第77話 VSツェッペリン&一条(第4回公判中編)
第4回公判開廷より1時間 境界時間10:42 第6法廷
摩耶:静粛に!静粛に‼︎告発するからには当然根拠があっての事なのですよね?
結衣:勿論です。
摩耶:では
証言台に立つレオパルト
摩耶:名前と職業と種族を。
レオパルト:レオパルト・ツェッペリン。製薬会社ドラット製薬グループ代表取締役社長、種族は
結衣:早速ではありますが、社員達から集めた証言によりますと貴方は大の親魔界派で知られており、魔界の妖凱製薬グループとの業務提携も考えていたほどだと伺っておりました。それが何故、最近になって急に系列ドラッグストアチェーンである幻魔ドラッグの買収という
レオパルト:会社を大きくするならその方が業務提携の時優位に立てるからだ。
結衣:おかしいですね、貴方はこの経済新聞電子版の取材に対し互いに対等な立場での業務提携なので強硬買収など有り得ないとハッキリ仰っていますよね?これはかなり矛盾しているのではないですか?
レオパルト:そ、それは!神が優位な立場が常識的に考えて当たり前と気付いたからだ!
結衣:貴方の言う神の常識的なという見解で私なりの解釈で言わせてもらえば、神が1度発言した内容をコロコロ変えてしまうのもどうかと思うのですが?
レオパルト:ふぐぅ!そ、それと私がクローン技術で造られた偽物という告発とどういう関係があるのだ!
結衣:人の性格というものは、そう簡単には変えられません。それは神も例外ではありません、それに利き腕もそうそう簡単には変わりませんよね?
レオパルト:な、何が言いたい!
結衣:ツェッペリンさん、社員の皆さんが口を揃えて証言している貴方が40年前を境に
レオパルト:ああ、行っていた。
結衣:何処に行かれていたのですか?
白緋: ⁉︎
レオパルト:何処に?決まっているだろう・・・・
レオパルトの発言を遮る様に割って入る白緋
白緋:社長は魔界の妖凱製薬グループ本社に行かれていたのですよね?
レオパルト:何を言って・・・ハッ!
閻魔大王固有スキルで白緋を威圧する摩耶
摩耶:被告神は許可なく発言しないように!
白緋:クッ!
結衣:何処に行かれていたのですか?
レオパルト:よ、妖凱製薬グループ本社だ。
結衣:おかしいですねぇ、ではこれをご覧ください。
モニターをとある場所の防犯カメラの映像に切り替える結衣
結衣:これはどちらも40年前の同じ時間のある場所を記録した防犯カメラの映像なのですが、ここに映っているのは天界と魔界それぞれ別々の場所なのです。
摩耶:それがどうかしました・・・そうか!同じ時間の天界と魔界に同時に映っているのは不自然過ぎる!
結衣:その通りです、更にこの2つの映像にあるツェッペリンさんの手に注目して下さい。
摩耶:ん〜?・・・あっ!魔界に居るツェッペリン氏は左利きに対して天界のツェッペリン氏は右利きだ!
結衣:そう、この時点でどちらが本物のツェッペリンさんかが分かります。本物のツェッペリンさんは・・・
天界の方を指差す結衣
結衣:天界側の防犯カメラに映っているこのツェッペリンさんこそが本物なのです!
再び騒然とする傍聴席
結衣:秘書さん、貴方は何か隠している事がありますよね?
白緋:(ま、まさかアレを入手している⁉︎)
秘書:な、何を言い出すのですか。私は何も隠してなど・・・
結衣:これを聴いてもまだそんな事言えますか?係官、例の通話記録を再生してください。
係官:分かりました。
通話記録を再生する係官
政府高官:では予定通り御社の社長を我がドクトリア王国に連れて来てくださいよ?
秘書:分かっております、上手く行った時の約束の件くれぐれもお忘れなきようお願いしますよ♪
政府高官:勿論ですよ♪
通話記録がここで終了する
秘書:・・・・
結衣:今の通話記録にあった相手はドクトリア王国で色々と黒い噂の絶えない政府高官の声でしたよね?貴方は彼と何の約束をしていたのですか?連れて来るというのはどういう事ですか?それは貴方が本物のツェッペリン氏を拉致して連れて行くという隠語ですよね?
秘書:そ、そそそ、それは!
結衣:ツェッペリン氏がドクトリア王国へ向う前日のこの日、貴方は普段やらないツェッペリン氏に自身でお茶を出したそうですね?しかも、その前日に薬品庫から新薬開発の名目で強力な睡眠薬を持ち出している。
1枚の許可証を秘書に突き付ける結衣
秘書:なっ!ど、どうしてそれがここにあるんだ⁉︎
結衣:これはドラット製薬グループ本社常務取締役のサインと聖印入りの許可証です。貴方は常務に言葉巧みに書かせて睡眠薬を持ち出した、そうですね?ここに貴方の名前もしっかり書かれています。
秘書:あわわわっ!
レオパルト:(あの馬鹿者めが!)
秘書:その反応だと何故焼却処分した筈の許可証があるんだって顔ですね?お忘れですか?魔界には
膝から無言で崩れる秘書
結衣:さて、この場合貴方がもし本物のツェッペリン氏であればあの時天界に居たと言われたらこちらも完全に手詰まりになるところでしたが・・・
白緋を見る結衣
結衣:誰かさんが横槍入れて魔界に居たなんて誘導さえしなければそちらの優位に立てたのに残念でしたね♪
白緋:・・・・
結衣に耳打ちする係官
結衣:分かりました、ありがとうございます♪閻魔大王様!
摩耶:はい。
結衣:たった今係官からの報せでここに居る被告神ツェッペリン氏が偽者であるという事を決定的なものとする者が到着したとの事です。その者の入廷の許可をいただけますか?
レオパルト:決定的な?・・・まさか⁉︎
摩耶:良いでしょう。
白緋:(マズい!稼働したクローンが本物と
入廷するもう1
レオパルト?:あ・・・あ・・・ああっ!
証言台のレオパルトが水晶体になって崩れて消える
騒然とする傍聴席
摩耶:静粛に!クローン疑惑に関してこれ以上の審議は必要ありませんね。
再び白緋を見る結衣
結衣:次は貴女の番ですよ♪
後編へ続く・・・・
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