第62話 どこへ向かうのか
車に揺られること早20分
やっと停車したその場所は、大きなビルの前だった
俺「きもちわるい……」
四季島「着いたぞ」
どこに着いたっていうんだよ
うぇっぷ
四季島「四季島カンパニーの研究施設だ」
はい?
研究施設⁉
何するつもり⁉
四季島「これからお前の事を調べるぞ」
俺を?
俺「何で?」
どっか悪いの……⁉
もしかしてそのせいで死ぬの⁉
重い病気かなんかなの⁉
四季島「お前の血を検査したい」
血?
白血病的な何かなの⁉
四季島「お前が本当に只のmobなのか、調べたい。協力してくれるな?」
俺「協力って……ここまで無理矢理連れてきておいてさ」
四季島「俺の勘が合っていれば、この検査でお前は変わることになる。それがどういった変化かはわからないが、何かを得て何かを失うと思う。だから今一度問う、検査に協力してくれるか?」
何かを得て……何かを失う……
俺は何を失うんだ……?
俺「念の為聞くけど死ぬわけじゃないんだろ?」
四季島「採血程度で死ぬ人間はいないだろ?」
そりゃ、そうか
俺「何かを失うってのは?自我を失うとかそういった類じゃないよな?」
え、そこで考える仕草するの⁉
四季島「自我、か……可能性は少ないがゼロじゃない。お前の今までの人生を否定しかねない事実が発覚するかもしれないしな」
ゼロじゃないの⁉
廃人に何かなりたくないよ‼‼
それも人生を否定って、精神崩壊するやつじゃん!
俺「それ、俺にメリット無くねーか?」
四季島「メリット……そうだな。俺の勘が合っていれば、千秋ちゃんと春香ちゃんが喜ぶし、お前も少しは二人の事を受け入れやすくなるだろうな」
え?
何それ?
俺のメリットじゃ無くね⁉
四季島「もちろん、協力してもらえないなら」
強制的にってか⁉
四季島「このまま何もせずに帰るだけだ」
は?帰る?
何もしないで済むの⁉
四季島「あとは、隙を見てお前の血を入手する方法を考えるしかないな」
なんでそこまで俺の血を欲しがるの⁉
俺「それはそれで怖いんだけど……」
四季島「ケガをさせようとか、そんな事は思ってないからな?」
ホントかなぁ……
四季島「偶々、偶然、ひょんなことからお前がケガをした場合、手当てのついでに少し血をもらうと思うがな」
怖っ!
俺「血だけ欲しいんだよな?」
四季島「そうだ」
俺「なら、採血は協力する」
四季島「そうか。よかっ」
俺「でも、検査結果は聞かない」
そう
きっとコレが正解のルートだ
検査した結果、俺が変わるっていうなら
結果を聞かなければ、何も変わらないはずだ
四季島「結果に興味ないのか?」
俺「無いね。俺は平穏無事に生活したいんだよ。そんな急激な変化ってのは嫌いなんだよ」
四季島「そうか……そういう考えもあるのか……」
俺「それと、検査結果は口外禁止にしてくれよ?」
守秘義務個人情報保護とか無視しそうだしな
四季島「もちろんだ。検査した事すら絶対に外へ出ることはない。約束しよう」
約束ね~……
四季島「なんなら名前に誓おう」
俺「その名前に誓うって何?」
四季島「知らないのか?」
知るか!
こちとら
四季島「名前に誓うって事は、名前を捨てる覚悟で約束するってことだ」
名前を捨てる⁉
なんじゃそりゃ⁉
四季島「俺達
命がけ、ね……
俺「分かった」
信じてやるか
四季島「ありがとう。それじゃ早速だが中に入って簡単な検診を受けてくれ、最後に採血をするからな」
まるで健康診断みたいだな……
入った研究施設の中はまるで病院だった
案内されるままに付いて行き、検診と採血を1時間ほどで終える
時計を確認すると、時刻はだいたい12時くらいだった……
昼飯食いてぇなぁ~……
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