第93話 太陽聖剣

遂にぶつかるジルド教と戦隊達の激突。

真夜中にも関わらず激しい戦いを繰り広げている。

ジルド教の信者達と魔人族の兵士達が我先と銃をぶっ放したり剣で斬りつけたりと本当に無茶苦茶である。

戦いながらみんなは涼から簡単に今までの仕組まれたシナリオを仲間達に説明した。案の定聞いたみんなは吐き気する程頭に来てしまった。

「悪魔を殺せ!!」

「異端者達を殺せ!!」

ジルド教の信者達は槍を構えて突っ込み。魔人族ね兵士達は弓矢を放ってくる。しかも標的は決まって涼達である本当に悪魔も同じ魔人族には全く誰一人攻撃していない。

「なんで私達ばかり攻撃されんでありますか!」

「そりゃ多分サタンの奴がジルドレイを使ってまさに洗脳してるからじゃろな!」

飛んできた火矢をベルの肩に乗る蝦蟇爺がバリアを張り防ぎすかさずロケットランチャーをぶっ放し信者と兵士達をぶっ飛ばすベル。

「しかし…アレが先祖と思うと情けないでありますよ!」

「お前さん魔人族だろ?どうしてじゃ?」

「そもそも魔人族はヴァニティが現れてから変になったんであります!私達みたいな一般市民の魔人族はいつの間にか辺境へ置いやられて今に至るんでありますよ!!」

「魔人族も千差万別なんじゃな」

「確かに先祖は蝦蟇爺の言うように魔族だったかもしれないであります!でも長い歴史の中で平和に魔界で過ごしていたのにいつのまにか居なかった王が君臨してずっとおかしいんでありますよ!それも仕組まれて巻き添いを食らったなんで…」

ジルド教の信者が剣を振り翳すとベルは交わして頭突きをかましロケットランチャーを放ちぶっ飛ばす。

「あんなお化けなんかにであります!私は人間族は嫌いじゃないでありますから!魔人族は全てが敵じゃないでありますよ!みんないい加減に言いなりにされてると何故判らないんでありますか!?」

ベルの訴えには耳を傾けない魔人族兵士達はベルに火の玉を雨の様に放って来た。

アリシアとリアが間に入り全ての火の玉を蹴散らした。

「そうよね。魔人族も全てが敵じゃなないもんね!」

「それを証明する為に今は頑張りましょう!」

「姫様!リア!ハイであります!」

その言葉を聞いたベルは再びロケットランチャーをぶっ放し敵を蹴散らしていく。

「マナリアよ。あのお嬢ちゃんは強い子じゃな!」

「はい。先生!」

「死ね異端者が!」

「「はっ!」」

蝦蟇爺とマナリアは振り向き同時に氷の魔宝術で斬りつけて来た信者を氷漬けにした。

「未熟者が」

「顔洗って出直しなさい」

やはり賢者と大賢者は強かった。

「くそ!人間が混じってるとやりにくいたらないな!」

「数ばかりいますな本当に…」

「愚痴を言ってる場合じゃないみたいです!」

愛が指を指した。

黒光りした怪物が首に鎖をつけて現れ更にさっき倒したキマイラまで現れた。

「げ、魔宝獣にさっきのキメラ!?」

「何故また現れたのですか!?」

「恐らく別の個体ですね。クローンかなにかの」

「クローン?」

「複製の事ですこの世界ではホムンクルスと言ってるみたいですが」

「要は同じ奴が山程作れるわけだな」

「その通りです!」

不思議な宝石がある異世界だけど科学進歩はまだ発展途上中と言った所ですね。

明らかに魔法と同じ物ですからね。

キメラと魔獣は雄叫びをあげるとどうしたことか敵味方関係なく暴れ回っている。

「何だ?何だ?脳みそは大した事ないってか?」

「どうやらそのようですね」

「ですがあの巨体では我輩達だけでは難しいですぞ!」

「5人でやれば何とかなるんじゃないか?」

「同感ですね!」

コハクと海斗が助太刀に来た。

「お前らいいのかよ?」

「あっちはレディ達が頼もしい勢いで片付けていますから大丈夫です!」

「そう言う事だよ!」

「頼もしいですぞ!コハク殿!海斗殿!」

「お!ルーガルはもう馴染んでるんだな!」

「カイエン殿ももう認めていらっしゃるのでしょう?」

「まあ、もう戦隊だしな俺たちは!」

涼にどくされたかれか判らないがいつのまにか前向きに頑張るアイツら3人を認めている自分がいた。涼の言う通りこいつらはにも色々あったんだ。だが犯した罪はちゃんと償えよな!

