30,灯

灯火が欲しかった

温もりが欲しかった


今度こそと思ったけれど

自分で吹き消した


僕は許せない

自分で赦せない


温もりを求めることが

甘えを求める脆弱さが


どうしても出来ない

幾度願えど扱えない


自ら吹き消して

だというのに渇望して


結局誰にも明かさないまま

燭なんて得られないまま


得たとしても使えないまま

氷を抱えて生きていく

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