5人の残念系JKの日常

2つの葉っぱ

4月3日あと5日で高校生!(雨湖ゆり)

ゆりちゃん朝だよ〜

夢の中でおばあちゃんの声がする

朝の匂い

いいお天気の匂い

んっ…ふわぁ〜!

「おはよう〜おばあちゃん〜」

窓からおばあちゃんに声をかける

「はいおはよう、ゆりちゃん」

「にゃあ〜」

ぬくぬくした塊が私の足に突っ込んできた

三毛猫の筆丸だ。

「お!おはよう筆丸!今日も可愛いねぇ〜」

筆丸にすりすりして顔を洗いに行く

キュッ ジャー パシャパシャ …

「ふぅ〜スッキリー」

「ゆりちゃん朝ご飯出来てるよ〜」

おばあちゃんが呼んでる

「はーい!」

「いただきま〜す!」「いただきます」

お茶碗の蓋を開けるとお茶とお魚のいい匂い

わぁ〜今日はしゃけのお茶漬けだ!

「はい、筆丸今日はしゃけだぞー」

「にゃ〜」

「美味しぃ〜」

「たくさん食べてねゆりちゃん」

「うん!」

ふと視界に真新しいセーラー服が見える。

そういえばあと5日で高校生なんだなぁ

あまり実感がわかないなぁ

JKって事だよね、なんか今凄くハードルが上がった。中学の卒業祝いにおばあちゃんにスマホを買ってもらったけど、友達と連絡先とか交換出来るかな?それ以前に友達できるかなぁ…。

「ゆりちゃん箸が止まってますよ、大丈夫?」

「あ!大丈夫だよおばあちゃん!」

大丈夫、大丈夫、友達なんて何となくで作れるよね!

「ね!筆丸!」

「にゃ〜」

お米の粒を箸でつまんで少しずつ食べていくと無心になれる。

だからご飯の時間はとっても好き

「ごちそうさま!」

食器を洗い台に持っていく

ジャー

スポンジを水で濡らして石鹸を少しつける

シュッシュッ 少しずつスポンジが泡立って

モコモコになっていく

カチャンカチャン

食器同士がぶつかる音を聞きながら

私は高校生活を想像した

私の通う学校は普通の女子校、おばあちゃんの家の近くあったからそこに決めた。

一番楽しみなのは美術の授業、私は絵が好き。絵には少し自信がある。

勉強も頑張らないとな高校の勉強難しいかなぁ…

洗い物が終わって歯を磨く。

みんなメイク?化粧?とかしてるのかな?

あとで調べてみよう、

自分の部屋に戻ってパジャマを脱いで洋服に着替える

早速スマホを取り出して調べてみる

えっと、[高校生 メイク]

検索っと

なになにえーっと

・JKのメイク法

・私の学校メイク

・メイクの基本

うーん、、難しそうだなぁ

少し下にスクロールすると質問サイトが出てきた

Q.私は今年JKになります!学校ってメイクしたほうがいいですか?

あ!私と同じことを思ってる人がいる!

タップすると回答が出てきた

A.高校生はまだメイクしなくても大丈夫だけど初めてやるんなら色つきリップとか前髪を少し巻いたり、でいいんじゃないかな?

ふーむ

前髪はおばあちゃんのスポンジみたいなので巻けるけど色つきリップは持ってないなぁ

おばあちゃんに聞いてみよう、

「おばあちゃんおばあちゃん!」

私は慌ただしく階段を降りておばあちゃんの部屋に行った。

「どうしたの?楽しそうだねぇ」

「えへへ、おばあちゃん色つきリップって持ってる?」

「色つきリップ?うーん口紅とワセリンなら昔使ってたのがあるけど色つきリップは無いねぇ」

「そっかぁ」

「色つきリップは何に使うんだい?」

「高校生になるから学校にしていきたいなーって思ったんだ」

「じゃあ今から買いに行くかい?」

「いいの?!」

「ゆりちゃんの入学祝いまだ渡してないからねぇ、駅前の大きな薬局になら売っているかもしれない」

「やったー!」


おばあちゃんと私は駅前の薬局に来た。

よし、色つきリップ、色つきリップ、

あった!

