すぐに読める超短編集

鬼ヶ島

刹那

それは、刹那の出来事だった。


赤信号の交差点、横断歩道を歩く女子高生、群衆の悲鳴、うなりを上げるトラック。


俺の足は勝手に動く。


熱い夏の太陽はその刹那を見守っていた。


意識が蜃気楼のように曖昧になってゆく。

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