスの人口密度が一気に急上昇する。
「ここまであっさり増えると、いささか驚きを隠せぬのう……」
「なんかこう、人と龍が共存しているような光景だな」
パレスの王として認められているケビンとパレスの長として隣に控えるクララが見渡す風景は、空を飛び交うドラゴンたちを背景にして育児のため人化したままのドラゴンが我が子をあやしているというものだ。事情を知らない者たちが傍目から見れば、これ以上ないくらいのありえない光景でもある。
「それにしても……子ドラゴンの成長ってあんなに早いのか? まだ1歳なのに人とは全然違うじゃないか」
ケビンの見つめる先には親ドラゴンに比べると明らかに小さいドラゴンが、自由に空を飛び交っている風景が瞳に映し出されていた。
「当たり前であろう。自然界の生き物は外敵から身を守るために成長が早いのだ。人のようにのらりくらりと成長していては、いくら最強種のドラゴンと言えども他の魔物に食べられてしまうぞ」
「弱肉強食か……」
「まぁ、心配せずとも他の魔物に食べられることはなかろう。遠出をして狩りをせずとも近場で済ませられるしの」
そのようなところへアブリルがケビンたちへ近づいてくると、2人はそちらへ視線を流した。
「長、そのことで少々問題がありまして……」
「問題?」
「少しばかり子ドラゴンたちの好奇心が旺盛のようで、成長したら外の世界へ飛び出して行きそうです」
「少しくらいのヤンチャくらいは構わぬ。子は元気な方が良いからの。ある程度は自由にさせておくがよい。目に余るものだけ注意をするのだ」
「では、そのように。それと主様、今日はこちらに泊まられますか?」
「んー……最後の子も無事に出産を終えて連れてきたし、特に急いで帰る用事もないから泊まるくらい構わないよ」
「では、夕餉の準備を致します」
「ありがとう」
「あと、メスドラゴンたちが……その……」
「何かあったのか?」
「主様にお相手をして欲しいと……」
「お相手?」
「あの……卵を産むためではなく、ただの交尾がしたいようで……」
「……マジか……」
「ほほ、主殿がメスドラゴンたちを性に目覚めさせたようだ。これは責任重大だの」
「よろしければ夕餉のあとに私たちも抱いていただきたく……出産でだいぶご無沙汰になっておりまして、主様を見ますと体の奥が疼いてしまうのです」
「んー……わかった。今日はもうあまり時間もないし、2泊3日くらいしようかな」
ケビンの返答を聞いたアブリルはケビンの滞在期間が伸びたためパァっと顔を綻ばせて頬を染めると、夕餉の準備に取り掛かるよう他の者たちへ指示を出しに向かった。
「主殿も罪作りよのう。アブリルめがあそこまで変わるとは……」
「そうだな。ここへ来た当初は近寄り難い雰囲気が満載だったし、可愛く変わってくれるなら大歓迎だ」
それからケビンはドラゴン体に変身するとメスドラゴンたちのお相手を夕餉の時間までして、夕餉を楽しんだあとに今度は人化した者たちを次々と討ち取っていき、回復した先からいただいては朝までずっとエンドレスで励んでいく。
その後ケビンは適度に睡眠を取ると目が覚めてから昼夜問わずパレス内を渡り歩き、2泊3日のパレスお泊まりを満喫するのであった。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
ケビンパレスでのお泊まりが終わったケビンは一旦帝城へ戻ると、今度はイグドラ亜人集合国のヴァルトス地区へと転移する。ここにいる妊活者たちは全員ケビンのお手つきであるためだ。
その妊活者たちは子供ができて村へ戻った者、ケビンとのまぐあいが忘れられずそのまま住みついてしまった者、元から住んでいる者など多種多様である。その中でもひときわ奇妙なのは妊活者でもないのに、ケビンと割り切った関係を維持する俗に言うセフレたちだ。
セフレと一言で言ってもこれまた多種多様であり、そういう関係を多人数と持つ者やケビンだけに絞ってしまった者、本気になってしまいケビンの子供を産んだ者やセックスレスが原因でケビンを求めた者までいる。
そのような状況の中で今日は妊活者のその後の様子を見に来たケビンだったが、ケビンを見たという情報が出回ったのか会いに行くまでもなく子供を連れた女性たちがやって来た。
「やっぱりパパが来てたわ」
「パパー」
親がハッキリしていて周りにも同じ境遇の者たちがいるためか、女性たちは後ろめたさなど感じずにケビンへと群がってきては挨拶を交わす。それは子供とて同じであり、むしろ子供の方が純粋に父親と会えたことを喜んで脚に抱きついていた。
「みんな、特に困ったこととかはない?」
「ないわ。代表のヴァリスさんも良くしてくれるし、こうしてケビンさんもそれっきりではなくて会いに来てくれるから」
「パパともっと一緒にいたーい!」
「それはお母さんとよく相談してね。お父さんは口説いているんだけどお母さんは二の足を踏んでいるんだよ」
「にのあしー?」
「故郷を離れることになるから中々決められないってことだよ」
「うぅーわかんない!」
大人の事情などわからない子供たちはすぐに飽きてしまい、ケビンへ「遊んで!」とせがんでは手を引っ張って連れて行こうとする。ケビンとしてもそれは吝かではなく子供たちと一緒に遊び場まで行くのだった。
その遊び場はケビンが財力に物を言わせて買った土地に創り出した広場で、ケビンの関係者でなくとも一般公開しており、子供たちだけでなく大人もひと休みのために訪れたりするほどだ。それに加えてここは基本的に親子連れの者たちが多く、ママ友の溜まり場になっていたりもする。もちろんそのママ友はほとんどケビンの関係者となっていた。
