第71話

ゼラが数百回程素振りをし、満足気に頷いているのを邪魔するのは悪いが声をかける。


「このまま短刀も作るよ」


「え?」


ゼラから何故か聞き返された

聞こえなかったのか…


「対の短刀を「聞こえている!」つく…」


(????)

分からない、なぜ聞き返されたのか…


「主、魔力量は大丈夫なのか?」


「うん、特大魔法を魔法陣なしで数十発撃つぐらいには」


「はぁ、もう驚かんぞ…」


「じゃあ作っちゃうね」


ゼラが何か言っているが無視して、魔法陣に魔力を込める


「あっ、ゼラ!」


「なんだ?」


「魔法陣に込める魔力ある?」


そう聞くとゼラは「あっ…」と声を出して固まった


「えぇ…どうしよっかこの魔力…」


数分考えているとヴィオラが部屋に入ってきた


「先程の光はなんですか!」


これが第1声


「わっ!床が光ってる!?」


これが第2声


「ヴィオラ、なんでいるの?」


確かに魔力的に感知してはいたが無視していた


「あっ…えーと…」


と言い淀んでいるので、さらに追い打ちをかける


「王様には言ってあるの?」


そういうとヴィオラの目がカジキに襲われる魚のように泳ぎ出した


まぁ、ちょうどいいところに来たのは確かだ


「ちょっとヴィオラに聞きたいんだけど、いつも身につけているものとかある?」


と聞いてみた


「えぇ、王族の耳飾りはいつもつけてるわ」


「あぁ〜、王族とか関係なく個人的につけてるものがいいかなぁ」


「個人的に…つけてないわね」


この答えに対し困ってしまった


なぜかと言うとこの魔法陣の魔力を使って身につけているものを自衛用の障壁にしようと思ったのだ


もういっそヴィオラの新しい装備にしちゃうか


そう思いヴィオラに提案をする


「ヴィオラさあ、自分の装備欲しくない?」


「装備ですか…例えば何がありますか?」


「何がっていうと槍や剣、杖に双剣色々あるけど、ヴィオラにあった装備にしないといけないよ」


「そうですね…私にはできるものが何も…」


あぁ、そうか小さい頃は病弱で、さらについ最近まで眠っていたからスキルもレベルも足りないのか…


そして、私はさらに提案をした



「チカラ ガ ホシイ カ ?」

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