「親玉は先生達に任せましょう!」

「だな!和樹も師匠もいるんだ!」

「確かに大丈夫だろ。のぶもいるしな」

「涼殿がいるんですからな!」

「1番心配だよ…」

「まあ馬鹿だがアイツは大丈夫だ!行くぜお前ら!」

カイエンがそう言うと5人はキメラと魔獣に挑みにかかる。

「異端者が私の剣を返しなさい!!」

「何が異端者だ!それはお前だろうが!」

「同感だ!」

涼と和樹はジルドレイと交戦しているジルドレイは本を取り出すと右手から黒い塊の球を放ち攻撃するが涼と和樹は交わしながらジルドレイに攻撃するがいかんせん何故か空中を浮遊していて攻撃が交わされてしまう。

「私を異端者と罵るとは何とも腹立たしい!私はただジャンヌとの恋を実らせたいだけだ!それは神がお認めになられた当然の行為てあろう!!」

「お前のは迷惑な片思いって言うんだよっ!このストーカーが!」

和樹は真宝剣にサファイアをはめ込みグリップを引く。

「真宝剣!シングルフィニッシュ!」

和樹は飛び上がり真宝剣を振り翳しジルドレイの腹に無数のサファイアの刃を放ち命中させる。

「ぐっ!」

ジルドレイは膝をついた。

「ジルドレイ教!」

サタンは飛び上がり助太刀に向かうが。

「お前はこっちだ!」

信道がジャンプしサタンに斬りつけるとサタンは地面に着地し剣を引き抜き信道の宝救丁とぶつかる。

「おのれ!下等な人間族が!!」

「その人間を舐めたからやられたんだろ!」

「黙れ!黙れ!」

サタンは怒鳴りながら剣をがむしゃらに振り回す。信道は全て受け流し弾き飛ばすとサタンの上を取りバク転するとそのまま濁酒銃を当てて引き金を引くとサタンの背中は爆発しぶっ飛ばした。

「うわっ!!」

「これで終わりにしてやる!」

信道が勇者石を嵌めたチェンジエッグを濁酒銃に入れてシリンダーを回す。

シェイク!シェイク!シェイク!〆の一杯!

「雷酒一撃!はっ!」

濁酒銃から雷の弾丸を放ちサタンの身体を貫通した。

しかしサタンは余裕な笑みを浮かべている。

「まじかよ。土手っ腹に穴開けたんだぞ!」

「我は不滅だ!」

サタンはそう言うと傷が治癒され口からビームを放つ。

「うわっ!!」

信道が吹っ飛ばされる。

「のぶさん!」

「信道さん!」

飛ばされてきた信道に駆け寄る涼と和樹。

「余所見とは余裕だな!」

ジルドレイの本が禍々しい輝きを放ち始めた。ジルドレイは詠唱を始めた。

「愚かなき罪人への罰は暗き闇よる圧縮!その万死に当たる罪を悔い改め浄化されよ!」

「涼ヤバイのが来るぞ!」

「みたいだな!」

「グラビティ・カタストロフ!!」

何だあのゲームの人殺技みたいな術はよ!?

「あの愚かな物が!皆の者聞いてくれ!アレはこの辺り一帯を杯にする禁術じゃ。離れないと死ぬぞ!」

蝦蟇爺は声を上げた。

はっ!?あの野郎そんなヤバイ技を撃ちやがったのか!?

「おい!お前の信者達も巻き込む気か!?」

「神に命を捧げるのだ。彼らも本望ですよ!全てはジャンヌとの未来の為に神全ては神の思し召し!」

「本音ダダ漏れなんだよ!!」

「洒落くせぇ!」

涼はレッドベリルを身体から出し宝救剣にはめると剣は姿を変え太陽宝救剣に変わる。

太陽!ザ!超宝救武装!

