第224話 コンテスト終了

「では栄えある第一位の方にインタビューしてみましょう。今の気持ちをお聞かせください」


妹「えっと……私が一位なんですか?」

まぁ、普通信じないよな


「はい、そうですよ。採点の結果に間違いはありません」

間違いないのかよ……


妹「因みに私って何点だったんですか?」


「えー、点数は……44点ですね」

1位にしては……何か低くない?


妹「え?じゃあ二位の人は」


「1点差の43点ですね。いやぁ、すごい接戦でしたね」

ホントに!?


妹「そう、ですか……」


「はい。では、続いて惜しくも二位だった方をお呼びします。第二位だったのは、34番の方です!どうぞ!」

南城さんが前へ出てきて妹と並ぶ


南城「惜しかったなぁ……あと1点だったのに……」

悔しそうにする南城さんへ司会者がマイクを向ける


「え~、残念ながら二位という結果でしたが、感想をどうぞ」


南城「納得できないよ!?えっと、審査員の人達からの点数で逆転されちゃったって事?」


「そうですね。審査員の方たちが入れた点数が1位の方は満点でしたから」

マジかよ……!?


南城「満、点……え?じゃあ私は!?」


「えー、10点ですね……こんなに低い点は過去類を見ませんね」

一人10点で、満点だと30点だろ……なのに南城さんは10点って

どんだけ低いんだよ


南城「低い!何で!?何でそんなに低いの!?」

何か不正でもあった、とか?


「審査員の方からコメントが寄せられていますので、そちらを読み上げます。『水着の審査という事でしたので、着用者の容姿は点数に加味されていません。水着審査で準備体操をしても、水着の魅力は全く伝わってきませんよ』との事です」

ド正論!?


南城「そんなぁ……」


「他の方からのコメントも聞きますか?」

もしかして審査員3人ともコメント残して帰ったのか⁉


南城「もう、いいです……」


「では、続いて第三位の方の発表です。なんと第三位は同点が2名でした。35番、36番の方です。前へどうぞ」

堀北さんと仁科さんが南城さんの横に並ぶ


「では、35番の方から今のお気持ちを聞かせてください」


仁科「そう、ですね……負けたのは悔しいですけど、なんとか3位をキープできてよかったです」

そっか、もしかしたら4位転落ってこともあったのか


「お次は36番の方どうぞ」


仁科「残念です!……以上です」

あ、ここで不満を言うと南城さんの二の舞いだって気付いたな


「はい、ありがとうございました。ではこれより、表彰式と賞品の授与を行います」

スピーカーからBGMが流れる

そういえば表彰式とかって必ずこの曲だな……なんか意味あんだろうな


「貴方は本コンテストに於いて、最も輝いていた事をここに表します」

表彰状を渡される妹

一応両手で受け取るけど、雰囲気で分かる……心の中で『いらない!』って思ってるな


「副賞として、金一封と来年のペア入場券、更にポスターのモデルになれる権利を贈ります。おめでとう!」

何か最後にポスターとかモデルとか聞こえた気がしたんだけど!?


妹「あ、ありがとう…ございます」

それらを受けとって一礼する


その後は南城さん達も賞状と金一封と、一人用入場券を貰ってコンテストは幕を閉じた


ステージから下りて真っ先に俺の方へ向かってくるだろうから、一度この場を離れないと……

俺が席を立つと東雲さんが俺の手首を掴んだ


東雲「待っててあげないの?」

何言ってんの!?


俺「一旦人目のない所へ隠れるんだよ。じゃないと、嫉妬心に殺される」

そうじゃなくても、兎に角目立つだろ……表彰された4人が全員揃って俺のトコに来たらね

俺はプールをのんびり楽しみたいんだよ!


東雲「そういう事ね」

あっさり納得してくれたはずの東雲さんは、何故か俺の手首を離してくれない


俺「あのさ、何で掴んでるの?離してくれない?」

早く逃げたいんだけど!?


東雲「私も一緒に行くわ。拒否権はないわよ?」

咄嗟に断ろうとしたが、東雲さんの目を見て諦めた

楽しそうに笑ってやがる……


俺「分かったから、兎に角ココを離れるぞ」


東雲「話しが分かる男ね。さ、行きましょ」







東雲さんとメイド江藤さんを引き連れて、俺は人気の少ない所へ向かった

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