第8話 待ってました!別形態!
四人になった俺達と魔人族が武器を構えてぶつかり合う。
「おら!」
俺は宝救剣を左に右にティラノファングを構えて敵兵に迎え撃つ。
宝救剣から炎を放ち遠距離攻撃し近づいて来た相手はティラノファングに噛みつかせ跡形もなく食いちぎらせ平らげる。
本当どうなってんだこの武器?食った者は何処へ?まあいいや!
俺は敵の剣をティラノファングで噛み付き防ぎ宝救剣で斬り裂く。
「はー!アチョー!」
リアはパキケファログローブを両手に敵兵の顔面を殴っては吹っ飛ばし、殴っては吹っ飛ばす。やがて怖がった敵兵達は自分から逃げて行った…顔が潰れればそりゃ逃げるよな…
「待ちなさーい!」
敵兵達は喚きながらリアから逃げ回る。
「妙な光景だな…」
リアに逃げる敵兵をやれやれと見ているコハク。
コハクの後ろをスキやりと敵兵三体が剣をふりかざす。
「トリケラトキャノン」
だが返り討ちに合う。
「とぉーー!」
ルーガルも宝救剣を片手に素速く動きながら敵兵を斬りまくりあっという間に全滅させた。
これが我輩!?速さも上がり欲しかったパワーまで加わっている!
ルーガルは確かに速いが残念ながらパワーが小さい故に足りず相手を倒しきれずにいた。だから武器に頼る戦い方を磨いていた。
「調子に乗るなよ蜥蜴が!」
石炭の怪人は蒸気を放つ。
ルーガルは空高く大ジャンプしかわす。
ルーガルのマスクが武器の図面を光で説明する。
ラプトルバンカー
宝救剣+エメラルド+下グリップ2回引く。
「よしわかった!」
空中でエメラルドを宝救剣にはめ込みグリップを2回引く。
「ウエポンアップ!」
宝救剣から緑色の宝石のピースが吹き出し、ピースは緑色の長い棒に変わる中心に爪の様な突起がついている。
ラプトルバンカー
属性 風 近距離〜長距離武器 中心の爪をスライドすれば槍に変わる。自在に伸縮する。
「ラプトルバンカー!」
ルーガルはバンカーを伸ばすと石炭の怪人の脳天に叩きつけた。
ゴチン
「ぐわぁ!いたたたた!」
怪人は頭を必死に刺すっている、ありゃ痛そうだ。
「この武器は伸びるのだな!」
我輩にピッタリの武器じゃないか!
「よくもやりやがったな!黒焼きにしてやる!」
石炭の怪人は口から火炎放射を放つ。
「好機!槍モード!」
バンカーの中心の爪が先にスライドし槍の様に爪を伸ばす。
「伸びろ!」
バンカーは伸び怪人の口に突っ込み貫通した。
「あがががが!?」
怪人は口を貫かれて喋れず苦しんでる。
間抜けな姿だ。
「涼殿今ですぞ!」
「よし!二人ともいくぞ」
三人は宝救剣に各宝石をはめ込みグリップを1回引く。
「「「宝救剣!トリニティスラッシュ」」」
三人は同時に剣を振りかざし、そこから、赤青ピンクのヤイバが怪人の口目掛けて放たれた。
いくら硬くても内側まで硬いとは限らなかった。
「あがががが!?」
怪人はヤイバをモロに口の中にくらい、そして爆死した。
「よっしゃー!」
「我々の勝利だ!」
「「イェーイ」」
俺とルーガルはハイタッチ。
「あの…」
「僕達もいるんだが…」
コハクとリアは忘れられていた。
この二人似たもの通しだな…
「あーあーちょーダサい」
いつのまにかデビル族と言われたあの女の子が何処からかいつのまにかあらわれた。
「あ、あいつは!?」
確かキノコ野郎をでかくしたあの女だ。
「まあ、もっかいやんな」
女は黒いダイヤを爆死した石炭の怪人に落とした。
すると光だし石炭の怪人は巨大化して復活した。
「サンキュー!貴様らこのまま燃やしてやる!」
「うお!デカくなりましたぞ!」
「よっしゃ、見せ場だ!こいルビティラ!」
涼が叫ぶと森から巨大化したルビティラが飛び出して着地する。
「ウガァァァ!」
行くぜ!傷は完治したみたいだ。
「おお!ん?これは?」
ルーガルのエメラルドが光る。
ディスプレイが浮かび上がる。
宝救剣+エメラルド+3回グリップを引く。
「よく判らぬがやればよいのだな!」
ルーガルはエメラルドをはめ込み3回グリップを引き宝救剣を上に掲げる。
剣から緑色の光が放たれた、その光は森の奥の巨大な大木の中にある巨大なエメラルドに当たる。
「ギャオ!」
エメラルドが砕けて中から緑色に輝く爪が鋭く長い尾の先が突起物になっている宝石竜かまあらわれた。
緑色の宝石竜は疾風の如く光の先を目指して走りだすとあっという間にルーガルの元へ駆けつけた。
「ギャオ!」
「おー!アレが我輩の宝石獣!」
アレはヴェロキラプトルか!