「超宝救武装(スーパーホウキュウチェンジ)!」

剣から眩い光が吹き出し涼に纏うと太陽の模様をあしらった鎧に炎の様な模様が入ったスーツに変わりルビーとレッドベリルが合わさったより鮮やかな赤い装備を纏い最後にパートナーを模したヘルメットを装着しマントが纏われ変身完了した。

「ホウキュウレッド・ソレイユ!」

涼は持ち手のグリップを引くと剣が輝く。

「何だこんなもん!」

涼は剣を振り翳しジルドレイの禁術を真っ二つに打ち破りし空中で大爆発した。

「な、何だと!!」

ジルドレイはまさかと凄いドヤ顔になる。

「見たか芋っ鼻!!」

「流石だな涼!」

「レッドベリル…恐ろしいな…」

幻の宝石レッドベリル。一体どれだけ凄い力を秘めているんだ??

「先生カッコいいです!!」

「涼さんパナイな!」

「美味しいとこ持って行きやがったな」

「ずるいですぞ!」

「まだ僕達もいけるよ!」

涼に負けてられないとコハク達も剣を構える。

「皆様ここはひとつ戦隊櫓という奴をやってみたいですぞ!」

前に涼が言っていた四人が櫓(やぐら)を組み必殺技を撃つらしいが、剣じゃ無理だろ。

「任せて下さい!」

愛が剣を突き刺し固有スキル即時錬成で水晶のものみ櫓を作る。

「おおー凄いですぞ!」

「何か違うような…」

「まあいいや乗り込んで攻撃だ!」

カイエンがそう言うと5人は櫓の足を斬り倒し櫓と魔獣の元へ倒した。魔獣達は下敷きになり動けない。

「まだ乗ってないのに」

「なんにしてもチャンス!」

コハク達は宝救剣に勇者石をはめ込み。海斗達は真宝剣に互いの勇者石と自分のをはめ込みグリップを引いた。

「「「宝救剣!トリプルカラットフィニッシュ!」」」

「「真宝剣!ダブルフィニッシュ!」」

5人の剣からそれぞれ、ステゴサウルス、ヴェロキラプトル、トリケラトプスのエネルギーと水色と黄色の螺旋状のエネルギーが合わさり回りドリル状のエネルギーになり5つのエネルギーが敵に向かって行き魔獣とキマイラの身体を貫き二体は爆死した。

「行くわよ!」

「はい!」

「であります!」

「技をあわせるわよ!」

マナリアは巨大なエネルギーの球を放ちリアはダイヤの刃を飛ばしベルはロケットランチャーをアリシアは光の剣を作り出し振りかざすと兵士と信者達を一掃した。勿論峰打ちだ!

「女は怖いの…」

あらかた片付け仲間達は涼につどう。

「芋っ鼻、悪霊後はお前らだ!」

「ふざけるな!異端者共が!何故私の恋路の邪魔をし剣を奪うか!それは貴様らのではなく私とジャンヌの子供達の為に作ったのだ!貴様ら異端者なんぞに!!」

「異端者はお前だ芋っ鼻!」

「私が異端者!?」

「確かに人を好きになるのは悪い事じゃない…でもな自分本位の一方的な好意は愛でも何でもない!お前はただの迷惑な片思いでストーカーの延長してるだけの本物の異端者だ!」

「黙れっ!私は神の代行者!ジャンヌを敬愛する者!ジルド教は愛の思し召しを齎す場所なり!けして異端でわないわっ!!」

もはや何を言ってるのかさえ判らない…ここまで狂った奴は一度死なないと判らないのかよ。

「ジルドレイ!サタン!貴方達は罪のない人達を騙し命を弄んだわ!自分の命もね!」

「わ、私は関係ないわ!私はもとよりこんな愚かものに…」

「テメェら…」

「「ひっ!?」」

「一回地獄落ちてこいっ!!」

「正義の味方の台詞なのっ!?」

こらお前が突っ込むな!泥棒女!

