18 孤独は人を死に至らしめる病である。

 孤独は人を死に至らしめる病である。

 

 幽霊 ホロウ 三人目 水玉ひかり(なんにも知らない子)


 そのまま二人が自分たちの教室である『666号室』のドアの前まで移動をすると、そこにはすでに幽霊(ホロウ)の最後の一人である、水玉ひかりの姿があった。


 ひかりはいつものように一人で誰よりも最初に666号室の教室の前までやってきていて、その廊下の反対側の壁に背中を預けるようにして床の上に体育座りをして座り込んで、そこでなにかの小さな本を一生懸命になって読んでいた。(その本はなに? と以前にかげろうがたずねるとひかりはにっこりと笑って「聖書」だとかげろうに言った)


 ひかりはやってきた二人の姿を見ると、にっこりと笑って、本を読むことをやめて、廊下の上に立ち上がった。

 ひかりはぽんぽんと両手で黄色いコートについた埃を手で払った。


「おはよう、かげろうくん。よぞらくん」

 ひかりはとことこと歩いて二人と合流すると、にっこりと笑ってそう言った。

「おはよう、ひかりちゃん」

「うん。おはよう。ひかりちゃん」

 かげろうとよぞらはひかりに挨拶を返した。


 これで今年の幽霊の学校の生徒である三人の幽霊(ホロウ)たちが集合した。

 三人は三人一緒に並んでドアの前に立つと、とんとん、とドアをノックしてから自分たちの教室である『666号室』の中に入って行った。

(教室の中からは「はい」と珍しく返事があった)

 すると、もう教室の中には、『浮雲ひまわり先生』の姿があった。

「あら、おはよう。みなさん。今日は随分と早いんですね」とひまわり先生はその美しい顔をほとんど変化させないままで、かげろうたち三人の幽霊(ホロウ)に向かってそう言った。

(ひまわり先生はその右手にびりびりと電気を放つ、『お仕置き用の電気鞭』をしっかりと今日も持っていた)

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