No.3 編入生 上

「起きてください。マスター」


「ん、もうちょっと……」



あれ?

うちに俺以外の人いたっけ?

まだ、父さんは帰ってこないはずだし、母さんは月一しか帰ってこない。

母さんが帰ってくるのは、今日じゃないはずだ。



「ん、んっっっ、おはよぉ」



「やっと、お目覚めになりましたか。マイマスター」



「誰かと思えばイセリアか……」

「起こしに来てくれたの?ありがとうね」



「私が好きでやっているだけですので……私なんかが感謝されるのは、もったいないかと……」



俺が感謝をすると、イセリアが照れてくれた!

マジ天使


「もったいないわけないじゃん!」

「俺は、朝一に美少女が起こしてくれて幸せですよぉ!」



「び、び、美少女だなんて……ま、マスター早く朝食にしましょう!」

「わ、私は先に行っていますので!」



「わかった。すぐ行くよ!」




なんであんなに顔真っ赤にしてるんだ?

オートマタでも熱出たりするのかな?

そこまで人間っぽくした覚えないんだけど……


俺は自室からリビングに出た。




「朝ごはん作ってくれたの?ありがとう!」



「お味の保証はできかねますが、マスターのお口に合うよう作ってみたつもりです」



とても健康的な和食だ。

焼き魚と味噌汁、そして白米。



俺は手間がかかるから焼き魚にしなかったんだよなぁ

わざわざ手間のかかる料理をやってくれるなんて!

有難や有難や



「……うん!美味しい!」



「よかったです。マスターのお口にあって」



「あれ?イセリアの分は?」



「私はオートマタ。食事は不要です」



やっぱりそう言うよねぇ

もっと人間らしく考えて欲しいんだよなぁ

せっかく人間らしくできるように、自由意志をプログラムしたのに……




「ダメだよ?イセリアは女の子なんだからちゃんと食べなきゃ!」



「マスターが食べろとおっしゃるなら自分の分も作りますが……」



「今日の夜から一緒に食べるよ!わかった!?」



「了解したました」



「ご馳走さま。弁当も作ってくれたの?ありがとう!」

「でも、弁当はイセリアが食べて!」

「俺はコンビニで買って行くから」



「そうですよね……私の弁当は嫌ですよね……」



「いやいや、そうじゃなくてね?女の子が学校でコンビニ弁当なんて良くないだろ?」

「イセリアは朝食べてないから、その分昼はちゃんと食べて欲しいんだよ」



「私の弁当が嫌なわけではないのですね?」



「もちろん!」



「マスターはお人がよろしいですね」

「では、私のお昼は弁当にします」



苦笑いずるいです!

惚れる!惚れちゃうよ!

学校行ったらマドンナだなこれ




まだ7時か、片付けと準備していくには十分すぎるな。



「じゃぁ準備したら行こうか」

「片付けは俺がやるからイセリアは着替えてきて?」

「部屋に制服用意してあるから」



「部屋とはどこのことでしょうか?」



「イセリアの部屋だよ?」

「あ、ごめん!何も説明してないよね」




そういえば昨日イセリアを目覚めされてから、そのあと地下室でそのまま寝ちゃってたんだった!

何にも説明できてないよな、そりゃそうだ



イセリアには最低限必要になるであろう家具と、部屋を用意してある。

部屋は、二階の俺の部屋の隣だ。


洋服などは制服以外、何も用意してないので、イセリアには好きなものを買ってきてもらおうと思っている。



「ここがイセリアの部屋だよ」

「一応鍵もつけといたから、自由に使って」

「俺の部屋は隣ね」



「ありがとうございます。マスター」

「では着替えているので、覗きたければ開けてもいいですよ?」



「ちょ、ふざけないの!」

「ゆっくりでいいからちゃんと準備するんだよ!?」




イセリアにからかわれたぁ

でも心を少しずつ開いて来てくれてる証拠なのかな

そう考えると嬉しいな……




俺は食器の片付けを済ませ、自分の部屋に向かった。

自分の部屋に向かうついでに、イセリアの部屋に足を運んだ。


コンコン

「イセリア?準備終わった?」



「まだです。マスター」

「覗くならノックはしないほうが良いと思いますよ?」



「覗きに来たんじゃないよ!?」



少しも覗きたいと思ってないわけじゃないよ!?

でもみたらいけないよね?

変態になってしまう……



覗きたい気持ちを抑え、自分の部屋に向かった。



着替えが終わり、リビングに行くと制服姿のイセリアがいた。


俺の学校の女子の制服は、黒のブレザーに赤いネクタイ、薄い茶色のセーターと、赤のスカートだ。


男子の制服の色までは言ってなかったよな、ほぼ女子と同じで、違うのはズボンの色が黒のターンチェック柄になっているということだけだ。



「イセリアって何来ても似合いそうだよな」

「実際制服似合ってるし」



「お世辞はおやめください」

「早く行きますよ?」


「ほぉーい」

「裕の家寄って行くから」

「あ、俺からの誕生日プレゼント」



「ヘッドフォンですか?」



「そうそう。でもこれデバイスなんだぁ」

「横のボタン押すとね、刃物タイプのデバイスになるんだよ〜」



「ありがたくいただきます。ありがとうございます」



だから笑顔は反則なんだよなぁ



デバイスとは能力を使うために必要な機械のことである。

刃物タイプと、銃タイプと、グローブタイプがある

後々説明しよう。

ちなみに俺は銃タイプだ、非戦闘モードだと

指輪になっている。



「じゃぁ行こっか!」

「コンビニと、裕の家寄って行くよぉ」



「了解です。マスター」



「外では青空ね?わかった?」



「わかりました。青空」



「じゃぁ行って来まーす」



「行ってきます」

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