第385話 監督は大忙し
ケビンは後ろ髪を引かれる思いでリリアナから離れると、残りの3人を見渡した時にポカーンといった表情で見られていたのだった。
「いきなりラブラブ展開とかありえなくない?」
「誰得って感じっしょ」
「ってゆーか、私らモブじゃね?」
「よし、下から順に攻略していくか。アリエル、容赦はしないからな」
「「「ひぃぃぃぃっ!」」」
ラブラブを見せつけられていた3人は今が勝負中であることを思い出して、未だ復活をしないリーダーの哀れな姿が視界に入ると戦慄するのである。
そしてケビンはアリエル、グレースと順番に攻略してみせると、オリアナが戦々恐々としながら無駄な足掻きを始めるのだった。
「ケ、ケビっち……あたしってリリアナの姉だから当然優しくしてくれるっしょ?」
「は? お前、リリアナの姉なの?」
「名前からして似てるから当然じゃん」
「リリアナは初めてを無理やり奪われたって言ってたけど、お前は何してたの?」
「その時はあたしも他の男を相手にしてたってゆーか、乱交パーティー中だから気づかなかったってゆーか、幾つになっても処女とかって恥っしょ? だからリリアナを連れて行って女にするために参加させたわけじゃん? まぁ、姉としての優しさっつーか、むしろあたしって優しくね?」
「ギルティ」
オリアナの言葉に対してケビンが下した判決は有罪であった。そして無慈悲にオリアナへの攻撃を開始する。
「姉なら姉らしく妹を守れよ、なにヤリチンどもにレイプさせてんだ!」
やがて討ち果たしたオリアナをポイッとしたら、ケビンはリリアナの所へ戻って優しく抱くのだった。
「お待たせ、リリアナ」
「ケビっち、鬼畜だね」
「こんな俺は嫌か?」
「嫌じゃないよ。もうケビっち以外考えられないほど好きになっちゃったから、どんなケビっちでも受け入れるよ」
「そうか……それなら次は俺の赤ちゃんを産んでくれ」
「うん。ハーフの赤ちゃん産んで育てるから」
「純血種じゃなくていいのか?」
「ハーフがいいの。ケビっちとの愛の結晶だから、将来はその子にいっぱい愛してもらったから生まれたのよってお話してあげるの」
「リリアナ!」
「ケビっち!」
それからケビンはリリアナをたっぷり愛して、魔法というチートっぷりで見事に妊娠させるのである。
「リリアナ、これをやるよ」
「え……うそ……」
ピロートークに入ったケビンはリリアナへ指輪をはめて効果を説明すると、リリアナは瞳に涙を浮かべてケビンへお礼のキスをするのだった。
「本当は子供だけが欲しいって聞いてたからあげる予定はなかったんだけど、リリアナのことは手放したくなかったんだ。他の男と後になって結婚したとか聞かされたら奪いに行きそうになるからね」
「嬉しい……嬉しいよ、ケビっち……私、こんなんだから結婚は諦めてたの。でも赤ちゃんだけは欲しいって思ってて。だからといって体目的のヤリチンどもの赤ちゃんは産みたくなくて避妊してたんだけど、今回代表からの話でケビっちのことを聞いて参加することにしたんだ。最初はヤリチンどもと一緒でクズかと思ってたけど、抱かれた代表がとっても幸せそうにしてたから勇気を出したの」
「そうか……」
「ケビっち……リーダーたちはどうするの?」
「ん、まぁ今からお仕置きだな」
「え……今までのってお仕置きじゃなかったの?」
リリアナはケビンが散々相手が絶頂しているのにも関わらず、聞こえてないふりや勘違いをしているふりをして絶頂させ続けていたのを見ていたので、アレがお仕置きだったのだろうと勝手に解釈していたがここにきてお仕置きを開始すると言ったケビンに対して戦慄を覚えてしまい、ブルっと体を震わせるのである。
そしてリリアナから離れたケビンはリーダーであるキキの元へ向かった。
「ケビっち……もう無理だからぁ……」
「は? 何言ってんだ? リーダーなら他の子にリーダーらしい所を見せるべきだろ」
「もうやだぁ……リーダー辞めるぅ……」
「ったく、しょうがねぇやつだな。お仕置きは趣向を変えてみるか」
ケビンはリリアナ以外のへばっている4人に対して回復魔法で正気に戻すと、以前に作った自作の魔導撮影機を取り出したり衣装を作ったりしてリーダーたちへ説明するのだった。
「私らも乱交とかならしたことあるけど……」
「ケビっち……さすがにそれは……」
「ヤバいっしょ……」
「ケビっち、マジパネェ……」
「つべこべ言わずにやるんだよ。これは敗者への罰だ」
ケビンの有無を言わせない気迫にキキたちも断念して、ケビンの用意したブレザーを着るとベッドへ再び上がってくるのだった。
「よーい、アクション!」