「ギャオ!」
宝石竜ヴェロキラプトル。
「ウガァァァ!」
え?アイツとマリケラで合体しろって?
「わかった!こいマリケラ!」
「ケラ!」
マリケラが宝石箱から飛び出して巨大化し現れた。
「よし!宝石合体!」
ルビティラとマリケラと新たにラプトルが輝き身体を一度バラす。
ルビティラは身体と足を構成し頭は中心にくっつく。ラプトルの頭が右肩にくっつき胴体は腕に変わり合体し尻尾が槍になる。
マリケラは頭を拳につけたままそのまま左手になり合体した。そして残りの部品が兜を構成し上にくっつき合体が完了する。
我輩と涼殿達の宝石獣が合体し新たな巨人が誕生しますぞ!
「完成ホウキュウオー・デューク!」
デュ、デューク!?
トリケラの頭がシールドにラプトルの尻尾が槍になり構える。さながら西洋の騎士のようだ!ああ!だからデューク!
「これはお約束の別形態要素!やっぱこの要素がないと盛り上がらないよな!!」
涼は大興奮!
「また訳わからない事を…」
「今回はパッキーはお留守番ですね」
「よく判りませぬが凄い事なのですな!」
コックピットに当たる結晶の部屋から勝手に盛り上がる涼にやれやれと思う二人。
「よっしゃ行くぜ!」
ホウキュウオーはラプトルランスを構えて石炭の怪人に突っ込む。
「腕が違うくらいでなめるな!」
石炭の怪人はホウキュウオーと真っ向からぶつかる。
「おら!」
ラプトルランスで石炭の怪人を突きまくる。
「あいた、あいた!」
槍は予想以上に硬く石炭の怪人にも効いている。
「調子に乗るなよ!」
石炭の怪人は熱い蒸気を放つ。
「トリケラシールド」
左手のトリケラシールドで防ぎすかさずマリケラの口が開きビームを放つ。
「うわー!」
石炭の怪人は吹っ飛ばされ倒れる。
グラグラグラ!!
「揺れてるぞ!?」
「奴が近くにいる!」
そうあの宝石のワニである。
確かに近くにいた。
「ん?」
「ワニーー!」
怪人の下から宝石のワニが飛び出して石炭の怪人を吹っ飛ばしてしまう。
「下にいたのか〜!」
怪人は落ちてきた。
「ラッキートドメだ!」
ラプトルランスが輝きドリルの様に周り出す。
「「「ホウキュウオーストライクバンカ」」ー!」
緑色のドリルの光が槍から放たれた。
「こんな終わり方やだー」
石炭の怪人は空中で貫かれてそのまま爆死した。
「やりましたぞー!」
ルーガルは初めての勝利に喜ぶ。
だが、喜んでばかりもいられない。
「ティラ!」
わかってるよ!下手に挑発はしない。
宝石のワニは赤い目を光らせながらこちらを見ている。改めて見るとすっげぇ怖い面構えの宝石獣だな。
「……フン…」
宝石のワニは地面に潜り何処かへ行ってしまった。
「いったい何だったんだ」
「分からないだが、味方ではないだろうな」
確かにあのワニは今は仲間ではないみたいだな。前の勇者の宝石獣いったいお前はどうしたいんだ??
:
「でわ長老様!兄者我輩行ってまいります!」
ルーガルは故郷に別れを告げていた。
「ルーガルよ!しっかりな!立派になったらまた会おう!」
「ルーガルよ、皆さまの迷惑にならん様にな」
「心配ご無用!我輩しっかり勇者としての務めを果たしてまいます!」
ん…コヤツは調子にのるから心配じゃ…
リザードマンが人里に行くのは大変だぞ。
二人の心配をよそにルーガルは涼達の馬車に乗り込み村を後にする。
必ず一回り大きくなり尊敬する兄に近づいた自分を見てもらうその日まで。
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