私が精神科に三度通院した話
未琳
前置き
私は、普通に進学して普通に就職して社会の歯車となり、そのうち普通に結婚するものだと思っていた。これらは世間一般的な人生の歩みなんだろう。
しかし、私は「普通」になろうとしてもなりきれない。
私は現在、精神科から適応障害と自律神経失調症の診断を受けている。精神科には去年の4月から通院をしており、今年の2月中旬から休職中だ。
「普通」になろうと努力した結果がこれだ。
精神科にお世話になるのはこれで3度目。
最初は中学2年生。
次は24歳のフリーター時代。
そして今。28歳女性、独身、金融会社の事務員。
世の中の人がどれだけ心療内科や精神科を受診した経験があるのか具体的な数字は知らないが、メンタルヘルスを抱えている人は非常に多いと思っている。
病気は病院に行って処方された薬を飲んで少し休めば治る。しかしメンタルヘルスは目に見えない病気だ。いつ発症したか分からないし、治ったかどうかも自分ではよく分からない。完治は先生の診断次第だったり、自分の感覚次第でもあったりする。
精神科に3回通っているのは、各々別の理由があった。どれも別の病気、と考えていいだろう。
どうして私は周囲の人のように頑張れないのだろう。3回目の精神科の通院生活となって常々思う。他の人が仕事をして汗水流している中、私はテレビを見て、スマホをいじり、買い物に行き、時々図書館に行き、時間を持て余せばゲームをして、最低限の家の手伝いをして寝る。他人に私の1日を見られたら、会社をズル休みしていると思われても仕方ない。でも今はこの生活で精一杯なのだ。
幸いにも、私の病気に親が理解を示してくれたおかげで、衣食住が揃った健康的な休職期間が送れている。もし親がいなければ私は食事をとらず、風呂にも入らず、布団の中でぐったり過ごしていただろう。
感謝してもしきれない親にはひどく申し訳ないが、今の病気がもし完治しても数年後、なんらかの事象で私は再び精神科の通院を余儀なくされる日が来るかもしれない。精神科の通院なんて、中学生の不安定な時期だけだとあの頃は思っていた。それが今は3回目の通院だ。1年近く今の病気と向き合って、自分自身を見返すためにも、過去の3回の精神科の通院経緯を振り返りたい。
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