レールに乗っているだけの人生が嫌だ。

と、彼は言った。

ではどう生きるの、と僕は聞いた。

わからないけど、自分が正解だと思う道を行ってみる。

と言った。

道が交わることがあれば、また会おう。

と返した。

みんな、自分の道が正解かどうかなんて知っているのだろうか。

誰かに教えてもらっているのだろうか。

そういいながらも、僕はレールに乗ったり下りたりしている。

みんな僕を、中途半端な男だという。

レールの上に乗っていると、周りの人は安心する。

レールを外れると、心配する。

自分の視界から消えることを、人は恐れる。

だけど、実はその安心も心配も、時間が少し経てばただの風となって夜霧に消えていく。

レールの上にいるから見える景色もある。

レールから降りるから、見える景色もある。

どちらが正解？

神のみぞ知る、という言葉があるのなら。

ここで使うのが一番正しいのだろうね。

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