第125話 なりすまして連絡

しばらくして、俺の要望通りクッション性良いイスと食事が持って来られた


大家「ご要望通り椅子を用意したよ。あと、机と布団も用意したからね」

ワクワクした雰囲気の大家狂人は俺の反応を見て更に気分を良くしている

機嫌の悪い俺を見て、何いい気になってんだよ


大家「さぁ、どうぞ」

そう言って用意されたスープをスプーンにすくい俺に向けてくる


俺「何のつもりだ?」


大家「あ~ん、って食べさせてあげようかなって」


俺「気持ち悪いから止めろ!!」

食欲が無くなるだろ‼‼


大家「でもぉ、君が暴れたら困るから拘束は解けないし~」

ウザい……


俺「暴れないから、頼むから普通に食事させてくれ……」


大家「ふむ……暴れたりしたら、君の情報は全世界にバラすけどいい?」

全世界って規模でけーな!?


俺「いいから、さっさと食わせてくれ……」


大家「しょうがないなぁ」

心底楽しそうに俺の拘束具を外す

絶対俺の反応を楽しんでやがる……


机に並べられて料理は……まさかのサンドウィッチだった


大家「時間的に朝食くらいだからね、食事も朝食向きの物にしてみたんだよ」

朝食くらい……?

てことは、もう朝日が昇ったのか?

もし、俺が登校しなければ南城さん達が気付いてくれるし

学校から登校してないって連絡が家に入れば父さんも気付いてくれるはず

よし……これで助けがくる!!


大家「どうやら、助けが来ると勘違いしてるようだね?」


俺「来るさ!絶対に来てくれる!」

そうだろ?


大家「残念だけど、助けは来ないよ。だって私が来させないからねぇ」

来させない?


俺「何をした⁉」

まさか……南城さん達まで拘束したのか⁉


大家「何、簡単なことだよ。君のスマホで連絡を入れたまでだよ?なりすますのは簡単だったよぉ?皆君から来た連絡だと思っているから、すぐに返事も来たね」


そういってスマホの画面を俺に見せる




俺 ごめん!風邪引いたみたいだから、明日休むね。うつすといけないからお見舞いは来ないでね。春香ちゃんにも伝えておいて!


千秋 え⁉そうなの……⁉


   お大事にね!




ん?

なんだ……?

何か、違和感があるな……




大家「もちろん、あの男にも連絡済みだよ。ほらねぇ」


俺 ちょっと風邪引いたみたい。明日は学校休むから連絡入れておいてもらってもいい?


父 大丈夫か?


俺 大丈夫!薬飲んで安静にしてれば治るから、お見舞いは来ないでいいから。妹の傍にいてあげて


父 分かった、学校には私から連絡を入れよう。早く治して、一度家に帰ってきなさい。そろそろ妹も落ち着いたからな


俺 うん。楽しみにしてる


父 そうか




また、違和感だ……

確かに俺っぽい文章なんだけど……やりとりが、少し違う……気がする



大家「ふふっ、これでもう数日はここに居られるなぁ」


俺「そーだな」

全く嬉しくねーっての……


大家「出来るだけ快適に過ごせるようにするから、どんどん要望言ってねぇ?だって、新薬は私達の共同開発になるからねぇ!」

ふざけるなよ!

かってに巻き込んでおいて、共同開発も何もないっ!!


俺「それなら、何か娯楽が欲しいな。ゲームとか用意してよ」

ネット環境に繋がれば、チャット機能で助けを呼びかける事もできるかもしれない


大家「ゲーム!良いですねぇ!すぐに用意しましょう!対戦出来るゲームも用意して、二人で遊びましょう!!そうしましょう!!」

は?二人で?

何言ってんだ?


俺「イヤに決まってんだろ?」

ネット対戦出来るゲームで、尚且つチャット機能のあるゲームがいいんだよ!!


大家「そんなぁ……私に勝ったらな~んでもいう事聞いてあげようと思ってたのにぃ」

何でも、いう事を聞く?


俺「もし俺が勝ったら、何でもいう事聞くんだな?」

それなら……


大家「もちろん!その場で解放してもいいよ?」

よし、受けて立とう!!


俺「乗った!それじゃ、ゲームで勝って解放してもらう!!」


大家「いいとも!私が勝てば、そうだなぁ……ん~~~~~、あ!そうだ!コスプレでもしてもらおうかな!」

こ、コスプレ!?

mobの俺に⁉コスプレ!?

ま、まぁ……それくらいなら、いいか?

実害が少なそうだし


俺「わかった。その条件で勝負だ」


大家「楽しみだなぁ!どんな衣装にしようかなぁ!」



こいつ……俺が勝つって微塵も思ってないな?

インドア趣味のオタクの底力見せてやる!!!!


それはそうとサンドウィッチうめー

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