第18話 車にお絵かき

 リビングにいるサラマンにAIが警告した。

「お車が攻撃を受けてます」

 びっくりして映像を出させると、ラスエルがレクサスによじ登ろうとしていた。

 こりゃこりゃ

 サラマンは車庫へ向かった。

「ラスエル~いけませんよ~車が傷つくでしょ~」

「うやん!」

 ラスエルはそのままレクサスの天井に到達して、ぴょんぴょん飛び跳ねた!

「うひん!うひん!」

「いけません!おりなさい!」

「いやなのだー!」

 そういや、ソファーでも飛び跳ねる遊びをいつもしてたなぁ・・・

「ちょっとちょっとやめてよー」

「うふんうふん!」

 ラスエルが少し疲れた頃にはレクサスの天井には傷がついていた。

「このいたずらっ子は・・・」

「おとうさん!おくるまにお絵かきしたい!」

「えー!駄目だよー!」

「したいしたいしたい!うわーーーーん!」

 サラマンのラスエルの甘やかしっぷりは尋常じゃない!激あまである!

 この前買った、陶器やフロアにお絵かきできるタイプのクレヨン(白い専用の液体で簡単に落ちる)を持ってきて、

「じゃあ、これでお絵描きしてごらん」

「うひーーーん!」

 ドアのところにカキカキ、お絵かきを始めた。

 肌色で○を描いて、目と口と髪、それに□の胴体を描いて、手と足を描いて、

「おと~~~さん!!」

 指差してラスエルはにっこりと笑った。

 サラマンは言い様のない幸福感に包まれた。

「じゃあ、お父さんはトリケラチョップスの絵でも描こうかな?」

「トリケラチョップス描く~~~!」

 二人でトリケラトプスの絵を描き、大笑いした。

 その後、通行人をぎょっとさせる車が道を走ることになる。

「しゃ、社長・・・この車は一体・・・」

 サラマンがなんと言い訳したか、想像にお任せしよう!

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