第13話 王都ガネットの闇
次の日の朝すっかり回復したルビティラにが馬車を引っ張って俺達は計画していた王都へ向かっている。
そこで王に俺達の援助をお願いに行く為だ。
勇者なら名前を聞いただけで力を貸してくれるだろ特撮に関わらずあらゆるジャンルの話の共通だ。
多分な…
「ティラ!」
絶好調!さいですか笑
「なあ、ガネットに本当に行くのか?」
「カイエン僕達が活動するにしても今のままでは危険でしかも資金が全く足りないんだ、なら僕達を売り込んで王を味方につけた方が効率はいいだろ!」
「カイエン殿は心配性ですな!我輩達は先代の勇者共とは違うんです!それを話し合いで解って頂くんです」
たく、蜥蜴は楽観的だなたく…ガネットは前の勇者の真意を知ってる国だ、それにあの女…身なりからして貴族だった。それに前の勇者が生きていてしかも何だか崇拝した感じだった…やな予感しかしない…
「ティラ!」
なんか見えて来た!とルビティラは馬車を止めた。
「アレが王都か!行けルビティラ!」
「ちょい待った!」
カイエンが待ったをかける。
「なんだよカイエン」
「ルビティラ達はここで待っていた方がいい」
「何故ですか?カイエン殿?」
「城下町では目立ちすぎしもし何かあったら街中じゃ他人を巻き込んで俺達が悪者になるかもしれないからな」
確かに昨日みたいに森の外の草原とかならまだしも街中でしかも宝石獣はかなり目立つし、もし怪人や魔人族が現れて対処しても周りを巻き込む可能性もある。かならず守れるとは限らないこれは特撮…お芝居じゃないんだ。
「我輩達は勇者ですぞ敵が来たら倒せば!」
「それで周りで怪我にや死人が出たらまずいだろ、王に会う前に犯罪者になったらまずい」
「考えすぎじゃないか?カイエン?」
「あり得ないとは言えない話ってだけだ」
カイエンの奴随分と慎重だな。
「わかったカイエンの提案に乗ろう!」
「涼」
「そうですねまたパッキー達が狙われる可能性もありますから」
「なら二手に分かれるか?街に行く組と馬車で待機する組みに!」
コハクは提案した。確かに昨日みたいに全員でいなくなるよりはいいかもしれないな。
「いい考えだ!俺とルーガルが馬車に残ろう!」
「え!何故我輩が!?」
「俺は首無しでお前は蜥蜴だ!色んな意味で都合が悪いからだ」
確かにデュラハンとリザードマンが勇者なんて誰が信じるんだって話だ。特にルーガルは空気読めないからな…なんか起こしそうだしな。
「蜥蜴じゃないですぞ!我輩は勇者です!宝救剣だって持ってますし」
「俺達が勇者と人間族が信用するわけないからだ!まだ亜人族のが有効的なはずだ」
確かに見た目は人間とかなり同じ種族だ。歴史も人間との関わりがある種族なら城下町でも問題ないはずだ。
「う…確かに人間族は我輩達を魔物扱いしますからな…」
「俺達は魔物だぞルーガル…」
こいつ自分を何だと思ってんだ…
「つわけだ、ここは任してくれ!」
「う…仕方ないですな…」
我輩も行きたかった…
やめとけって!
「ああ、頼むぞカイエン、ルーガル!」
「よし僕達だけで行こう!」
「皆んなお留守番よろしくね!」
リアが言うと宝石獣達が行ってらっしゃいと鳴いた。
「ギャオ…」
退屈はヤダっつーの!ラルトルは小さいまま涼達の荷物に紛れた。
涼達はラルトルが付いて来てる事に気付かず城下町へ足を運んだ。
:
城下町ガネット王国
金属や宝石の工芸品が特産品の街で彼方此方で売店が出ている。
「綺麗ですね!」
「良く出来てるもんだ!」
「宝石細工が主流の街なんだな」
ん?宝石細工が主流の街?どっかで聞いた様な気がするな…ん〜まさかな…
俺達は暫く歩くとデカイ城門にたどり着いた。コハクが見張りに俺達の事を話して謁見出来るか聞いてみてくれた。
「え?俺達が来るのを待っていた?」
「らしいよ」
「私達の活躍がここまで伝わっていたんですね!」
マジかよてっきり追い出されるかとばっかり思っていた。まあ、宝救剣を見せればいやでも通してくれると思っていたから丁度いいか。
「何でもそろそろこの辺りに立ち寄るだろうと噂があったらしい」
「へぇ〜」
見張りの兵士が城門を開け俺達は城へ足を踏み入れた。
見た目もだが中も中世ヨーロッパの城みたいにだった、国の王様って凄いんだな。
案内役の人達が俺達を玉座の間へ連れてくるとデカイ扉を開けてくれた。
玉座には髭を生やした王様が座っている。
うわー余計に異世界と確信が持てるなこりゃ…
「お前達が最近噂になっている勇者達か?」
「はい、ガネット国王陛下!」
「お初にお目にかかります!」
「王様!俺達はホウキュウジャー正義の味方だ!よろしくおねがいします!」
オイ!涼失礼だぞ!
涼さん本当にお馬鹿!
