α
ぴいいぃ
1200~4000
「さてと、話の続きをしようか」
そうだな、と言っても…
今の状態では何もわからない、むしろ変化することすらないと思う。かの有名なRPGゲームの青い敵役のように
このまま考察を広げていっても同じ結論に辿り着くだけ、むしろ退行していくのではないのか
私たちは随分前からこれについて考えてきた。それぞれの知識を振り絞り、死力を尽くして思考を膨らませた
だがいくら考えても振り出しに戻ってしまう。わからない、わからない、なぜだ、なぜなのか…
これについては私達には不可能ではないか?これが何度も頭の中を駆け巡る。もういっその事やめてしまおうかと弱気な考えが幾度となく頭の中を過ぎる。
「いや、いや、キミはなにを言っているのかな、正気かい?」
全く以て正気であり、私の頭は正常に動いている。私よりキミが狂っていないのかと疑ってしまう。ここまで話し合い、様々な意見を違えたにもかかわらずなぜそんなにもしれっとしているのか。とあるポケットの化け物、どれだけ変身しても目だけ変わらない生き物のように、にへらっとしている
「こうも続くとね、どうにも引けなくなってしまったんだ。元はといえばキミのせいなんだよ」
それはそうなのだが…そこまで責任転換されるとこちらも困る。ノッてきたキミにも責任はある、むしろキミにこそ責任があるのではないか
私も初めはここまで没頭するとは思わなかった。そしてキミも混じってくるとは思わなかったし、ここまで話が飛躍するとも考えつかなかった
これだけ時間を費やしても尚、話が飛躍するだけで進まないのもどうかと思うが
「うーん、やっぱり最初が肝心なんじゃないかな?」
最初…初心に戻ればいいのか。それだ、一理ある
「ノーだよ。そんな事じゃなくて、最初のひとつを集めればいいんだ。そうすると答えは自ずと出てくるはずさ」
最初のひとつ?それは考察を始める第一歩の考えを集めるということなのだろうか
それともなにか、考えることをやめろとでも言うのか
だがそれではだめだ。ここまで来たのなら私は最後までやってやる
「めんどくさいなぁ、キミは。でもそれでもいいんじゃない?こちらも最後まで付き合うよ」
それはありがたい。こちらの望みがもしかしたら叶うかもしれない
だがどうだろう、私とキミがこうやって耽っている間にもう終わりだと思うのだが
そうだとしてもせめて結論までたどり着きたい。あわよくば実行へと移りたい
「ざわざわと揺れているんだ、キミの頭の中は」
そんなこと誰でも同じではないのか?思考が揺れ動かない人間などいるのだろうか。
それともなんだ、キミの思考回路は銅像のようにピクリとも動かないのか
まさか、キミは…
バカなのか?
「めんどくさいからと言ってバカと括るのはやめてほしいな。心外だよ」
それは申し訳ないことをした。だが仕方ないだろう?今私は疑問や懐疑によって満たされているのだから
「はぁ…そろそろいいんじゃないの?もう答えは出ているんだし」
そうだな、もういいだろう。
ここまで付き合ってくれたキミに感謝する。お返しに何か要望でもないか?
「ない、何もないよ。それよりいいのかい?キミにはやるべき事があるんだろう?」
仰る通りだ、さぁ始めようか
「いい事だ、ボクもやっと解放されるというもの」
さて、結論は決まった
始めようか…
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