最強の勇者であるために

霧巻クイナ

#0 プロローグ

「な、なんだこれは」


薄暗い洞窟の中、老人は驚愕の光景を見た。大きなドラゴンの死体。その横で楽しそうに剣を振り回す少年。少年の下に不気味に広がる魔法陣。


「これが...外界の者の力、というやつか...」


老人は少年に近づき、声をかけた。


「君、名前はわかるか?」


少年は首を傾げ、数十秒黙っていたがようやく口を開いた。


「せい...うん...」

「...そうか」


老人はその名前を聞いた途端、目を瞑り呟いた。


「この子が...」


少年は不思議そうに見つめている。老人は少年を抱き抱え洞窟を出た。

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