「アイカお黙りっ!!」

アリシアが声を上げた。

涼の堪忍袋がとうとう切れた。

次の瞬間、涼とアリシアの剣が輝きを放ち宙に浮き合わさり一つの黄金の剣が生まれた。

「な、何ですのアレは!?」

「わ、レプリカかオリジナルと融合しただとっ!?」

「「太陽聖剣(シャインカリバー)!」」

「みんなの宝石を一つに!」

涼の掛け声に10人の勇者の魔宝石から光が飛び出しそれが太陽聖剣の中心の宝石レッドベリルに集まり神々しい光が溢れだす。

涼とアリシアは一緒に剣を構え、仲間達は涼とアリシアの後ろに肩を支え合い一列に並び二人を支える。

「な、何をする気だ貴様ら!?」

「必殺技に決まってんだろ!」

「「ひっ!?」」

アレを食らったらヤバイと我先と逃げようとするサタンとジルドレイ。

「邪気滅殺!」

「「「「「「「「「「サンシャイン・カリバーァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!」」」」」」」」」」

10人は叫び太陽聖剣を振り翳しジルドレイとサタンに襲いかかる。ジルドレイはサタンを突き飛ばすとサタンのみ攻撃を受けた。

「うわぁぁぁぁぁ!!ジルドレイ!貴様ぁぁぁぁ!」

サタンは太陽の光の剣の中で魂諸共焼き払い消され大爆発した。そして黒い煙が上がり消えていった。

「くっ!!」

「もう諦めないかジルドレイ!お前の負けだ!」

「私はジャンヌと添い遂げるまで死ぬわけには行かぬのだ!」

「だからジャンヌはもうこの世に居ないし私はジャンヌじゃないわっ!!いい加減にしなさいよ!!」

「わ、私は…」

「芋っ鼻もういい加減にして大人しく捕まって…」

「捕まってはいけませんわ!ジル!」

「アイカ何故その呼び名を!?」

「私よジル!わ・た・し!」

「ああ〜ジャンヌ!!」

はっ!?散々アリシアをジャンヌって言ってたじゃないかよ。

「オイ泥棒女!一体何の真似だ!?」

「貴様!ジャンヌに向かって何という言葉を!」

「お前な!さっきまでアリシアをジャンヌって言ってなかったか?つかよ何でその女がジャンヌ何だよ!?」

「ジルと言う呼び名はジャンヌと家族にしか言わせていない!その呼び名を知ってると言う事は彼女こそジャンヌ!小娘よくも騙したなっ!!」

「ちょ!?勝手に勘違いしたのはアンタじゃない!大体なんなのよあからさまに嘘だって分かるでしょが!」

「ジャンヌは嘘はつきません!聖女である彼女の為に私はジルド教を作ったのです!ジャンヌの言葉は絶対です!」

こいつは本物の道化だ。ただ優しい言葉さえかければもうそれでいいってか!?狂ってるにも程があるだろ!!

「ジル!私はこの異端者達に記憶を封じられ洗脳されていたのですわ!私を愛しているならどいすれば良いか判るわね?」

「ええ、ジャンヌ!今すぐ異端者達を浄化します!」

気味の悪い笑顔でさらりと俺たちを殺すと言うジルドレイ。

「お前本物馬鹿だな!どう考えてもおかしいだろが!何で確信もないその嘘つきを信じる!?」

「ジルドレイ!いい加減に馬鹿な真似は辞めないか!!」

「私はジャンヌが全て!故にジャンヌを信じる!それだけです」

「この狂ったイカレピエロが!」

涼は怒鳴り上げた。本当にもうどうしようもない歪んだ愛が招いたとかじゃない。もう本当に狂ってるんだ。

「ジル!これを!奴らを見事に浄化してみなさい!」

「仰せのままに…ジャンヌ!」

ジルドレイは受け取った魔石をバリッと噛み砕き食べた。

すると周りで倒れている信者達からマナを根こそぎ奪うとジルドレイは巨大化し角と翼と尻尾を生やす。その姿は気味の悪い悪魔そのものである。

「ふふ馬鹿は簡単ね!さあ、ジルド浄化しなさい!」

「仰せのままに!」



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