わぁ沢山種類がある。

コーラルピンク、オレンジ、日焼け止め効果!?香りつきも!

迷うな〜

あ、これすごく可愛い

よし、これに決めた!

「おばあちゃんこれがいいな」

ピッピッ400円ニナリマス!

「アリガトウゴザイマシター」

「ゆりちゃん少し早いけど入学おめでとう」

「ありがとうおばあちゃん!」

家に帰るとちょうどお昼の時間。

「いただきます!」「いただきます」

今日のお昼は肉じゃがとお味噌汁と白ごはん

おばあちゃんの肉じゃがはとっても美味しい

おつゆがじゃがいもやにんじんに染み込んで

白ごはんにとってもよく合う。

「ごちそうさま!」

洗い台に食器を持って行って食器を洗う

歯を磨いて洗濯機を回す。

これは私の春休みの日課。

洗濯機を回している間、私は筆丸と遊ぶ

筆丸〜こっちおいで〜

「にゃ〜」

筆丸は背中に筆で書いたような丸の模様がある。だから筆丸

筆丸は私にとても懐いてくれてるけど他の猫や犬は全然懐いてくれない。なぜかよく吠えられる…

「なぜだ筆丸!なぜなんだぁー」

「にゃ〜」

筆丸と戯れていると洗濯が終わった

洗濯物を物干し竿にほす。

洗剤のいい香り

春休みの日課をやっていく内に私の五感は前よりも鋭くなった気がする。

色、匂い、温度、いろいろなものを深く感じられるようになった。

高校生活が始まっても春休みの日課は続けていきたいなぁ

そんなことを考えながら洗濯を終え

晩ごはんの支度をする

今日は煮込みハンバーグを作る、だから材料を買いに行かないといけない。

「おばあちゃんハンバーグの材料買ってくるね!」

「おぉ、いってらっしゃい」

「行ってきまーす!」


お!ひき肉安い!あとは玉ねぎ玉ねぎ…



「ただいま〜」 「おかえり」


晩ごはんの支度を終え

お風呂を掃除してお湯を沸かす

「ゆりちゃん先にお風呂入っていいよ、おばあちゃん、これ作り終わったら入るから」

「わかったー!ん?おばあちゃん何作ってるの?」

「これだよ」

「わぁ〜!すごい!」

おばあちゃんが見せてくれたのは細かい刺繍が施されたハンカチ。

おばあちゃんはとっても手先が器用で色んなものが作れる。

「ゆりちゃんこのハンカチ出来あがったらあげるね」

「え!ありがとう!」

すっごく嬉しい、なんだか高校に行くのが楽しみになってきた!

お風呂から上がり髪の毛を丁寧に乾かす。

髪の毛を乾かした後、最後にドライヤーで冷風をかけると髪にツヤが出るってスマホで読んだから早速やってみた。

なんとなくいつもよりサラサラかも!

ハンバーグの仕上げをしてお皿に盛り付ける

「おばあちゃん出来たよー!」

「すごいねゆりちゃん、美味しそうだねぇ」

「やったー!いただきまーす!」

「ふふ、いただきます」

うん、我ながら上出来かも!

野菜の旨味がギュッと凝縮されて肉汁が口いっぱいに広がる。

「なんかテレビのcmにでてきそうな味!」

「よくわからないけどわかるかもしれないねぇ」

「なにそれー!あははは!」

「ふふふふ」

「ごちそうさまでした!」

洗い物をして歯磨きをした。

「おばあちゃんおやすみなさい」

「おやすみゆりちゃん」

「筆丸もおやすみ」

「にゃむ」

部屋を出ようとすると

ふと視界に真新しいセーラー服が見える。

あと5日で高校生だな。

少しだけ頰が緩む

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