第287話 メイドたちのステータス

 無事に嫁たちのステータス確認が終わると、次なるお相手はメイドたちである。ソワソワしているのが見えているので、ケビンは早速プリシラを呼び寄せる。


「プリシラ、おいで」


「はい、ケビン様」


 プリシラがスタスタと歩いてきて対面のイスに座ると、ケビンはステータス確認を始めた。




プリシラ

女性 25歳 種族:人間

身長:165cm

スリーサイズ:90(F)-58-88

職業:Bランク冒険者、マジカル商会従業員

   メイド長、ケビン様を慕う会会長

クラン:Sランク【ウロボロス】メンバー

状態:ケビンを目の前にしたら朝のご奉仕を思い出してしまって動悸中

備考:メイド長に任命されてとても喜んでしまい、朝のご奉仕を決意する。メイドの中の誰よりも先んじてケビンと関係を持てたことで、メイド長として安心している。


Lv.30

HP:460

MP:460

筋力:460

耐久:460

魔力:460

精神:460

敏捷:460


スキル

【武器全般】【防具全般】【魔法適性】

【指導 Lv.7】【指揮統率 Lv.7】

【武術全般 Lv.7】【防術全般 Lv.7】

【投擲術 Lv.7】

【隠密 Lv.7】【詠唱省略 Lv.7】

【気配探知 Lv.7】【魔力探知 Lv.7】

【気配隠蔽 Lv.7】【魔力隠蔽 Lv.7】

【身体強化 Lv.7】【属性強化 Lv.7】

【魔力操作 Lv.7】【礼儀作法 Lv.7】

【メイド Lv.EX】【ご奉仕 Lv.EX】


魔法系統

【火魔法 Lv.7】【水魔法 Lv.7】

【雷魔法 Lv.7】【土魔法 Lv.7】

【風魔法 Lv.7】【光魔法 Lv.7】

【闇魔法 Lv.7】


加護

メイド神の加護

武神の加護

魔法神の加護


称号

努力家

几帳面

カレンの指導を受けし者

武芸百般

クイーンオブメイド

奉仕に身を捧げし者(極)

ケビン崇拝者

カレンに認められし者




ケビン様を慕う会会長

 ケビンを慕う者たちが集まって発足した非公式のもの。入会条件はケビンのことが好きであること。徐々にその会員数を伸ばしつつあり、その会の会長を務めて会員たちを纏めあげている。ちなみに名誉会長にはサラが就任している。その理由は発足の時にサラへ許可を取りに行ったら面白がってサラも入会したから。


【武器全般】

 武器となるようなものであれば、どのようなものでも扱うことができる。


【防具全般】

 防具となるようなものであれば、どのようなものでも扱うことができる。


【武術全般】

 武術であれば、どのようなものでも身につけることができる。


【防術全般】

 防術であれば、どのようなものでも身につけることができる。


【メイド】

 メイドとしての立ち居振る舞いや技能・技術を身につけ主人に仕える。


【ご奉仕】

 私心を捨てて他人の為に技能や技術を駆使して尽くす。


メイド神の加護

 メイドに関する能力が向上して、限界突破が可能となる。


武神の加護

 武芸に関する力を統べる神の加護。武芸全般のレベルが限界突破できるようになる。


几帳面

 細かいところまで物事をきちんと行ってしまう者。


カレンの指導を受けし者

 カロトバウン男爵家メイド長の指導を受けた者。


武芸百般

 ありとあらゆる武芸、武道に関する技芸を身につけることができる者。


クイーンオブメイド

 メイドとは……その真髄に至り限界を突破した証。メイド服装でいる時はあらゆる成長補正(小)がつく。


奉仕に身を捧げし者(極)

