言うべき事。
口が滑った。
これは今言うべき事ではない。
そんな事分かっていた。
「んー」
上目遣いで疑ぐる様な目でこちらを見てくる。
「一千万って言った理由か。それは、」
本当の事を言うべきなのだろうか。
本当の事を言ったら彼女は傷つくのではないか。
親が子供に賞金をかける。
まるで物や犯罪者扱い。
「嘘なんてつかないで下さい。私はあなたに嘘をつかれるのが一番傷つきます」
俺の心を読まれたかの様なその言葉は、俺に深く刺さった。
「お前のお母さんがお前に賞金をかけたんだ」
その言葉に夏樹は目を見開き俯いた。
そして満面の笑みでこちらに微笑みかけてきた。
「なんだ、そんな事ですか。別大した事じゃないじゃないですか。逆に私はお母さんに愛されてますね」
えへへ、と笑いかけてきた。
何かいつもと違う笑い方だったが夏樹が隠そうとしてるなら俺は何も言わない。
それがお互いのためだと思うから。
「さぁ今日はなんもミスはしてないですよ!部屋の隅々までみてくださいな」
確かに部屋を見た感じ良さげだがエプロンがAYAスタイルになってるのはなんとかしような。
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