【完結】嗚呼、夢で良かった。

宝希☆/無空★むあき☆なお/みさと★なり

第1話 めくるめく悪夢

「最近?(十数年も前の事だが)見た悪夢」と同じ夢を何度も見ている。オチが歯医者さんの一族の隣に住んでるから脳内に映像として「洗脳」されているのだろう。私は、元来睡眠時の夢を見ない体質で、二十歳までに見た夢は三回しかない。数えるほどしか無い。日々の記憶の整理がよほど上手く出来ていたのだろう。そんな私の記憶に残る悪夢は、同じ様な横顔で影になったシルエットの私が、痛みを何も感じずに、ボロボロ歯を1本ずつ落としてゆくモノで。毎回毎回同じ様なシルエットで。私は夢とは気づいていない為に「何故?」簡単に痛みもなく次から次へと歯が抜けてゆくのだろうと、真剣に悩んでいる。両手一杯に抜けた私の健康な全部の歯を、かかげながら。本当の事ならば激痛ではすまない筈だからだ。歯茎からこぼれて落ちる綺麗な形をした全部の歯。同じ夢を何度も見ている。歯をよく磨けか。歯茎もきちんと磨けとな 。その頃はサラリーマンとして働いていた為に、職場に最寄りの衛生的なトイレで、一人歯を磨いていた。昼はそうしていたのが私のルーチンで朝と夜は壊れた洗面台を治さない代わりに、食器を洗うシンクで歯を磨いていた。それもルーチン。だからテレパシーが出来る私の脳みそも歯医者さんの宣伝に使われて居たのだろう。そうして、それから十数年後の私の歯の状態は良くない。頭が色男の相手になりたがるクズ女にヤられた為に、白濁としている為、歯みがきを行う事が、健康な剛毛が抗がん剤の副作用で、くるくるちぢれ毛になり、その洗髪がふらふらになるくらいしんどいのだ。だから、歯みがきも同様に白濁した頭でブラッシングを行う事がしんどく、歯みがきをサボる事もある内に、歯周病と診断された。ホワイトニングを勧め様とする歯医者さんに「とにかくお金が無い」とつげ、ホワイトニングではなく、念入りに毎食後、歯周病予防の歯磨き粉で一本一本の歯を丁寧に磨く様に処方された。私の歯も皆さん同様に変な角度で生えている歯が沢山あり、簡単な歯みがきではすまない。幼い頃は何も知らない馬鹿野郎だったので、総入れ歯にして総入れ歯洗浄剤を使う方が楽なのではとかふざけていた。トマトが食べられないという総入れ歯補助剤のCMを見るまで、総入れ歯の皆さんが、いかに苦労しているかも知らずに私は馬鹿野郎だった。だから部分入れ歯の今は亡き父の其れが、洗浄剤に入れられてるのを見て、今は亡き祖母の総入れ歯の様にして、楽をすれば良いのにとか酷いことを想っていた。父は私を娘として愛していてくれたので、防犯と部屋の片付けと歯みがきには五月蝿かった。実にそのせいで、私とは違う、姉には虫歯がない。だから変な角度で生えている私の歯磨きは歯茎の根元から上に向かって一本一本磨くのと、歯茎に食べ物が貯まらない様にするために、アニメの「Dr.スランプ アラレちゃん(C)鳥山明」のエンディングの様に横にごしごしする磨き方を習った。それでだ。私は口内洗浄ウェットティッシュに助けらルながら歯を保っていたら、安物のインスタントラーメンの麺が歯茎に付着してとれないという不幸に見まわれた。歯茎に意識が集中するのを誤魔化さないと爪楊枝やフロスピックで、歯茎を血みどろにしかねない勢いで。だから米津玄師の「diorama」を聞くまでは、その音楽に夢中になるまでは、死ぬかと想っていた。無事に玄師の音楽に救われ、私は2度と安物のインスタントラーメンを食べないことを誓った。そしてサイレントキラーという歯周病の副作用に恐怖する私は悪夢を予知夢とは想わない。




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