第33話 強敵を倒せ!ガッチ・ランクアップ!であります!
ヴァンデストを追って俺達は塔の階段を登っていく。
塔の中は妙な空間と結界のせいでショートカットが出来ない為闘技場から見えたしろまで走る事が出来ないのだ。
「たく、どんだけ長いんだよこの階段…」
「文句言うなよ。ここしか道はないんだから」
「仕方ないだろ頭抱えて走ってんだから」
いや、頭をつけて走ろよカイエン。
「我輩足が棒になってきましたぞ…」
「まあ、さっきから登りっぱなしだからな」
「もうすぐ出口ですよ!」
もうすぐ出口に出る。
「はぁ…はぁ…ついた…てぇーーー!?」
目の前はサバンナらしき場所に魔物だらけ!?
人間の次は魔物の大群かよ。なんか色々混じってるのもいるし!?キメラ言うんだっけ?
「うわ、今度は魔物かよ…」
「人間よりはマシだろう!」
「言えてるな!」
カイエンと信道は宝救剣と宝救丁を抜き、チェンジストーンとチェンジエッグをセットし変身を開始する。
ブラック!ザ!武装!
へい!とりあえずゴールド一丁!
「武装!」
「乾杯!」
2人はブラックとゴールドに変身し魔物に突っ込んで行った。
「はぁ、やっと着きましたな…」
「はぁ…!?コハクあれ!?」
「え?な!?まさかアレは!」
え?何だどうした?
ブルー!ザ!武装!
ピンク!ザ!武装!
「「武装!」」
コハクとリアは血相を変えて魔物の大群向かい走りながら変身した。
「オイ!2人共!?」
「何かあったんであろうか?」
「判らない、ルーガル俺達も!」
「行きますぞ涼殿!」
涼とルーガルも宝救剣を構えてチェンジストーンをはめると2人を追いながら変身する。
レッド!ザ!武装!
グリーン!ザ!武装!
「「武装!」」
2人も皆の跡を追って魔物の大群に入っていく。
「はぁー!」
カイエンがライオンの魔物を斬りつけようとすると。
カキン!
コハクは割り込みカイエンの剣を止めた。
「お、おい!コハク!」
信道も濁酒銃から炎の弾丸を放つ。
「だめぇぇぇ!」
リアが宝救剣にピンクダイヤをはめ込みグリップを引くとダイヤの壁が現れ狙われた虎型の魔物を庇う。
「ちょ、リアちゃん!何をやってるんだ!?」
「コハク、ふざけてる場合じゃないだろ!」
「違う!この人達は魔物じゃない!」
人?だって?
「この人達は獣化した亜人族なんです!」
「は!?」
「え??」
「なにっ!?」
「嘘だろ!?」
皆声を上げた。この魔物が亜人族だって?
涼達は一旦合流し皆で背中を預け合う。
「2人共どういう事だよ!」
「亜人族は力をつけた者は元になった動物の姿になる事が出来るようになるんです!」
「まじか!?」
そんなの俺は知らない。当たり前か異世界だし。
「確かに亜人はそれ故に魔物呼ばわりされてるからな!」
だから亜人族は差別されてるのか。一部の国でガネットも前はそうだ。
「でも、大半が争いを好まないから獣化出来る亜人は殆どいない筈だ!」
「確かに我輩もそう聞いたことが」
「じゃあ何でこんなに獣化してんだよ!」
「まあ答えはアレしかないだろ!」
信道が指を指した先に…
「来たな勇者共!」
やっぱ怪人かよ。なんかサーカスのピエロみたいな怪人だなオイ。
「お前か町の人達を無理やり獣化させたのは!」
「その通り!ヴァンデスト様のエンターテイメントの為の調教さ!」
「オイピエロふざけんじゃねぇ!」
「ピエロではないわ!俺様は上級怪人のピエール様だ!その辺の雑魚と一緒にするな!」
「結局はピエロかよ!」
「ピエールだ!お前達やってしまえ!」
怪人ピエールが鞭で地面を叩くと獣化した亜人族達が牙と爪を剥き出しに襲いかかってきた。
「貴様らも町の愚民と判れば攻撃は出来まい!」
あの野郎!ワザとけしかけやがったな!
「涼、リア、コハク!あのムカつく顔の怪人をヤレ!俺達はここを何とかする!」
「でも!」
「任せておけ!」
「行ってくだされ!」
「すまない!」
「ありがとうございます」
「無理すんなよ!」
3人は獣化した亜人達を交わしピエールの元へ走る。
「さて、どうするかな?」
噛み付いてくるライオン亜人に交わして蹴りを入れる信道。
「ノープランかよ!」
カイエンの宝救剣は熊亜人に噛み付かれてる。つか重いっつの!
「離さないか!」
ラプトルバンカーを両方かじられて動かせないルーガル。
「カイエン!こいつらは魂あるのか?」
「ああ、確かにある!」
「下手には斬りつけられませんぞ!」
さーてどうするかな…信道は思考をフル回転させ考える?
:
「コイツ!」
コハクは剣を振りかざすが。
「当たらんわバーカ!」
ピエールは体をゴムのように伸ばして簡単に交わす。なんだよインチキ!
「なら潰します!」
リアはパキケファログローブでピエール殴るが…ゴムのような弾力性で勢いが殺される。
しかも埋もれた。
「嘘っ!?」
「上級怪人には効かないわ!」
ピエールは埋もれた体を弾きリアを吹っ飛ばした。
「きゃあ!」
リアは地面に転がる。
涼はルビーを宝救剣にはめ込みグリップを引くと炎の刃を放つ。
「おら!」
炎の刃はピエールにモロに当たる。
しかし、ピエールは焦げてすらない。
「マジかよ…」
「上級怪人には効かないわ!」
ピエールは腕をゴムの様に後ろに伸ばしてパチンコの様に放ちその手は弾丸の勢いで涼を吹っ飛ばした。
「うわー!」
痛てぇし!何のパクリだよ!異世界だからって。駄目だこのまま歯が立たない。
:
一方その頃、場所の秘密基地では。
「みんな大丈夫かしら…」
ワニ爺を膝に乗せて身体を綺麗に磨いているアリシア姫。
ドッカーーーン!
「うわ!何!?」
「ワニ?」
なんじゃ!?驚いた拍子に膝から落ちてひっくり返るワニ爺。
ベルの研究室から爆発音がした。
ドアが開くと煙があがり中から黒こげになったベルが出てきた。
「ベルちゃん大丈夫!?」
「で、出来たであります!!」
「何がよ?」
「パワーアップアイテムがであります!」
ベルは完成したアイテムをアリシア姫に見せる。
「これがパワーアップアイテム!」
見た目は銀色の丸い形のパーツで刃の部分と持ち手の所ははまる様に穴があり、鍔の部分が丸い宝救剣がそのままガッチリハマり蓋をし上下左右に動くレバーを引く仕掛けだ。
「であります!ガチっとハマってパワーアップ!名付けてガッチ・ランクアップ!」
ベルが高らかに発明品の名前を言う。
「…え…えーと…」
「ワニ!」
ダサすぎじゃ!2人には聞こえないがアリシア姫は何となく察した。
「さっそく涼さん達に渡さないとって…あれ?皆さんは?」
「あそこよ!」
秘密基地から出るとアリシアが人差し指を塔に向けた。
「なら向かうであります!」
「向かうってどうやって?」
正直あんな危ない所へ行くなんて無理だろ。
「うーむであります」
「アーアー!」
「ゴルーケン?」
ゴルーケンが足元によって来て足を嘴で突く。
「鳥さん届けてくれるでありますか?」
「アーアー!」
ゴルーケンは羽をバタバタさせる。
どうやら当たりらしい。
「じゃあ頼むであります!」
ゴルーケンは飛び上がると足にアイテムを持つと外へ行き塔へ飛んで行った。
:
「うわー!」
涼達は上級怪人ピエールに全く勝てない。
こんなに力の差があるなんて。
「「はあ!」」
リアとコハクが剣を突き刺さすが全く貫けない。
「無駄だってんだよ!」
ピエールは目からビームを放ち2人を吹っ飛ばした。
「「うわー!」」
リアとコハクは壁に埋まる。
「リア!コハク!」
「加勢に行かねば!」
「だけどこれじゃ!」
信道達も悪戦苦闘中。
「くそ!」
「万策尽きたな!勇者共!」
何かないのか!?何か方法は?くそ特撮とはいかないのかよマジで…
「アーアー!」
「ん?」
「ゴルーケン!」
ゴルーケンが登って来た階段から現れた。
「ゴルーケン!お前何でここにいるんだ?」
「アーアー!」
だから判らないって。
ゴルーケンは涼の周りを飛び回ると渡されたパワーアップアイテムを涼に落とした。
「何だこれは?」
涼は受け取る。
「アレは確か!」
🎶🎶
リアの人口宝石が光りながら音を鳴らす。
「通信ジュエル?」
リアは剣にはめ込みグリップを引く。
ジュエルから光が出てホログラムのアリシア姫が出てきた。
(みんな!大丈夫!?)
「姫様!」
(今ゴルーケンがパワーアップアイテムをそっちへ持って行ったわ!)
「パワーアップアイテム?」
あの魔人族いつのまに作ったんだ。
(姫様交代であります!涼さん!)
「ベル!これはなんだ?」
(いいから石を外してそのガッチ・ランクアップを着けるであります!)
ガッチ・ランクアップ!?何だそのダサすぎる名前は!?
「わかった!」
涼はチェンジストーンを外して変身を解くと、渡されたアイテムを宝救剣の鍔にはめ込み蓋をする。ガチっと音がなりしっかりハマるとレバー上にスライドした。
ガッチリアップ!
音がなる。
「え?何これ?」
(次は上の赤い矢印に向かってレバーを二回最後に真ん中でポチっとであります!)
涼はレバーを二回上にスライドさせ真ん中にレバーを止めるとレバーにはめ込まれた人口宝石を押す。
アップ!アップ!アップ!ガッチランクアップ!フレイム!熱すぎっ!!
酷く五月蝿い音が鳴り止むと炎が吹き上がり涼に纏い。更に赤く輝く鎧に炎のディティールとガーネットが散りばめられた角が左右の肩当てが現れ最後にパートナーを模したヘルメットを被り赤いマントを羽織り変身完了!
「うおー!強化変身来たーーーー!」
涼は声を上げた。待ちに待った強化変身がついに来たぜ!来ちゃったぜー!
「何だその姿は!」
「へへ!情熱のルビー改め!灼熱のルビー!ホウキュウレッド・ランクアップ!」
これも俺の世界の特撮のレッドの強化形態の名前だぜ!
どうでもいいわ!早く闘えよ!
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