第11話 五人目はお化け!?

結局、勇者石は途中から光らなくなり俺達は森の外へ案内された。

外はすっかり暗い、俺達は松明を片手に馬車に戻る。

「色々ありがとうなカイエン」

「いや、こっちも人間族とこんなに話した事はなかったからな」

まあ、頭が外れていればな…自分の頭を抱えてお別れなんて変な話だな。

「涼!大変だ!」

向こうからコハクが声を上げて読んでいる。

なんか只事ではないぞ!

「またなカイエン」

俺は挨拶を済ませると馬車へ走る。

「またな、か…」

:

馬車についくとそこにルビティラはいなかった。

「ルビティラ?何処に行った??」

「涼!マリケラ達もいないぞ!」

なんだと!?

俺達は急いで馬車の中のドアの向こうへ行く。

中は荒らされ宝石獣達が待機している宝石箱がなくなっていた。金銭は取られていないのに。

「宝石箱がなくなってる!?」

「誰かがルビティラを掻い潜って中に入ったんだ!」

「まさか盗賊か!?」

いや盗賊なら金銭も奪っていく筈だ、なのに奪われてない。

「狙われたのは宝石獣達だ!」

「さっきカイエンさんの話にあった宝石獣達を道具に加工するってアレですか?」

おいおいマジかよ!?つかルビティラまで何処に行ったんだ?いざとなれば元の大きさになれば蹴散らせるだろ。なのに居ないなんて!?

ウガァァァーーーーーー!!

何処からか大きな声で雄叫びが聞こえてきた。

「今の雄叫びはルビティラだ!」

「俺はここだ、助けてって言ってた!」

「涼殿!ここに車両の跡が!」

俺達の馬車じゃないしかも二、三台目ある大勢でルビティラを引きずっていったのか!

「とにかく行くぞ!」

俺達は車両の跡を追っていく。待ってろよルビティラ!

:

「ウガァァァーーーーーー!」

離せと暴れては雄叫びを上げるルビティラ。

身体は妙な鎖に絡まれて身体を大きく出来ない。

「無駄よ宝石ちゃん貴方の身体は特別な術を施した鎖で繋いでいるから大きくはなれないわよ」

やとらと飾りたくった宝石を宝石を身につけている女がルビティラにそう言った。

身体をバラせないから元の形になれないのだ。

「それに動けば貴方の仲間は直ぐにバラバラよ」

女は宝石箱をちらつかせる。この宝石箱にも特別な術を施した錠前でロックされており仲間達は脱出出来ないのだ。

「ティラ…」

「アイン様の情報通りこんなに材料が居たなんて!しかも本来の姿は山以上の大きさ、素晴らしいアクセサリーが一生つくれるわ〜」

「ティラ〜!」

冗談じゃねーと声を上げるルビティラ。

また俺達を滅ぼそうてか!ルビティラの脳内に蘇る記憶、かつての勇者に慕っていた兄貴分を奪われたあげくに仲間達を目の前で捕獲され砕かれいった光景が…それからずっと隠れて生きてきた、だが、それでは無念は晴らせないそんな時だった、偶然開いた異世界の門の先で涼を見つけた!

「ティラ…」

俺はアイツ見たいな熱い奴を忘れていた、一目でこの馬鹿野郎は勇者になれる、本当の勇者に戦隊だの特撮だの訳分からん事を抜かすがでも奴の心の宝石は誰よりも輝いていた!

こいつなら、俺達の世界を変えてくれると思ったから俺は再び勇者を集うと決めたんだ!

「ウガァァァーーーーーー!」

だから早く来い涼!!!