その広場で母親に見守られながら子供たちはケビンと遊び、疲れて寝てしまいそうになるまではケビンもそれに付き合うのだった。その後は芝の上で仲良く寝てしまった子供たちを視界に収めつつ、ケビンは母親たちと歓談を始めて大人の時間を過ごしていく。
ただのお喋りだけで終わらない大人の時間は子供たちが寝てしまったことをいいことに、母親たちがケビンへにじり寄っては誘惑を繰り返していた。そのようなことをされてしまったケビンは、結界を張って認識阻害を付与すると【無限収納】に全員の服を回収したら一気に真っ裸へとしてしまうが、女性たちは手や腕を使い胸や股をなんとか隠そうとしていた。
そしてケビンは母親たちが恥ずかしがるのを気にせず、その場で野外&露出プレイにしけこんでいく。
「全く……ここで誘惑したらこうなるってわかっていただろ?」
「だって家まで我慢なんてできないから」
「子供たちも目を覚ましてしまうし」
「みんな家もバラバラだし」
「問答無用!」
「「「「「きゃー♪」」」」」
ケビンが分身体を使ってそれぞれの相手をし始めると母親たちは待っていましたと言わんばかりの悲鳴をあげて、全員が満足いくまでケビンは抱き続けた。その後は魔法にて母親たちを回復させたら、ケビンは挨拶を済ませて他の者たちにも会いに向かう。
次にケビンが向かったのは人妻のところである。ここでもまたケビンが訪ねてくるのを待ち望んでいた欲求不満の女性がいた。
「全く……ゆっくりと会話くらいできないのか……」
この女性はケビンが訪ねてきた途端に抱きついて子供たちを魔法で眠らせてしまうと、自分でさっさと服を脱いだらケビンの服も脱がして催促したのだった。そこまでされてはケビンも据え膳となるので足腰立たないほど抱き尽くしたら、魔法で回復させ更に追加で抱き続けて人妻を満足させると別れの挨拶をして次の目的地へと向かった。
ケビンが次に向かったのは簡素なアパートのような所で、ここにも逢い引きの相手が子供と一緒に住んでいる。
「久しぶり。ちゃんと働いているか?」
「ええ、働いているわよ。代表が働く女性に向けて託児所を作ってくれたから、働いている間はそこへ子供たちを預けているの」
ケビンが会いに来たのは、当時そのつもりがなかったのに寝取ってしまったニュンヒーの所だった。当時のケビンのお仕置きによってニュンヒーが妊娠して、その後の出産時には純血種のダークエルフの双子を産んでいる。
「今日は仕事が休みで良かったわ。仕事だったらあなたに会えずじまいだったもの」
「会えなかったら日をまた改めて来るさ」
「改めた日が数ヶ月後とかナシよ?」
「それは……多分ない」
「本当はもっと会いたいんだけど、私って悪女だったから……ね?」
ニュンヒーは当時ナディアの元夫であるラネトレーと関係を持っていたことを気にしていて、以前とは全くの別人と言ってもいいほど人間性が変わっていた。
「人って変わろうとすれば変わるもんだな」
「あなたに嫌われたくないからよ。この地区にいるあなたの女たちはみんなそうよ。むしろそれだけに留まらず、訳アリの関係の人たちまであなた好みの女になろうとしているんだもの」
「愛って素晴らしい……」
「なにバカ言ってんのよ。そんなこと露ほども思ってないくせに」
「いや、そこは否定させてもらう。普段から口にはしないが思ってはいるぞ」
「それなら証明してよ。子供たちも眠っているんだしさ。音消しの魔法は使えるでしょう?」
「しょうがないやつだな。覚悟しろよ? 足腰立たなくしてやる」
「ふふっ、たっぷり愛してね」
それからケビンはニュンヒーの要望通りにたっぷり愛すると、ニュンヒーが泣きを入れても止まらず本当に足腰を立たなくしてしまうのだった。そしていつも通りに回復させては抱き続けて、ニュンヒーは前後不覚の状態まで堕とされてしまう。
やがてケビンが再度回復させたら、ニュンヒーはケビンを抱きしめて気持ちを伝えた。
「愛してる……」
「ああ、俺もだ」
「いつかあの子たちの弟か妹を産ませてね」
「約束する」
そのあとは2人で適度にイチャついたら、ケビンはニュンヒーに挨拶をして帝城へと帰るのだった。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
ヴァルトス地区から憩いの広場へ帰ってきたケビンに、ソフィーリアが声をかける。
「あら、現地妻のお相手はもういいの?」
「ああ、すれ違いなくみんなに会えたしな」
「ふふっ、みんな喜んでいたでしょう?」
「そうだな」
「泊まってくれば良かったのに」
「それも考えたがキリがなさそうで帰ってきた」
「それはお泊まりのキリ? それともエッチのキリ?」
「言わなくてもわかるだろ?」
「そろそろ次の子たちを作ってあげないとね。まだまだ総数はエルフに比べて少ないわよ」
「まさか正妻にそんなことを薦められるとはな……」
「だって私が創り出すよりよっぽど自然でしょう? それに少なくなったのは自業自得なんだし、私は手助けしないわ」
「夫を放り出している時点で間接的な手助けだと思うぞ?」
「そのくらいなら大目に見るわよ。直接的な手助けじゃないし、あなたも色々な女性が抱けて刺激にもなるでしょう? 夫婦の営みは冷めてしまうと転がり落ちるだけよ」
「ソフィの体を前に冷めるなんてありえないけどな」
「それじゃあ今夜はたっぷりとそれを証明してね」
「任せろ。朝までコースのフルコース仕立てだ」
こうしてケビンはいつもと変わらぬ日常を過ごして、夜には宣言通りソフィーリアを朝まで抱き続けるのであった。
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