 ご奉仕することが生き甲斐となってしまった者。(極)ご奉仕する際に相手へ安心、安楽を与える。ケビンに対しては別の意味のご奉仕も含む。


ケビン崇拝者

 ケビンのことを尊敬し崇めて優先してしまう者。


カレンに認められし者

 カロトバウン男爵家メイド長から免許皆伝を受け取った者。




「……うそ……だろ……」


 プリシラのステータスを初めて見たケビンが、驚愕で二の句が告げずにいたらプリシラが心配そうに尋ねてくるのだった。


「ケビン様……不審な点でも……」


「不審というより……驚きしかない……」


 ケビンの様子がおかしいことで周りにいた嫁たちも心配になって、ティナが声をかけてくる。


「ケビン君……プリシラのステータスが何かおかしいの?」


「おかしいとかの次元じゃない……」


「だったら何?」


「現状、プリシラが俺の次に強いんだ……」


 ケビンからこぼれ出た内容に周りの者たちが言葉を失う。


「恐らくダンジョンを何回も制覇したティナと戦っても、ティナが確実に負けてプリシラが勝つ」


「うそ……私、今レベルが60あるんだよ?」


「驚くことにプリシラはその半分の30だ」


「じゃあ、私はどう? ティナはメインが弓だし近づかれたら終わりだよね? その点私なら槍だし、いい線いくと思うんだけどな」


「悪いがクリスでも負ける。俺でも手加減してたら思わぬところで負けてしまう可能性がある」


「そんなに!?」


「早い話が俺に近い感じの下位互換だと思ってくれればいい。武器全般の扱いにかけては既に俺は負けている。俺は自分の好みの武器しか扱えないが、プリシラは武器となるものなら例え小石だろうが使いこなせる」


「そんなに凄いのにまだレベル30……」


「これはプリシラの性格が出てるな。そのお陰で物凄いステータスになってる」


 それからケビンはプリシラにステータスの内容を教え始めた。公表されればされるほど、周りの者たちはその異常性に息を呑む。


 一体どれだけストイックに鍛錬へ打ち込めばここまでのことになるのか、誰しもが想像もつかなかったからだ。


「じゃあ、次はニコルだな」


「ケビン様……」


 ニコルを呼んだケビンにプリシラが物欲しそうな目で窺ってくると、少し考えたケビンが気づいてプリシラに近づくとキスをした。


「ん……」


 やがて唇を離したケビンが悪戯っぽく微笑んで、プリシラに声をかける。


「プリシラはご奉仕が好きなんじゃなかったのか? される側にでも目覚めたか?」


「ケビン様だからです……想いが強くなって少し欲張りになったようです」


 頬を染めながら照れくさそうにプリシラが答えると、待ちきれないとばかりにニコルが横槍を入れてくる。


「くっ、プリシラは今朝いい思いをしたのだろう? 欲張りだぞ、早く代わるんだ」


 グイグイとプリシラを追いやってニコルが席を奪った。


「ケビン様、お願いします」


「はは、ニコルにも何かしないとな」


「そ、それは本当ですか!? 騎士に二言はありませんよ!?」


「いや……俺、騎士じゃないからね……」


 何故か騎士発言をしてしまうニコルの言葉だが、ステータスを確認したケビンは納得してしまうのであった。




ニコル

女性 24歳 種族:人間

身長:167cm

スリーサイズ:89(F)-58-87

職業:Bランク冒険者、マジカル商会従業員

   メイド、ケビン様を慕う会会員

クラン:Sランク【ウロボロス】メンバー

状態:何をされるのか期待して動悸中

備考:小さい時から騎士に憧れがあったにも関わらず、騎士にはならずメイドとして働くことに。今となってはケビンに会えたことで騎士にならなくて良かったと思ってる。


Lv.30

HP:460

MP:260

筋力:330

耐久:315

魔力:230

精神:215

敏捷:230


スキル

【体力増大】【剣術 Lv.7】

【盾術 Lv.7】【詠唱省略 Lv.4】

【気配探知 Lv.6】【魔力探知 Lv.4】

【気配隠蔽 Lv.6】【魔力隠蔽 Lv.4】

【身体強化 Lv.8】【魔力操作 Lv.5】

【礼儀作法 Lv.6】【メイド Lv.7】


魔法系統

【光魔法 Lv.4】


加護

メイド神の加護

剣術神の加護


称号

騎士道精神

実直

くっころさん

カレンの指導を受けし者

ケビン崇拝者




剣術神の加護

 剣術に関する力を統べる神の加護。剣術のレベルが限界突破できるようになる。


騎士道精神

 騎士たらんとして主君への忠誠・名誉と礼節・弱者の守護などを心がける者。


実直

 誠実で正直な者。嘘や隠し事が苦手。


くっころさん

 無意識でついつい「くっ……〇〇」などの発言をしてしまう。




(……くっころさん……)


 ニコルの称号欄にあったものを見てしまい、ケビンは何だか生温かい視線を向けてしまう。


「ケ……ケビン様……? 何だかその視線が痛いのですが……」


「いや……ニコルは騎士を目指していたんだなって……」


「とてもそうは見えない深い意味をその眼差しが物語っているのですが」


 ニコルの言葉にケビンは答えを返さずステータスの内容を教えていき、そして教えられたニコルはというと、その特に必要でもない称号を聞いて先程のケビンからの生温かい視線の意味を理解するのである。 


「くっ……そのような称号が付いているとは……」


「まぁ、ニコルらしさが出ていていいんじゃないかな?」


「ですが……口癖は直した方が……」


「別に構わないよ。それじゃあニコルが期待しているものを渡そうか」


 ケビンが立ち上がりそのままニコルへと近づいて頬へキスをすると、ニコルは顔が赤くなりあたふたするのだった。


「次はライラだね」


 ケビンがライラを呼ぶとニコルはボーッとした表情で席を譲り、そのまま余韻に浸りながら後方へと下がるのであった。


「……よろしくお願いします」


「それじゃあ見ていくよ」




ライラ

女性 23歳 種族:人間

身長:160cm

スリーサイズ:88(E)-58-89

職業:Bランク冒険者、マジカル商会従業員

   メイド、ケビン様を慕う会会員

クラン:Sランク【ウロボロス】メンバー

状態:秘密の過去を知られて嫌われるのではと不安中

備考:幼い頃に闇ギルドから攫われてしまい、手駒として暗殺を繰り返していた過去を持つ。それをケビンに見られて幻滅されるのではないかと思っている。


Lv.40

HP:360

MP:390

筋力:330

耐久:315

魔力:360

精神:330

敏捷:350


スキル

【短剣術 Lv.7】【双剣術 Lv.7】

【暗殺術 Lv.8】【隠密 Lv.8】

【投擲術 Lv.6】【詠唱省略 Lv.5】

【気配探知 Lv.6】【魔力探知 Lv.5】

【気配隠蔽 Lv.6】【魔力隠蔽 Lv.4】

【身体強化 Lv.5】【魔力操作 Lv.5】

【礼儀作法 Lv.6】【メイド Lv.7】


魔法系統

【雷魔法 Lv.5】【闇魔法 Lv.7】


加護

暗殺神の加護

メイド神の加護


称号

不屈

ターゲットオンリー

暗殺仕事人

カレンの指導を受けし者

カミカミ症(微)

癒し系

ケビン崇拝者




【双剣術】

 短剣を両手に持ち扱う技術。


暗殺神の加護

 暗殺に関する力を統べる神の加護。暗殺に関するレベルが限界突破できるようになる。


不屈

 苦難に負けず意志を貫く者。


ターゲットオンリー

 ターゲット以外は不殺を信念としており、ターゲットキルだけで任務を達成させ続けた者。


暗殺仕事人

 暗殺仕事となるといつもの雰囲気がなりを潜めて、プログラムされた機械のように淡々と職務をまっとうする。


カミカミ症(微)

 ここぞと言う時にかんでしまう。(微)かんでしまう頻度が僅かですむ。


癒し系

 ホンワカした雰囲気を醸しだして相手に癒し効果を与える。




 ライラのステータスを見てしまったケビンは、無意識の内に眉をしかめてしまう。


「あの……ケビン様?」


 眉をしかめたケビン見てしまったライラは、予想通りに嫌われてしまったと思い込んでしまい、不安が募っていくばかりである。


 ケビンは立ち上がりライラへ近寄ると、抱き上げてから自分の上に座り直させた。


「辛かったね」


 優しく頭を撫でるケビンの一言でライラの涙腺は決壊してしまい、ポロポロと涙が溢れてくる。


 その様子に周りの者はステータスを公表されていないためか、いまいち現状が把握できなかったが、辛い過去を背負っていることはケビンの一言で察することができたのだった。


 ライラのステータスを過去に関わる部分を省いて説明しようとしたケビンだったが、ライラ自身が自分だけ特別扱いを受けるわけにもいかないと申し出て、全てを公表することになる。


 ライラのステータスを聞いた周りの者はその内容に言葉を失い、いつも一緒に働いていたメイド隊に関しては、その事実に全く気づいていなかったのか驚きで目を見開いていた。


「どんな過去があろうと俺がライラを嫌ったりすることはないから」


 ケビンの励ましによってライラは胸のつっかえが取れて、最後は素敵な笑顔をケビンに返すと、ケビンはライラの笑顔にやられてしまい口づけをするのだった。


 そしてライラの番が終わると次に現れたのはララであった。


「よろしくお願いします」




ララ

女性 23歳 種族:人間

身長:155cm

スリーサイズ:86(D)-58-86

職業:Aランク冒険者、マジカル商会従業員

   メイド、ケビン様を慕う会会員

   ケビン教信者(?)

クラン:Sランク【ウロボロス】メンバー

状態:ケビンに見つめられて視線を逸らしたいが我慢中。

備考:難しいとは思いつつも、ケビンに早くルルと見分けられるようになって欲しいと願っている。お風呂で見分けられた時は至福の時をルルと共有した。


Lv.40

HP:420

MP:460

筋力:380

耐久:340

魔力:420

精神:380

敏捷:300


スキル

【杖術 Lv.5】【鈍器術 Lv.4】

【詠唱省略 Lv.6】【気配探知 Lv.5】

【魔力探知 Lv.6】【気配隠蔽 Lv.5】

【魔力隠蔽 Lv.6】【身体強化 Lv.5】

【魔力操作 Lv.6】【礼儀作法 Lv.6】

【メイド Lv.7】


魔法系統

【水魔法 Lv.5】【風魔法 Lv.5】

【光魔法 Lv.7】


加護

メイド神の加護

魔法神の加護


称号

一卵性双生児の奇跡【ララver.】

メタモルツインズ【ララver.】

恥ずかしがり屋(微)

カレンの指導を受けし者

ケビン信奉者【ララver.】

撲殺天使

ダンジョン制覇者

苦行を耐えし者

普通に逃げし者




ケビン教信者(?)

 本人のあずかり知らぬところでケビン教信者とされてしまった。


一卵性双生児の奇跡【ララver.】

 双子であるルルとは言葉を交わさずとも、理解し合えて感覚共有ができてしまう謎の力。無意識下でお互いに影響を与えることもある。


メタモルツインズ【ララver.】

 ルルと入れ替わってルル本人として偽装行動ができる。見分けがつかない人に見抜くことは不可能で、見分けがつく人には僅かばかり違和感を感じさせる程度の完成度。


恥ずかしがり屋(微)

 何かにつけて恥ずかしがってしまう。(微)ある程度は自身で耐えることが可能となる。


ケビン信奉者【ララver.】

 ケビンを無上のものとして尊ぶ者。元はケビン崇拝者だったが双子のルルの影響により変化してしまった称号。


撲殺天使

 ひょんなことでケビンの一言から周りに認知されてついてしまった称号。撲殺武器を装備時にステータス補正がかかり武器の威力が上がる。




 ケビンは職業欄と称号欄に見てはいけないものを見てしまいどうしたもんかと悩んでしまうが、本人のあずかり知らないことなら元凶は1人しかいないので、その時に説明すればいいだろうと結論づけて後回しにすることにした。


「あぁぁ……ララ、ごめん」


「どうされたのですか?」


「俺のせいで称号がついてる」


 ララのステータスを説明し始めたケビンによって、何故謝られたのかララも納得することになる。


「ケビン様に頂いたものなら問題ありません」


 ニコニコしているララは、ケビンからつけられてしまった称号を受け入れてしまうのであった。


 そのようなララに申し訳なく思いつつも頬にキスをすると、メイド隊最後の1人を呼び寄せるのである。


「ルル」


「はい、ケビン様」


 ルルが席に着いたところでケビンはステータスを閲覧し始めるのだったが、予想通りというべきか危惧していたものが明らかとなるのであった。




ルル

女性 23歳 種族:人間

身長:155cm

スリーサイズ:86(D)-58-86

職業:Aランク冒険者、マジカル商会従業員

   メイド、ケビン様を慕う会会員

   ケビン教教祖

クラン:Sランク【ウロボロス】メンバー

状態:ケビンの神々しさに目眩中。

備考:奉公に赴いた際にケビンから気遣われたことで、ケビンに対する想いが芽生えた。次第にその想いは強くなり、いつしか神聖視するまでに至る。ララと見分けがつかなくて悩んでいるケビンの姿が神々しく見えて、心中では悶えている。


Lv.50

HP:575

MP:475

筋力:525

耐久:500

魔力:425

精神:400

敏捷:400


スキル

【暗器術 Lv.5】【剣術 Lv.6】

【二刀流 Lv.4】【詠唱省略 Lv.4】

【気配探知 Lv.6】【魔力探知 Lv.5】

【気配隠蔽 Lv.6】【魔力隠蔽 Lv.4】

【身体強化 Lv.6】【魔力操作 Lv.5】

【礼儀作法 Lv.6】【メイド Lv.7】


魔法系統

【雷魔法 Lv.5】【風魔法 Lv.5】


加護

メイド神の加護

剣術神の加護


称号

一卵性双生児の奇跡【ルルver.】

メタモルツインズ【ルルver.】

カレンの指導を受けし者

暗器使い

ケビン信奉者【ルルver.】

ダンジョン制覇者

苦行を耐えし者




ケビン教教祖

 ケビンを神聖視して非公式に立ち上げた教団の教祖。こっそり運営しているためにサラすらもこの事実を知らない。現在信者の数は無意識下における強制で称号を変化させられてしまったララと、夢見亭のコンシェルジュであるマヒナだけである。


一卵性双生児の奇跡【ルルver.】

 双子であるララとは言葉を交わさずとも、理解し合えて感覚共有ができてしまう謎の力。無意識下でお互いに影響を与えることもある。


メタモルツインズ【ルルver.】

 ララと入れ替わってララ本人として偽装行動ができる。見分けがつかない人に見抜くことは不可能で、見分けがつく人には僅かばかり違和感を感じさせる程度の完成度。


暗器使い

 隠し持つことができる小さな武器を巧みに使いこなして、洗練された技術を習得した者。


ケビン信奉者【ルルver.】

 ケビンを無上のものとして尊ぶ者。教会の神と同様にケビンを崇め奉る。




「あぁぁ……ルル?」


「はい、如何されましたか?」


「知らない内に俺の教団作ったね?」


「ッ! な……何のことでしょうか?」


 ケビンに指摘されたルルは、視線が右へ左へとクロールをしながら泳いでいた。


「別に今更どうこう言うつもりはないんだけどね、ララが本人の知らない内に信者になってるだろ?」


「え!? 本当ですか、ケビン様!」


 ルルの作り出したケビン教なるものにララが入信していたと本人が知って驚いていると、ルルが申し訳なさそうに答えるのであった。


「ごめん、お姉ちゃん……」


「さっきララのステータスを見た時にあったからね、ルルのを確認してから教えようと思ってたんだよ」


「はぁぁ……称号のせいでしょうか?」


「恐らくね」


「昔からそうなんですよ。片方が興味を持ったものはもう片方も何故か影響を受けて興味を持ってしまうんですよね」


「不思議なこともあるもんだね」


 それからケビンは、ルルのステータスとララの教えていなかった項目を説明していくと、メイドたちはおろかララでさえも頭を抱えてしまっている。


「ルル、変わってしまったものはしょうがないから正式に信者になるよ」


「本当!? お姉ちゃん!」


「ケビン様、妹が申し訳ありませんでした」


「いや、今のルルがあるからこそ、俺もララとルルを判別できているから助かっている部分もある」


「そう言って頂けるとありがたいです」


「ケビン様、ありがとうございます」


 こうして変なことはあったものの、無事にメイド隊のステータス確認は終わったのであった。

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