「うるさいですわね!いい加減黙りなさい!」

女はバシッと鎖でルビティラを叩く。

宝石獣には紐なんて効かないだからだ。

「て、ティラ…」

涼…

「ルビティラーーーーーー!」

涼は声を上げて宝救剣を振りかざし女とルビティラをは引き剥がした。

「な、何ですの!?」

女は状況が分からずにいる。

すると上から何か落ちてきた。

「ん?」

「こんちわ!」

生首だった。

「イヤーー!!」

女は驚いて宝石箱を投げるとルーガルはすかさず奪いとる。

「皆さん取りましたぞ!」

「よし!ってうわ!」

カイエンの頭は蹴飛ばされた。

すかさず本体がキャッチした。痛えなたく。

「ティラ…」

遅いぞって悪かったよ。

俺はルビティラの鎖を宝救剣で斬った。

ルビティラは起き上がる。

リアが錠前を壊して中の宝石獣達をだした。

「ごめんねパッキー」

「パッキー」

怖いよとなく。

「悪かったなマリケラ!」

「ケラ〜」

助かったよご主人とコハクに擦り寄る。

「エルトル無事か!」

「ギャウ!」

遅いんだよたくっ!減らず口言えるなら大丈夫か。

「カイエンありがとう!」

「ちと痛かったがな」

頭をさする胴体。何ともシュールな…

「何ですのお前達は!」

「それはこっちのセリフだ!」

「何でルビティラ達を誘拐した!」

「誘拐?私達は宝石採集をしただけですわ〜」

うわムカつく!何だこの舐めきった態度は!

「勝手に奪て何が採集だ!こいつらは生きてるんだ!」

「何を言ってるんですの?それはアクセサリーの材料ですよ!」

「アクセサリーの材料だと」

「そうですわ我が国の伝統工芸の材料です」

は?伝統工芸の材料だぁ!?生きてる生き物を使ってか!

「宝石獣は宝の塊ですわ!野蛮に動くより美しく加工された方が幸せですわよ!」

女相手にこんな頭に来たの始めてかもしれないな。こいつの目には宝石獣はただの財宝でしかないんだ。

「ふざけんな!テメェらも前の勇者と同じ事をしてるのかよ!」

「その勇者様が教えて下さり我が国は今に至るんですわよ!」

何だと…前の勇者が宝石獣達を売り払ったって言うのか…それを加工して国を豊かにした!?

「宝石獣は伝統工芸の材料ですわ!渡さないなら高値で引き取りますわよ!」

「戯けた事を抜かすな!神聖の生き物を貴様らの下らぬ飾り物にしといて!」

「蜥蜴には縁のない代物ですからね〜」

吾輩をまた蜥蜴呼ばわりするとわ!

「もう我慢ならん」

「ダメですよルーガルさん」

「だが!」

「いや構えた方がいいかもしれない…」

コハクがそう言うと周りには剣を構え弓を構えていたりと兵士に取り囲まれていた。

「マジかよ…」

「ルビティラ!デカくなって逃げるぞ!」

「ティラ…」

無理だ身体中かけて戻れないってマジかよ!

他のみんなも力が足りなくて元の大きさに戻れない。

「もう逃げられませんよ!」

「アイン様!」

奥から小柄な青年が歩いてきた。

やたらと豪華な武装をしている。腕には宝石 救剣によく似た宝石の剣を構えている。

「な!テメェは先代の勇者!!」

カイエンは声を上げた。

「何!アイツが先代の勇者」

どう見ても高校生くらいの子供じゃないか!

100年前の勇者が年を取ってないってどうなってんだ?

「いかにも僕が先代の勇者で今は魔王軍の幹部をしているアインです」

「アレが先代の勇者?」

「どう見ても子供ですぞ!」

「100年前の人が何で変わらず?」

皆疑問に思う当たり前だ、そもそもどうして若い!?

「どうして勇者だった奴が魔人族に加担したんだ!ヒーローがどうして!」

「はぁ〜貴方馬鹿ですか?」

え?

「状況に応じてプレイを変える、かつイベントを利用し優位に立つ!PKもりっぱな遊び方ですよ!」

は?PK?遊び?何を言ってるんだ?

