14
とんとん、とかげろうの部屋のドアを叩く音が聞こえた。
その音を聞いて、かげろうは久しぶりにその視線を窓の外から、部屋の中に戻した。
「……かげろうくん。もう起きてる?」
そんな声が聞こえた。
それはかげろうのクラスメートであり、友達である幽霊(ホロウ)の一人、三日月よぞらの声だった。
かげろうは部屋の中をドアのところまで移動してドアを開けた。
すると、そこにはよぞらがいた。
「おはよう。よぞらくん」
にっこりと笑ってかげろうは言った。
「うん。おはよう。かげろうくん」
かげろうと同じようににっこりと笑って、よぞらは言った。
よぞらは幽霊(ホロウ)の正装ともいえる『フードのついた黄色いコート』(かげろうが裏ポケットにネジを隠したコートだ)をその体に着ていた。それだけではなくて、その背中には小さなリュックサックを背負っていて、学校に行くための準備をすでに整えた服装をしていた。
でも、まだ学校に登校するには少し早い時間だった。
「こんな時間に学校に行く準備を終えて、どうかしたの? よぞらくん」
なので、かげろうはよぞらにそう言った。
「うん。ちょっと中で話をしても、……いいかな?」
体をもじもじさせながら、よぞらは言った。
「もちろん、いいよ」
かげろうはそう言ってよぞらを自分の部屋の中に案内した。
「お邪魔します」
そう言って、よぞらはかげろうの部屋の中にお邪魔をした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます