第5話 犠牲
制圧完了後から20分も待たず、NHTV正面玄関前に補給部隊の大型トラックが8台到着した。最後尾には部隊護衛用の装甲車も2台引き連れている。
「全員降車、整列!!」
最前列のトラックに乗っていた男が無線で指示すると、出迎えた不破の前に補給部隊隊員が横並びに整列し、一斉に敬礼した。不破もそれに敬礼で返す。達也はざっと隊員の人数を数えたが、28人ほどいるようだった。
「不破連隊長、決起軍補給部隊隊長、
「ご苦労!藤田一尉、早速だが本拠点の引き継ぎを行いたい。拘束者は53名だ。必要分の水と食料を搬入後にミーティングを行う。いいな?」
「了解!副隊長、物資の搬入に取り掛かる。各員作業開始!」
「了解、作業に移ります!」
補給部隊が搬入作業をしている間、達也はトラックの後ろに回り込み補給物資を確認した。どのトラックも食料と弾薬等で満載になっている。達也は不破のいる玄関前に駆け足で戻り、彼に質問した。
「連隊長、この補給部隊は他の小隊への兵站も兼ねているのでしょうか?」
「当然そうなるな。ここはその為の拠点だ」
「どのくらいの期間を想定しての物資量でしょうか?」
「ざっと10日分ほどだな。...どうした、残弾数が不安か?」
「いえ!先程のバイオロイドから回収した弾薬がありますので、その点は問題ありません。ですが、万が一補給部隊の物資が尽きた時は...」
「その時は市ヶ谷駐屯地に戻り、再度兵站を補給して各部隊への補給を行う手筈だ。心配するな、策は打ってある」
「なるほど、了解しました」
すると先程見た藤田一尉が不破に駆け寄ってきた。
「連隊長、もう間もなく搬入作業が完了します!」
「よろしい。主調整室でミーティングを行う。藤田一尉、達也三佐も続け」
「ハッ!」
『こちら不破連隊長。黒田陸曹長、ミーティングを行う。主調整室に集合』
『了解!』
不破はインカムでアキラを呼び出し、三人は正面玄関を抜けて主調整室に入った。
「高部二尉、準備はできているか?」
「いつでもOKです、連隊長」
「よし、ディスプレイに写せ」
「ハッ」
高部がノートPCのエンターキーを押すと、部屋の左側面に並んだ大型液晶ディスプレイに都内の広域マップデータが表示された。不破はその画面に指を指しながら、状況を説明する。
「いいか、我々第一小隊のいる場所がここ、渋谷区だ。第二小隊がここ、芝浦ふ頭。第三小隊が豊洲、第四小隊は両国、第五小隊が上野、第六小隊が飯田橋だ。この内第一・第二・第三小隊は四ツ谷にて合流、第四・第五・第六小隊は新橋で合流予定となっている。
つまり西と南から挟み込むようにして霞が関に向かい、全隊合流後、霞が関の途中にある総理官邸にて総理の身柄を拘束。その後に最終目標である国会議事堂を強襲・制圧にかかる。補給部隊は政府軍を警戒しつつ各小隊の後方に配置してもらい、バックアップを頼みたい。
国会議事堂周辺の敵を排除後は、習志野に控えている第一空挺団が国会議事堂に向けて降下・制圧。それを持って本ミッションは完了となる。以上となるが、何か質問は?」
達也はマップ全体を見渡し、不破に質問した。
「連隊長、政府軍の位置は把握できているのでしょうか?」
「このNHTVを制圧した事により、IFFに直接アクセス出来るようになった事で、おおよその位置は検討がついている。青山通りを突き当たった先の赤坂見附に、政府軍の戦車大隊が布陣していると思われる。
よって第一小隊は、その手前の青山一丁目を左折し、外苑通りを東に進んで四ツ谷へと進路を取る。他の部隊と合流するまでは、何としても戦力を温存したい。無駄な戦闘は極力避けていくつもりだが、敵の少数部隊が散らばっている可能性も否定出来ない。何にせよ臨機応変に警戒が必要だ」
「なるほど、ようやく位置関係が掴めました。ありがとうございます」
「よし、他に質問はあるか?...なければ状況を開始する。藤田一尉、2階の大会議室に兵を五人ほど回して拘束者の監視に当たらせてくれ。彼らは一般市民だ、くれぐれも丁重に扱え。あと補給部隊の通信士官を主調整室に待機させろ。高部二尉と交代し、連絡を密に取れ。それと移動用に補給部隊のトラックを2台借りるぞ。いいな?」
「了解!」
「達也三佐、第一小隊は1階正面玄関へ集合。急げ」
「ハッ!こちら第一小隊須藤隊長、補給部隊との引き継ぎを終えたものは、至急1階正面玄関に集合!」
不破と達也、高部が1階ロビーに着くと、既に第一小隊の隊員たちが玄関の外に整列していた。自動ドアを開けて外に出ると、空には既に朝日が昇っている。不破が前に出て、皆の顔を見渡した。
「諸君!拠点確保ご苦労だった。これより第一小隊は、各所に散らばる他の小隊と合流すべく、敵の中枢に向けて一歩足を踏み入れる。分かっているとは思うが、この先は今まで以上に警戒を必要とする区域である!諸君らの力を最大限に発揮し、より一層奮起してもらいたい! いいな?!」
『ハッ!!』
「よろしい、全員30名ずつトラックに乗車!達也三佐、俺の隣へ、黒田陸曹長、運転を頼む」
「了解!」
空になったトラックの荷台に隊員たちが乗り込み、不破とアキラ、達也の乗るトラックを先頭に60名の部隊は出発した。NHTVのゲートを右折し、車一台通らない青山通りに入る。達也はその間、左側頭部に手を当てて周囲の警戒に当たっていた。
三人がけの運転席で、不破は助手席、達也は二人に挟まれて中央の座席だ。周囲を事細かに注視していたが、やがて正面の信号下に(青山一丁目)の標識が目に入った。不破は席から前に乗り出し、警戒に入る。
「陸曹長、ここを左折だ。信濃町方面に迂回するぞ。ゆっくり進め」
「了解、左折します」
トラックが大きく左折して直線に入った、その時だった。双眼鏡を構えた不破が咄嗟に右拳を振り上げ、(待て)のハンドサインを出した。それを見て達也も左耳に手を乗せて、インカム越しに指示を飛ばす。
「全隊停車!別命あるまで動くな!」
それと同時に、新たな通信が入る。
『ピー・・ガガ・・こちらNHTV補給部隊隊長、藤田一尉。不破連隊長、至急応答してください、送れ!』
「こちら不破、外苑東通りに敵だな?規模を知らせよ、送れ」
『少なく見積もっても80名を超えている模様。特車大隊かと思われます。至急回避を要請、送れ!』
「了解、そのまま広域マップデータをモニターせよ、以上。...曹長、バックしろ。敵に見つかるとまずい」
「了解」
二台のトラックはバックし、青山一丁目の十字路に車を隠した。不破は双眼鏡を下げて、助手席にドッと体を預ける。
「いやー参ったね!通せんぼされてるよ。タッちゃん、黒田曹長、何かいい手はない?」
達也はアキラを見たが、肩をすぼめておどけるような仕草をしてみせた。どうやらここいらの土地勘がまるでないらしい。
達也は運転席の窓から周囲を見渡した。すると十字路の斜向かいに、地下へと続く入り口を見つけた。(ここは確か...)達也は視界に映されたマップを見ながら、不破に顔を向けた。
「連隊長、十字路の角に都営大江戸線の青山一丁目駅入り口があります。そこから地下を伝って信濃町方面に出ることが可能です。徒歩になりますが...」
「兄さん、確かか?」
アキラが怪訝そうな顔を向けてきた。
「うん。ここらへんは俺何度も歩いてるから、よく知ってるんだ。不破さん、どうでしょう?これなら信濃町を通り越して、地下道伝いに直接四ツ谷まで到達する事も可能です」
「んー、でも敵さんもそこまで馬鹿じゃないだろう。当然地下にも見張りをつけてると思うよ?」
「それでも、地上の特車大隊と一戦交えるよりかは遥かにローリスクなはずです。もし万が一歯が立たないようなら、撤退して再起を図るという線で、いかがでしょう?」
「...はー。それしかないみたいだねぇ。よし、全員降車。青山一丁目駅入り口前に集合」
「了解」
達也とアキラがインカム越しに号令をかけ、全員が外苑東通り入り口手前にある、青山一丁目駅の前で整列した。達也は不破の言葉を待っていたが、不破はニヤけながら達也に返事を返した。
「こういう突発的な状況、タッちゃんの方が慣れてるでしょ?任せるから、やってごらんよ」
「え?...は、はい、分かりました」
達也は大きく咳払いをし、皆の顔を見た。
「みんな聞いてくれ!このまま外苑東通りを北に進むと、政府軍特車大隊の待ち伏せを食ってしまう!なのでここから先は、都営大江戸線の地下道を伝って信濃町方面に出る!可能であれば、そこから更に東へと向かい、四ツ谷駅方面へと向かう!
四ツ谷まで辿り着けば、他の小隊と合流出来る!この先徒歩での移動になるので、全員最大限の警戒を怠らないように!恐らく敵は地下にも何かしら仕掛けてあるはずだ。敵大隊との無駄な交戦を避けつつ進むには、もうこれしかない。それと最後に一つだけ言っておく。...全員生き残るぞ!!いいな?!」
『ウオオオー!!』
「よし、二列縦隊!1班先行しろ。いいか絶対に音を立てるな、隅々に気を配れ!」
『ハッ!』
「各班前進!」
そして第一小隊は地下鉄の駅に降り立った。電気はついているが人の気配は皆無である。隊員達は次々と線路の上に降り立ち、信濃町方面へ向けて摺り足で前進した。視界30メートル程の暗闇の中、達也はミニミを構えながら全神経を集中する。とそこへ、曲がりくねったトンネルの先、直線に入ったところで、100メートルほど先に光が瞬いた。
不破が(待て)の握りこぶしを掲げる。隊員達は音を立てないようその場に片膝をついた。達也は左耳に手を置いてマップを表示させた。そこには前回の戦闘と同じく、味方を示す青いシグネチャーが2つ点灯している。達也は確認を促した。
「不破さん、あれは敵ですか?」
「...あのぎこち無い動き、間違いなくバイオロイドだ」
「了解しました。高部二尉。...高部さん!来てください」
身をかがめたまま、向かいにいた高部が達也の元に来た。
「須藤隊長、どうかしましたか?」
「今すぐFC netとPC端末を用意して、早く!」
「構いませんが...何をするつもりですか?」
高部は背中に背負った野外通信システムを地面に下ろすと、ノートPCをLANケーブルで接続して素早くセッティングした。達也は通信アプリケーションを起動すると、目にも止まらぬ速さでキーボードを叩き始めた。
「このFC netは、現在NHTVの送信所に接続されている。そしてその送信所は、日本全国のIFFデータベースに接続されている。更にその先は、IFFを統括する通信衛星に繋がっている。IFF認証データは、各個人の生体認証データも含まれている。
と言うことはつまり、明らかに人間のものでは無い生体データを抽出して、そこにフィルタリングをかけ、俺達決起軍の生体認証データを除外するようインプットすれば...」
達也が高速でプログラミングし、エンターキーを押した瞬間だった。マップ上で青色のシグネチャーとして表示されていた敵が、赤色のシグネチャーとして点灯したのである。つまりは敵だ。不破がそれを見て驚き、達也を見返してきた。
「なっ、何だ?!達也三佐、何をした?!」
「シー、静かに。簡単に言うと、IFFの通信衛星をハッキングしたんですよ。これで相手がバイオロイドなら、もう二度と決起軍に対して偽装できなくなるようプログラミングし直しました。決起軍の全部隊に有効となるよう調整しましたから、これで大分楽に進めると思いますよ」
「....そんな事が可能なのか。達也三佐、一体どこでそんな事を覚えた?」
「へへ、それは秘密です。強いて言えば、独学ですかね?」
達也は、驚く不破を他所にインカムに向けて指示を飛ばした。
『第一小隊各員へ。これ以後、バイオロイドを含む敵部隊のIFF信号は全て赤色で表示される。繰り返す、敵は通常通り赤色で表示される。誤射のないよう注意しろ。以上』
タネが分かってみれば、達也にとって造作もない事だった。NHTVから送信所を経由して電波が確認できるのなら、そこをただ遡ってIPトレースするだけで良いのだ。その途中にあるサーバのパスコードクラックなぞ、目を瞑っていても出来る。まさか通信衛星をクラックする事になろうとは達也も予想だにしていなかったが。
「これは...俺も本気を出さにゃいかんなあ。なあタッちゃんよぉ?」
「いえ、こんなものは手慰みです。お気になさらず」
「そんな訳には行かないよねぇ?...タッちゃん。これから俺のやる事をよーく見てるんだぞ」
「連隊長、何を...」
不破はM4カービンを壁に立てかけると、腰に差したナイフを抜いた。その刹那、音も立てず瞬時に30メートル前方まで移動していた。それを見た達也の脳内に、フューリーの声が響く。
『新たなスキルを目撃した事により、
地下道の先に屈む不破が、達也に手招きしている。不破に習い達也もミニミを地面に置き、
通路の先を見るが、敵兵はまだこちらに気づいていない。達也は不破の後を付いていき、敵兵の背後についた。そのまま不破は敵の口を押さえ、手にしたナイフで敵の喉笛を音もなく掻っ切った。すると再度脳内にフューリーの声が響く。
『
達也が呆気に取られている間、不破はもう一人の敵に指を向けた。どうやら殺ってみろという事らしい。
達也は右腰に差したグルカナイフをそっと抜き、相手の首筋から脳天に向けてナイフを突き立てた。柄を握った手には白色の血液が流れ落ち、相手は膝から崩れ落ちるようにしてその場に倒れた。シリコン臭が漂う中、ナイフを引き抜いて血を払い、鞘に収める達也を見て不破は不敵に微笑んだ。
「どうだいタッちゃん、覚えたかい?」
「ええ、おかげさまで」
「よし、部隊の側まで戻るぞ。タッちゃんのスキルで俺を連れて行ってくれ。」
「了解。
達也は不破の肩を掴み、一瞬で元いた部隊の側まで移動した。そこにはアキラと真希が控えていた。
「達也お兄ちゃん、怪我はない?」
「ああ、俺も不破さんも無事だよ、ありがとう。それじゃあ先に進もうか」
「お兄ちゃん少し待って。このヘルメットブカブカでさあ。顎のベルトを縛り直すから、少し待ってくれる?」
「ああ、構わないよ」
真希は顎で固定されたベルトを緩め、ヘルメットを脱いだ。それを見て、達也は何故か安堵の溜息を漏らす。
「? 達也お兄ちゃん、どうしたの?」
「ああいや、ちゃんと後頭部も髪の毛もあると思ってさ。アキラ君も大丈夫だよね?」
「...あー、なるほどね。見てみるかい?」
アキラもヘルメットを脱いだが、映画のログイン時に見た後頭部のないアキラではなく、毛髪もある正常な頭部がそこにあった。アキラが言葉を継ぐ。
「一度映画の中に入ってしまえば、五体満足な姿に戻るのさ。他の隊員を見てご覧よ。手も足も顔も、正常だろう?
確かに言われてみれば、欠損した箇所のある隊員はおらず、皆健康体に見えた。それを受けて達也は大きく溜息をつく。
「良かった。さっき倒したバイオロイドと姿形が似ていたから、聞くのも悪いと思って心配してたんだ」
「そういや兄さんだけ、何故かログイン時は正常だったよねえ?まあ心配しないでいいよ、ここにいる連中はそういうもんだと解釈してるからね」
「なるほどね、了解。先に進もうか。各班前進!」
達也は左耳に手を当てて慎重に周囲を警戒していたが、一瞬の気の緩みが祟った。トンネルの直線に入った所で後方の隊員が膝から崩れ落ちた。その後に銃声が鳴り響く。達也は咄嗟に指示した。
「状況・スナイパー!!全員左側面の壁際に身を伏せろ!!...御子柴隊員、前へ!」
「了解!...銃声がする前に倒れていた」
「範囲外だ。済まない、迂闊だった」
「今の銃声の間隔、恐らく400メートル以上? 気をつけろ、敵は腕がいい!皆絶対に頭を出すな!!」
「真希ちゃん、負傷者を引っ張り込め。治療を頼む!射線に入るな」
「了解!」
御子柴はM82A1 対物ライフルを背中に背負い、匍匐前進のままトンネルの直線通路ギリギリの位置まで前進した。バイポッドを立て、地面に身を伏せたままスターライトスコープを覗き込む。
暗闇の中、スコープにより増幅された光を頼りに、御子柴は敵の位置を特定した。そして...
───ダガァアアン!!
12.7mmの巨大な弾丸が火を吹いた。衝撃波がトンネル壁面を揺らす。御子柴はスコープ越しに戦果を確認した。そして後ろを振り向き、皆に向けて親指を立てた。
その場にいた誰もが安堵の溜息を漏らした。達也は負傷した兵を診る真希の元へと駆け寄った。
「真希ちゃん、容態は?」
「足を撃たれたけど大丈夫、治すよ」
「OK。御子柴隊員、よくやってくれた。
「ヘヘ、お役に立てたようで何よりでさぁ」
「済まないが、警戒のため前列に立ってくれ。負傷者の治療が終わり次第出発、各員それまで待機!」
『ハッ!』
思わぬところで足止めを食ってしまったが、隊員達は全員無事だ。自分にそう言い聞かせながら、達也達第一小隊は再度前進を開始した。スナイパーの存在を知り、隊員達皆が殺気立っている。要所要所に現れる敵兵は、不破と達也の暗殺スキルで音も立てずに倒していった。
信濃町まであと500メートルという所で、マップ上に赤いシグネチャーが複数点灯した。トンネルの中は二車線あるが、基本的に逃げ場はない、達也は不破に進言した。
「連隊長、ここは戦うべきです。信濃町さえ抜ければ四ツ谷まではすぐです。突破しましょう」
「...敵はこちらとほぼ同数、か。達也三佐、自信は?」
「あります!」
「ならばいい。好きにやってみろ」
「了解、500メートル先に感あり。敵、ほぼこちらと同数、全隊凹角陣!跳弾に注意しろ、トンネルを目一杯使え。弾幕が来たら躊躇なく引け、無理はするな。陣形を保ったまま各班前進、先手を取るぞ。御子柴隊員及びスナイパー部隊、SKロックと同時に集中砲火だ、いいな?」
『了解!』
達也は左翼に陣取り、敵に向けてミニミの照準を定めた。
「ターゲット。第一目標、右翼ガンナー。第二目標、左翼スナイパー、第三目標、中央重装兵。いいか落ち着いて撃て、弾バラけるなよ。いくぞ、用意...撃ち方始め!!」
───ダガガガガガ!!
───ドゴォン!!!
密閉空間の中、耳を劈く激発音がトンネル内に木霊した。先制された事により敵は慌てたのか、こちらに反撃する弾幕が思ったよりも薄い。達也はそれを見て、畳み掛けるようにインカムに指示を飛ばした。
『いいぞ、プッシュ!!そのまま押せ!よーしグッジョブ、ガンナー潰したぞ。次、左翼スナイパー、用意...撃ち方始め!!』
達也は伏せたまま、ミニミの弾幕を右から左へと薙ぎ払うように掃射した。達也と皆の弾幕を受けて、敵の四肢が弾け飛ぶようにもがれていく。
「よし、スナイパー沈黙!魚鱗隊形、魚鱗隊形!!ターゲット中央、バラけるなよ!!不破さん、真希ちゃん、グレネードランチャーを敵の中心に叩き込め!!一気に押すぞ!!スナイパー部隊、援護を頼む!」
『了解!!』
『繰り返す、ターゲット中央!撃ち方始め!!』
...そして勝敗は決した。敵政府軍に反撃の隙を与えることなく、第一小隊の圧勝だった。隊員達から歓喜の声が湧き上がる。
「ヒャッホウ!見たかクソ野郎ども!!」
「バイオロイドなんかに負けるかっつーの!!」
「にしても、さすがに固かったなぁ」
「これ完勝じゃね?」
「やったなおい!」
「こりゃー隊長に乾杯だな!!」
皆の笑顔を見て、達也はインカムに向けて皆に声をかけた。
『OK、グッジョブ!皆よく動いてくれた。負傷者がいたら真希衛生官か俺に報告してくれ、すぐに治す。高部二尉、アキラ君、皆の点呼を頼む』
『了解!』
特に目立った負傷者もなく、脱落者も無し。つまりは完勝だった。敵の圧力を完全に飲み込んだ形だ。敵部隊の残骸から弾薬を回収し、第一小隊は一路東へと進路を取った。未だトンネルの中だが、地上に出て戦車大隊と一戦交えるよりかは遥かに良い状況と言える。
万全の体制で地下を進み、およそ50分かけて部隊は四ツ谷駅へと到着した。不破が先頭に立ち、駅の改札から地上へ出ると、高部二尉の野外通信システムを使用してNHTVと各部隊へ連絡を取った。
不破の顔色が浮かない事を察して、達也が質問した。
「連隊長、どうかされましたか?」
「うむ、第二小隊は順調にこちらへ進軍しているが、豊洲からこちらへ向かっていた第三小隊は激戦の末に、脱落者が出たらしい。惜しむべき事だ」
「...そうでしたか。彼らが報われるかどうかは、生き残った我々の双肩にかかっていると言う事ですな」
「そうだな、その通りだ。幸い補給部隊に確認した所、この近辺に敵はいない。達也三佐、第二・第三小隊が到着するまでの間、皆に休息を取らせろ」
「了解しました」
達也は左耳に手を当てて、インカムのボタンを押した。
「隊長より各員へ。第二・第三小隊がこちらへ到着するまでの間、各自休息を取るように。ここにキャンプを張り、食事と睡眠を取っておけ。以上」
すると隊員達は背中に背負ったバックパックを降ろし、その中から取り出した戦闘糧食を手に、各々が準備を始めた。達也もそれに習い、不破の隣に座って戦闘糧食を取り出す。達也が座った隣には、アキラ、真希と御子柴隊員が腰掛けてきた。
「さーて、食いますかね!」
「御子柴さん、さっきは助かったよ。ありがとう」
「いやなに、隊長の命令に従っただけでさぁ。お気になさらず」
「そっか。アキラ君と真希ちゃんもお疲れ様。不破連隊長と一緒に擲弾ぶっ放してたね?」
「見てくれたぁ?あたしの正確無比な投擲の腕前!」
「もちろん見てたよ。MGL140か、衛生兵が持つ銃にしては火力が高すぎると思うけど」
「フフーン、備えあれば憂いなしってねー」
「そう言う兄さんこそ暗殺したり何だりで、殺しまくってたじゃんよ。いいなぁ、スキル色々覚えられて」
「不破さんが教えてくれたおかげさ」
「そういや不破連隊長も、いつになくアクティブでやんしたね? AIが組み込まれているとは言え、あんなにスキルを多用する場面は初めて見ましたぜ」
「ん?そうか?..まあ、
「そうでやんすねぇ。隊長が普段から使えるスキルとなると、
「ありがとう、助かるよ」
皆が食事を終えて一段落したころだった。遠くから何かの爆発音が聞こえてきた。それを受けて隊員達は咄嗟に銃を握り、その場に立ち上がる。
緊張が走る中、達也は耳を澄ませた。今度は爆発音と共に、銃の激発音も混ざって聞こえてくる。達也は不破の側に駆け寄った。
「連隊長、この音がする方向...赤坂御用地かと思われますが」
「仲間の部隊かも知れん。高部二尉、至急KU回線で呼びかけてみろ!」
「了解!...こちら決起軍第一小隊。現在四ツ谷にて待機中。第二・第三小隊は現在地を知らせよ、送れ」
『ガガ・・こ、こちら第二小隊!!赤坂御用地から迂回していたところ、敵部隊と遭遇!繰り返す、現在敵部隊と交戦中!!第三小隊と共に応戦しているが、このままでは持たない!至急応援を頼む、繰り返す!至急応援を...』
そこで無線が途切れた。屈んで無線交信していた高部が不破を見上げる。
「連隊長!」
「ああ、聞こえたよ。全員荷物をまとめろ。第一小隊はこれより第二・第三小隊の救出に向かう」
「了解!皆荷物をまとめて整列、急げ!」
休憩もそこそこに、第一小隊は駆け足で出発した。南西にある赤坂御用地まではすぐそこである。距離が近づくに連れて爆音が近くなってきた。そして外苑通りを渡った先の若葉東公園に黒煙が上がっているのを目にする。
「隊長、突入しましょう!」
アキラが鼻息も荒く達也に進言した。
「いや待て!敵の戦力を確認する。斥候前へ!公園内を偵察...」
そう言いかけた時だった。200メートルほど先にある公園の門から決起軍らしき兵たちが複数人飛び出してきた。その後を追うようにして、門を破壊しながら直進する巨大な鉄の塊が姿を現した。達也とアキラはそれを見て絶句する。
「ば、バカな...あれは...」
「
「アキラ君、どういう事?」
「こいつはね兄さん、永田町近辺にしか現れない敵のはずなんだよ。それがこんな手前でアンブッシュしてる展開なんて、本来なら絶対にありえねぇはずなんだ!」
「なるほど。冷静に考えれば逃げの一手だが...連隊長、どう思われますか?」
「そうだねぇ、大事な部下を見殺しには出来ないじゃない?逆に聞くけど、タッちゃんはどう思うのぉ?」
「...やるしかないでしょう。アキラ君、やるよ!」
「ちょっ、兄さんマジで?!」
「大マジさ。こんな状況、ティアーズ・イン・ザ・ムーンじゃ何度もあった。倒せない相手じゃない」
「...はーあ、ったく。死んでも知らないぜ兄さん?」
言葉に反して、アキラは何故か嬉しそうに微笑んだ。
「大丈夫、誰も死なせない」
達也はインカムに向かって指示した。
『全隊、Y字路の左右に半分ずつ散らばり身を隠せ!工兵は全員こちらへ集合、急げ!』
すると南側の道路脇に身を隠した達也の元に、5人の工兵が駆け寄ってきた。達也は彼らのバックパックに目をやると、工兵たちに確認を促した。
「全員AT4(携行対戦車弾)は持っているな!」
「ハッ、装備しております隊長!」
「では92式対戦車地雷は所持しているか?」
「各員一発ずつ所持しております!」
「よろしい!これから10式戦車をこちらへ誘き出し、道路の左右側面から挟撃をかける。北側に三人、南側に二人だ。西側のY字路分岐点に対戦車地雷を敷設。各員速やかに配置につけ!」
「了解!」
10式戦車はまだこちらに気づいていない。工兵達が対戦車地雷を敷設完了した事を受け、達也はインカムに向かって叫んだ。
『陽動攻撃開始、撃ち方始め!!』
第一小隊の分厚い弾幕が戦車を直撃するが、この程度でダメージを受けるほどやわじゃないことは達也も重々承知していた。そして目論見通り、10式戦車は北東に向かって超信地旋回し、第一小隊に砲塔を向けて前進してきた。
「各員撃ち方やめ!防御体制!!工兵部隊、AT4射撃用意!」
このまま戦車がY字路まで誘き出されることを達也は祈った。ここで怪しまれては、ヘタをすれば小隊が全滅しかねない事態に陥るからだ。固唾を飲み戦車の動きを見守っていたが、達也の思惑通り戦車は高速で分岐路に到達した。そして敷設してあった対戦車地雷が反応した。
──ドゴォオン!!
戦車の底部で地雷が炸裂し、動きが止まった。達也はインカムに向けて再度叫ぶ。
『砲塔側面を狙え!工兵、AT4撃ち方始め!!』
装弾筒を構えた工兵達は一斉に発射ボタンを押した。計5発の対戦車弾が直撃し、10式戦車は完全に動きを止めた。見ると弾が直撃した砲塔側面には、分厚い装甲を貫いた穴が穿たれている。恐らく中に乗っていた操縦士達は即死だろう。しかし達也は油断しなかった。
自ら砲塔上部に登り、内部へと続くハッチを開けて手榴弾を叩き込んだ。咄嗟に砲塔から飛び降り、達也は身を伏せる。
爆発と同時に上部ハッチが吹き飛んだ。それを見た隊員達が歓声とも怒号とも取れる声を発する。
「ウラアァァアアア!!」
「やったぞクソ共が!!」
「舐めてんじゃねえぞコラァ政府軍よお?!」
「ざっとこんなもんよ!!」
「第一小隊なめんなゴルァァア!!!」
…達也は分かっていた。これは恐怖に打ち勝った喜びを表す怒号だと。戦車という絶望的な状況を前にして、逃げ出したいと思う気持ちを必死に抑えながら戦った者たちの歓喜だと。達也はその勇猛果敢な姿を見て、彼らに心より、深く感謝した。
『こちら隊長。全員グッジョブ!!よくやってくれた。だがまだ警戒を緩めるな、敵が潜伏しているかも知れない。引き続き第二・第三小隊の救助にかかる!各班捜索開始!』
『了解!』
達也が公園の中に入ると、そこは死屍累々だった。赤い血液、白い血液、弾け飛んだ脳漿、立ち上る黒煙。それら全てが、戦車との激戦を物語っていた。隊員たちが救助活動を行う中、一人の重装兵がフラフラと達也に歩み寄ってきた。達也はその肩を受け止め、体を支えた。
「大丈夫か、しっかりしろ!」
「...あんた、第一小隊か?」
「そうだ。安心しろ、戦車は俺達が片付けた」
「そ、そうか。優秀だなあんたは。あんな化物...相手に...」
その男は白目を向いて気を失いかけていた。達也は兵を地面に下ろして寝かせると、傷を追った胴体と手足に包帯を巻き付けた。
「
傷が塞がり、荒かった息が穏やかに戻った。それを受けて兵は立ち上がると、目を瞬かせた。
「あんた、衛生官か?」
「違うよ。第一小隊の隊長だ」
「隊長...つまり陸佐なのにヒールが使えるのか?」
「まあ、こっちもいろいろあってね。...須藤 達也三佐だ、君は?」
「あ、ああ、失礼をした。俺は第二小隊隊長・須田 栄一郎三等陸佐だ。増援に駆けつけてもらい、感謝する」
達也は須田の背格好を見た。ずんぐりむっくりな体型だが、目だけが異様に鋭い中年の男性だ。その表情は、どことなく傭兵じみた御子柴隊員を思わせる。
「須田さん、ここに長居する訳にもいかない。早速だが部隊の点呼を取ってもらってもいいかな?戦力を確認したい」
「了解した、すぐに確認させる」
達也は背後を振り返り、負傷者を集めて治療する真希に声をかけた。
「真希ちゃん、様子はどう?」
「重症者、軽症者入り混じってる。あたし一人じゃ追いつかないから、お兄ちゃんも手伝って」
「分かった」
そうして残った負傷者達も回復したが、第二・第三小隊の点呼で混乱が生じた。達也は須田に確認を促す。
「第二小隊は生存者37人でいいね?じゃあ第三小隊!隊長はすぐに点呼してください!」
ところが、兵たちはお互いの顔を見合わせながら誰も名乗りでてこようとしない。見かねた達也は、右手を挙げて残った兵たちに招集をかけた。
「第三小隊のみなさん!俺のいるところまで集まってください!」
そして集まったのは25人。何と部隊の半数以上が脱落していた。
「第三小隊の隊長さん、挙手してください!」
「あっ、あの!」
前列に立っていた気弱そうな隊員が、恐る恐る達也の前に進み出た。
「君が隊長かい?」
「い、いえ、自分は陸曹長であります。隊長は先の戦闘でその、死んでしまいましたので...指揮権は自分に移っているものと思われます...」
「じゃあ早く名乗り出てもらわないと」
「じ、自分はその、人を指揮する立場に立ったことがないので!上手く指示出来るかどうかも分からないし...」
「それでもやってもらわなきゃ困る。君の名前は?」
「はい!御島 楓(みしま かえで)と申します」
「よし、御島君。今から君が第三小隊の隊長だ。生存者各員、肝に命ずるように!」
『ハッ!!』
「アキラ曹長、全隊の残弾数確認。生き残った者達に弾薬と食料をシェアしてやってくれ」
「了解!」
「高部二尉、後方の補給部隊に四ツ谷まで物資の輸送を依頼。それと新橋にいると思われる第四・第五・第六小隊に通達。我、第二・第三小隊との合流に成功せり。被害状況も伝えろ」
「了解です、隊長」
「連隊長、お怪我はありませんか?」
「俺なら大丈夫だよぉタッちゃん。他の小隊を見てあげてねぇ」
「そうですか、良かった。第二・第三小隊の皆さん!第一小隊隊長・須藤三佐です!もう間もなく補給部隊が到着します。歩哨は第一小隊で行いますので、それまで皆さんはゆっくりと体を休めておいてください!」
『ハッ!!』
挨拶を終え、背後に立つ不破に向き直ろうとした時だった。不意に後ろに立つ隊員達の中から(チッ!)と舌打ちが聞こえた。
「...ったくよお、ダメダメじゃねえか俺達の小隊...」
「飛んだ貧乏くじだよな、隊長速攻で死んでるし...」
「おまけに曹長がアレと来たもんだ」
「てか、こんなとこで戦車とか聞いてねーよ」
「でもよ、その戦車をあいつら潰したんだぜ?」
「あーあ、俺も第一小隊が良かったなぁ」
「まあこの映画もタダじゃねえんだし?やるしかねえだろ」
コソコソと先行き不安な事を話し合う生存者達の会話が耳に入ったが、達也は聞かぬふりをして不破の顔を見る。しかしそこには、背筋も凍るような薄ら笑いを浮かべる不破がいた。
「んー、クックッ、ますます面白い事になってきたねぇ。なあタッちゃん?」
「不破さん...」
一歩進んで二歩下がるような気分とは、まさにこの事だと達也は感じていたが、当初の目的である部隊との合流は果たしたのだ。次の目的地は内閣府・総理官邸だ。そこで首相の身柄を拘束し、国会議事堂へとなだれ込む。
何よりも、第一小隊は誰一人脱落者を出してはいない。他の部隊で犠牲が出たのは残念だが、その分自分たちがカバーすればよい。それを糧として前向きに思考を切り替え、達也は腰に差した水筒の水を一口飲んで喉を潤した。
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■用語解説
無音歩行(サイレントムーブ)
周囲30メートルまでの距離を、敵に気付かれず無音で接近する事が可能な暗殺歩行術。他の暗殺系スキルと連携する事により、その効果はより強力な物へと変わる。
背後からの致命撃(バックスタブ)
名前の通り敵の背後から急所を突き、敵を即死させるDEX系スキル。これを使用する為にはナイフ系武器の装備が必須となる。主に
M82A1 対物ライフル
M82A1は、大型のセミオート式狙撃銃である。軍事目的で開発されたため、兵士が単独で運用できる重量や操作性と火力の両立を目指している。ヘリコプターや装甲車などにも損傷を与えられるよう、ブローニングM2重機関銃などで採用された12.7mm弾が使用される。焼夷弾と徹甲弾のほか、炸裂弾の効果を併せ持つRaufoss Mk 211も使用される。
MGL140
MGL140は南アフリカが開発した、回転式チャンバーを持ち、連発が可能なグレネードランチャー。このMGLは軍用に開発されており、NATO(北大西洋条約機構)で使用されている40x46mmグレネード弾を使用するため、多大な殺傷力をもつ。
徹甲弾(ピエシングショット)
主にスナイパーが覚える特殊スキル。戦車や装甲車といった重装甲の車体を、初撃に限り撃ち抜いてダメージを与えられる。
10式戦車
10式戦車(ひとまるしきせんしゃ)は、日本の主力戦車。陸上自衛隊が運用する国産戦車としては4代目となる。10式戦車の開発は防衛省技術研究本部が担当した。戦闘力の総合化、火力・機動力・防護力の向上、小型・軽量化などを達成。主砲には国産44口径120mm滑腔砲(軽量高腔圧砲身)を備え、新型の国産徹甲弾の使用により貫徹力を向上させている。また自動装填装置を採用し、乗員は車長・砲手・操縦士の3名である。小型・軽量化と応答性・敏捷性の向上のため、水冷4サイクルV型8気筒ディーゼルエンジンと油圧機械式無段階自動変速操向機(HMT)を組み合わせた動力装置(パワーパック)を搭載する。また、全国的な配備・運用のために車体を小型軽量化したことで重量は約44トンに抑えられており、さらに着脱が容易なモジュール型装甲を実装している。
AT4 (携行対戦車弾)
AT-4は、スウェーデンが開発した単発使い捨ての滑腔式無反動砲である。アメリカ軍などNATO加盟国の間でM72 LAWの後継装備品として採用されている。歩兵部隊に対装甲車戦闘能力を与える目的で開発された。弾薬は、あらかじめ発射器に装填された状態で製造され、発射器は射撃後に廃棄される。なお、名称のAT-4はその弾頭口径の84mmの英語読み「エイティ・フォー」に由来する。
92式対戦車地雷
92式対戦車地雷(きゅうにしきたいせんしゃじらい)は、陸上自衛隊が保有している対戦車地雷である。磁気センサーや振動センサーなどによって起爆するため、従来の対戦車地雷のように戦車などが踏まなくても起爆できるため従来のものより敷設する個数を減らすことができる。
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