「貴方MMOは初めてなんですか?」

「何言ってるんだお前…」

俺の世界のゲームの用語じゃないか、それが何で出てくんだよ。

「人によって遊び方は違う、優位に立つには強い味方とレベル上げ、そして素材!それらを一気に集める為のイベントに僕は参加してるだけです」

「な、何を言ってるのだあの者は?」

「わかりません」

「涼わかるかい?涼?」

はぁ?ゲームだぁ?この世界が?

「お前…日本人だろ」

「何故それを!貴方も日本人のプレイヤー何ですか?イベントには混ぜてあげませんよ」

「ふざけんなっ!!」

俺は込み上げる怒りを抑えられず声を上げた。

「お前はここがゲームの中だと思ってるのかよ!」

「ゲーム以外ないでしょこんな非科学的な世界はだったら楽しむ!まあログアウトする為に僕は頑張ってるんでしけどね!」

ログアウトだぁ!?どこまでゲーム脳なんだよ!自分が沢山の生き物を殺したと思ってないのかよ!

「早くログアウトする為にはシナリオを変えないとならないので勇者設定を捨てて魔王軍のイベントに参加してるんですよ!バットエンドでも帰れればいいんでゲームだし」

あはは…マジかよ…こいつは此処がネトゲの世界と思ってやがる…奴の体感時間は100年じゃなく100時間扱いってか…これはゲームだからまたリセットされるからいいって?

こんな本物の馬鹿にルビティラ達の仲間は滅ぼされたってのかよ…

「テメェ…一発殴らせろ!」

「仮にも勇者役が愚かな言葉使いですね、僕はただ様子を見にきただけでこれで失礼しますね!」

「逃げるのか!」

「ゲームじゃ当たり前です!」

アインはそう言うと消えた。

「あの野郎…」

勇者設定?ふざけんなっ!俺達は本気で世界を変えたいから戦ってんだ!

「さあ、大人しく材料を置いていきなさい!さもないと死ぬわよ!」

女が指を鳴らすと兵士達は魔人族の兵士に変わった。

「涼やるしかないよ!」

「私も友達を渡す気なんかありません!」

「我輩だってイライラしていのだ!」

「その喧嘩俺も混ぜろ!」

カイエンも頭をくっつけて指をならす。

「離れてても頭にきたからな」

俺のポケットから黒い勇者石が飛び出し紫色に輝き砕けると宝救剣と黒いチェンジストーンが現れた。

「俺が勇者?」

カイエンは剣を手にする。

五人目の勇者がデュラハンだぁーー!?

蜥蜴より驚いた。

「カイエン殿が五人目でしたか!」

「本当にアンデット族が勇者に選ばれるとは…」

「世の中わからないね」

全くだ。

「ついに揃ったな!皆んな行くぞ!」

涼達は各チェンジストーンを宝救剣にはめこむ。

レッド!ザ!武装!

ブルー!ザ!武装!

ピンク!ザ!武装!

グリーン!ザ!武装!

ブラック!ザ!武装!

「「「「「武装!」」」」」

宝救剣から光が放たれ各宝石獣の顔を模したマスクと輝く鎧を纏う。

ついに五人の勇者が集う!

「何なの貴様達は!」

「俺達は戦隊だ!情熱のルビー!ホウキュウレッド!」

「激突のオニキス!ホウキュウブラック!」

「揺蕩うアクアマリン!ホウキュウブルー!」

「疾風のエメラルド!ホウキュウグリーン!」

「輝くピンクダイヤ!ホウキュウピンク!」

「「「「「勇気の宝石を見に纏い!」」」」」

「宝石戦隊!」

「「「「「ホウキュウジャー」」」」」

輝く月の下五人の色の花火が爆発する。

ついに五人体制キターー!!!

あんな事あったのに…

これはやるのか…

最高の鳥肌ですぞ!

今の勇者はこんなガキみたいなことすんのか?

「ホウキュウジャー??ギルドでももっとまともな名前があるわよ!材料を奪いなさい!」

女に指示され敵兵達は向かってくる。

「ギルドじゃねえ!戦隊だ!」

何でもいいわと皆に突っ込まれながらも俺達も敵に向かうとにかく蹴散らしてここを離れるぞ!

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