第一章 4話

「ボルネシア、遅かったね」

「あー!遅刻だよ、ボル!」


馴染みの顔が会議室の前に立っていた。

清々しい朝というのに呼び出しがかかるのは苦であるが、二人の顔を見ると心が穏やかになるようである。

「仕方ないじゃん、私が一番遠いんだよ...」

会議室は、施設の中央にある。しかし、爆発音から遠ざけるために隔離された陸軍強化施設は、移動にも一苦労であるが、

ヒールの私なら尚更である。


「... じゃあ、行こうか。」

前に立ち、扉を軽く叩く。

室内からの合図を受け、扉を開ける。

「陸軍強化兵、ヴィッツ・シュラフ・ボルネシアです」

「医療強化兵、ユージラ・リッターです」

「陸軍補佐強化兵、ルーダ・セザンナヴィアです!」

「戦務参謀のグルリアだ」

各々挨拶を終え、事細かに情報が書かれた書類を受けとる。

「SVY部隊に所属する三名に告ぐ。

貴官らには、スペア国のシルク国王の御誕生日に出席し、護衛を頼みたい。」

「...護衛、でありますか。」

少し驚いたような声で問い掛けたユージラだったが、内容を聞きすぐに納得した表情を見せた。


亜米利谷の軍隊は、機械の技術を用いられた人間によく似たアンドロイドである。

そして、簡易型のアンドロイドは知識として男性を相手に戦争する機械にとって、私達は攻撃の範囲外と見なされることがあるのだ。

今回選ばれたのは、暗殺を図るかもしれないアンドロイドの視界から外れ、暗殺を妨げる為にということなのだ。

さらに、重度な警備を嫌う国王にとって、私達の容姿は合っているのだろう。


「各員、意義はないな?」

左の狂犬は、少し残念そうな顔をしているが、断るわけでもないであろう。

「では、明日に備えておくように」




「「「御意」」」

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