にちにちヨシコ

クレパト線

おぉ、髪よ。

ぎしぎし、と頭の上で音が聞こえる。

ついでにぶちっと切れる音も。


うちの猫は優秀だ。

朝4時には餌をねだりに私の部屋を訪ねてくる。

枕元に飛び乗って私の髪を引っ張りながら、脅迫してくるのだ。


早くしないと禿げ散らかすぞ、と。


髪は女の命なのだが、あぁ、聞かぬ存ぜぬですか、さいですか。

渋々ベッドを降り、餌を与える。

がつがつと、餌を食らう猫を体育座りでぼけっと見つめる。

猫は横目でこちらを見て言った。


お前はもう居なくていいぞ、と。


ベッドに戻り、枕元を見やる。

命の髪が数本、事切れていた。


なむなむ、ねむねむ。

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