僕達は慌てて涼にひざまづかせた。
「ホウキュウジャー??勇者ではないのか?」
「俺達は勇者で戦隊だ!」
「涼、君の世界の常識が伝わるわけないだろ!」
「王様申し訳有りません!この人はまだ来て間もなくて」
もう〜王様の前で馬鹿しないで!
「お前達、勇者の剣を見せて見ろ!」
え?宝救剣を?
「いいっすよ!」
俺達は自分の宝救剣を側近に渡すと王様はまじまじと見ている。
「本物の様だな…伝承の図面と同じだ」
宝救剣の図面か〜まあ伝説の剣だしな伝承が残ってても不思議はないか。
「王様!宝救剣を!」
あれ?王様は俺達の宝救剣を返そうとしない。
「あの?」
「この者達を捕らえよ!」
はいっ??
何処からか現れた兵士達に俺達は押さえつけられた。
「な、なんだよ!?」
「どういう事ですか!?」
涼が馬鹿やったからか!?いやそれでも押さえつけられる筋合いはない。
「な、何ですか一体!?」
「黙れ!賊共!」
はーー!?俺達が賊だぁーー!?
「昨晩貴様らは勇者様達より剣を奪い積荷の宝石を奪い逃走した盗賊だと話は聞いている!」
「はっ!?何だよそれ!俺達が被害者なんだぞ!」
「そうです僕達の宝石獣が何者かに奪われてそれを取り返しただけです!」
「宝石獣だと!?やはり貴様が偽勇者を語る盗賊か!」
「だから違います!」
何を言ってるんですか!私達が偽勇者!?誰がそんなデマを!
「違いませんわ!」
ん?どっかで聞いた声…
玉座の奥から誰か出てきた。
「陛下この者達ですわ!勇者様達の剣を奪い国の工芸品の材料を宝石獣で奪った盗賊達は!」
「あーー!お前は昨日の泥棒女!」
アイツはルビティラを散々傷つけた女じゃないか!何でこんな所に堂々と!
「口を控えろ!このお方はガネット陛下の親族にしてガリウス公爵のご令嬢!アイカ様だ」
公爵だって!?じゃあ、勇者様ってまさか…
「俺達の剣が戻ったのか!」
「やれやれ、やっと帰ってきましたか!」
「フン!」
コイツらは先代の馬鹿勇者!!
マジかよ…この国は魔人族とグルって事かよ!!カイエンの予想が当たったなオイ…
「おー!勇者様方!ささ、勇者の剣を!」
国王は口調が変わり先代勇者達に宝救剣を渡した。
「宝救剣を返せ!」
「は?何だよお前コレは俺達の剣だ!取られてやっと帰って来たんだぜ!」
この身長高くてチャラいやつかなり頭にくる。
「僕達の剣を盗んでおいて無様な言い訳ですか?」
「救いようのないゲスだな…」
それはお前達だろうが!
何だよコレ…俺達ハメられたのか!?
「オイ!そいつらは先代の馬鹿勇者だぞ!魔人族のグルを信じるのかよ!」
「何を訳の分からぬ事を言っている、この方々が最近現れた勇者の者達だ!」
「そうですよ!陛下この方々が最近活躍されている勇者のパーティ!勿論私も」
「おお!王族の誇りだぞアイカ!」
姪を可愛がるおじかよ…
「なんだって!?」
「勇者は私達です!」
「亜人族が勇者な訳あるか!汚らわしい獣の化け物が勇者を語るな!」
コハク…リア…何だよそれ…差別かよ…お前ら本当にその話を信じるのかよ!
「俺達ホウキュウジャーはヒーローだ!嘘は絶対に言わない!!」
そうだ、勇者はヒーローなんだ…特撮は戦隊は皆んなの笑顔の為に…
「頭までおかしくなったか?愚かな盗賊だ」
「この野郎!!」
俺は兵士達を跳ね除けあの生意気な黒髪の馬鹿勇者に拳を振るう。
「ぐほっ!」
周りにいた兵士に殴られ俺は転がり腹を抱える。
「涼さん!」
「涼!」
「牢屋へたたき込んでおけ!」
「はっ!」
俺達は身ぐるみを剥がされ牢屋へ連れていかれた。
「ギャオ!」
やばいなこりゃ…とラルトルはこっそりと抜け出して城から出て馬車へ急いだ。
「さて剣は取り返した後は奴らの宝石獣か」
「陛下!ご安心を剣が戻った今勇者様達に敵はありません!」
アイカは胸を張り王にそう言った。
流石我が姪であり継承権3位だな。
「後はアイカの勇者の剣ともう一本と積荷の宝石か!」
「宝石獣もいるとなると都合がいい」
「ええ、化け物退治で素材を手に入れて宝石獣の破片を提供するいい考えですね!」
「先代勇者様達から受け継いだ伝統工芸は国の宝!何とぞ頼みましたぞ勇者様!」
「「「お任せを!」」」
先代勇者達はお辞儀をすると玉座を後にした。
「伯父上は私にゾッコンだから必ず信じると言いましたでしょ!」
「アイカは可愛いだけじゃなく頭もいいんだな〜」
「いちゃつくな…」
「まずは宝石獣です!僕達がログアウトするには世界制服…バッドエンドを達成させないと!」
王は知らない、王族の親族がまさか魔人族と繋がっているなんて誰も疑う訳がなかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます