第182話 VSデニス・ランベルト(第5回公判意見陳述)
健斗:人間の皆さんこんばんは、ナレーター兼アナウンサーの武崎健斗でございます。さあ、裁判もいよいよ大詰めが間近となりました!第5回公判の意見陳述ではどの様な展開が繰り広げるのでしょうか?
境界時間10:00 4界宇宙統合司法裁判所 第3法廷
摩耶:これより、第5回公判2回目の意見陳述を執り行います。2回目の意見陳述は判決の際において重要性を帯びてくるので発言等には十分に気を付けるように。
デニス:だ、大丈夫なのだろうな?
レオン:まだこちらの負けとは決まりません。何故ならまだあの件の存在が明るみになっていませんから。その証拠にこの裁判でここまでの間に検察側はその事に一切触れてはいないではありませんか。
デニス:そ、そうだな!その情報はやはり、あの者からか?
レオン:はい♪
デニス:なら、一安心だな♪
奏瀬:先ずは
摩耶:ええ、その件は最終的に第4回公判にて完璧に立証されていましたね。
奏瀬:その際、我々検察官と同行していた初代異世界転生勇者の阿弥陀冬馬氏はその魔王を看取った時にある物を託されました。
デニス:あ、ある物だと⁉︎
レオン:い、一体何だというんだ。
懐のポケットから証拠品収納袋に入ったUSBメモリを取り出す
奏瀬:これは、ある密命を受けた被害者の魔王が記録したとされる監視カメラの音声付きの映像です。
デニス:か、監視カメラだと⁉︎
レオン:それに密命⁉︎
奏瀬:閻魔大王様、これに記録されているものを再生してもらえますか?
摩耶:分かりました。係官、お願いします。
係官:はっ!
再生した監視カメラの記録映像にはデニスと地球担当神の密談の映像が映し出される
???:それにしても、私の寿命管理ミスを逆手に取ってそんな
デニス:悪知恵とは神聞きの悪い、救済措置の知恵と言いたまえ♪
???:このシステムを上手く利用すれば、我々の出世は思いのまま♡
デニス:君だってこの功績を糧に御前裁判の要職である大法廷主席書記官という地位にありつけるのではないか♪
映像を見た瞬間法廷内の全ての者が一斉に注目する
奏瀬:そう。これまで天界宇宙中央政府において、ランベルト被告を含む3老害と陰で呼ばれている者達の御前裁判で様々な嫌疑や罪を逃れてこられたのは当時地球担当神であった・・・
大法廷主席書記官を真っ直ぐ指差す
奏瀬:ヘリック・ロンバルトさん、貴方ですよね?
ヘリック:そ、それは!
奏瀬:大法廷主席書記官といえば裁判所の要職にある存在。つまり貴方の権限があれば証拠隠滅は勿論のこと、その情報の横流しだって出来ますよね?
摩耶:どうなのですか?
ヘリック:そ、それはそのぉ・・・
奏瀬:当時の親善使節団の魔王であるロイド・エネルディア大統領が受けた密命、それは貴方が犯した寿命管理ミスの実態調査だったのです!
傍聴席が騒然となる
摩耶:静粛に、皆さん静粛に!ロンバルト大法廷主席書記官、検察側の発言が事実であれば、貴方の罪を徹底的に
久遠:糾弾するまでもないさ、閻魔帳システム化したマスタースフィアがあるんだからそれを使えば良いんじゃないのかい?もっとも、それを使われる前に自供すれば多少は罪が軽くなるかもよ♡
ゼウス:1人の尊き命を己のミスで失わせたばかりか、それを自首しない上に揉み消しを謀りあまつさえそれを不正出世の材料にするとは言語道断!絶対に許さんぞ‼︎
久遠:だ、そうだ♪
ヘリック:そ、そんなぁ。
ゼウス:ここまで罪を重ねて事態を重くしたのだ、デニス・ランベルト並びにそれを弁護した貴様もただで済むとは思っていまいな?
デニス:ぐぅ!
レオン:クッ!
摩耶:被告神並びに弁護人、そしてヘリック・ロンバルト大法廷主席書記官には多くの余罪がある可能性があると判断。その余罪洗い出しのため第5回公判はここまでとし、それを元に明日判決を言い渡します。第5回公判はこれにて閉廷!
摩耶の木槌が法廷内に響き渡る
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