いつの間に作ったのか意味不明だが、監督になりきったケビンはカチンコを鳴らすと撮影機を回し始めた。
「えぇーと、私の名前はキキって言います。歳は18歳です。趣味はナンパ待ちすることです」
「へぇーキキちゃんっていうんだぁ、趣味がナンパ待ちって遊んでるねぇ。それに大人びててとても18歳には見えないなぁ」
「本当の年齢は乙女の秘密です」
「キキちゃんってコギャルだよねぇ? いつもはそんな喋り方しないよねぇ、本当は違うんでしょ?」
「も~、私だって普通に喋れるんですよ」
「肌が焼けてるのは日サロにでも行ったのかな? 髪も銀髪だよねぇ、瞳はカラコンかな?」
「肌はぁ“ひさろ”? に行って焼いてぇ、髪は染めたの。瞳は“からこん”? だよ」
「ふーん、じゃあ次はスリーサイズを言ってみようか?」
「えぇー恥ずかしいよぉ……でも~監督さんになら教えちゃおうかな。キキのスリーサイズはぁ、上から88-56-88のEカップだよ。ちなみに身長は168cmです」
それから監督は言葉巧みにキキを誘導しながら撮影を続けていき、満足のいったところで終了の合図を出すのであった。
「カットぉぉぉぉっ!」
最後の締めと言わんばかりにカチンコを鳴らした監督は、蕩けているキキの演技を絶賛するのだった。
「キキ、初めてにしては素晴らしかった! 大女優になれるぞ!」
キキの撮影が終わるとケビンは次々と他のメンバーの撮影に取りかかっては、一生懸命に撮影機を回していく。
「私の名前はオリアナって言います。歳は18歳で現在彼氏募集中です。身長は165cmでスリーサイズが上から85-57-84のDカップだよ」
「私の名前はグレースって言います。歳は17歳で彼氏とラブラブ中です。身長は163cmでスリーサイズが上から83-56-83のCカップだよ」
「私の名前はアリエルと言いますの。歳は17歳で貴族のお嬢様ですけれど、社会勉強として本日は撮影に参加しましたの。身長は162cmでスリーサイズが上から82-56-82のCカップとなります。これって言う必要がありますの?」
残る3人それぞれの撮影を終わらせた監督は、締めの言葉も一際力が入って叫んでしまうのである。
「カットぉぉぉぉっ!!」
全ての撮影が終わるとケビンはようやく腰を落ち着けて、疲れを出し切るかのように溜息をついた。
「ケビっち、やり終えた感出しすぎっしょ」
「ってゆーか、こういうのって初めてしたけど興奮しまくりじゃね?」
「うちはケビっちから寝取られてしまう可哀想な彼女役だったから、次は違うのがいいんだけど?」
「私も令嬢役よか違うのがいいんだけど? お嬢様言葉とか難しすぎっしょ。めっちゃ噛むし」
ケビンがお仕置きのつもりで撮影したのに終わってみれば4人ともノリノリで、次の撮影に向けて役柄を決めながらケビンとリリアナを他所に和気あいあいとくつろいでいる。
「「「「ってゆーか、ケビっち!」」」」
「え、何?」
「リリアナとイチャつきすぎっしょ」
「むしろ姉であるあたしにも指輪をやるべきじゃね?」
「それ、うちも思ったし」
「私らにも指輪ちょうだいよ」
「ん? キキたちは結婚する気がないんだろ?」
「「「「ケビっちが相手なら話は別!」」」」
「お、おう……」
4人から迫りくるあまりの気迫に、ケビンは行き遅れた女性がいい男を逃がさないため必死になる姿と重なってしまいタジタジとなってしまう。
かと言ってこのまま放っておくとリリアナが被害を被りそうなので、4人それぞれにリリアナと同じ指輪をはめていくのだった。
「にしし……これで名実ともにケビっちの女に……」
「次はリーダーみたくケビっちの女役になってみたくね?」
「うちはケビっち専用だからならなくていいし」
「ここはひと思いに全員で奇抜な役を目指すしかないっしょ」
「リーダーたちが壊れてる……」
「あぁぁ……ちょっとやり過ぎたかもな……」
反省しても後に活かさないケビンが今日も今日とて恒例の言葉を口にしていると、傍で寄りかかっているリリアナがケビンの耳へ顔を近づけてボソッと喋りかけるのだった。
「ケビっち、私は身長が160cmでスリーサイズは上から89-56-89のFカップだよ。今度私にもラブラブな撮影してね」
「リリアナ!」
「きゃんっ、ケビっち!」
リリアナからの甘い誘惑に勝てなかったケビンはすぐさまリリアナを抱いてラブラブしてしまうと、それを見ていた他の4人も混ざってきて結局は全員で淫らな時間を過ごすのであった。
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