第22話 学校教育に拘る理由
私が何故、「学校で勉強するからバカになる」という本まで出して、学校教育に拘るのかという事について書いておこうと思います。
そういう考えに至ったキッカケは、実はパソコンなのです。私が何故パソコンを始めたかというと、字を書くのが下手だからです。仕事で企画書や提案書を書くのに、字が汚いのはマズいわけで、最初はワープロを買って始めました。
しかし、ワープロは機能が限定されていて使いづらいのでパソコンを買ってワープロソフトを使うようになりました。そこから、パソコンにのめり込んで行ったわけですが、それをやり始めたのはWindows95が出た頃ですから、今から25年ほど前という事になります。
当時のデスクトップパソコンは、今からするとしょぼいもので、CPUやメモリーやハードディスクも貧弱でしたが、だからこそ、工夫を凝らす必要があり、増設したり外付けしたり、パソコン同士を繋いだりと面白かったことを覚えています。
そして、パソコンの仕組みを知ることで見えてきたのが、パソコンは人間を真似て作られているという事でした。CPUとメモリーとハードディスクの関係が正に、我々の脳の仕組みだと思ったのです。
そのパソコンを制御する仕組みが、OSとアプリ。
それは、そのまま人間にも当てはまるわけで、OSが理念であり、アプリが行動手順と置き換えれば分かると思います。そして、人間におけるOSを醸成するのが学校教育という事です。
理念とは分かりやすく言えば、目的、存在意義となります。人間の基盤です。人間にとって最も重要な人格と言えるでしょう。ここを牛耳られると人間は自由を失う。要は他人から操られるということです。
だから、それを他人、いや具体的に言えば国家に抑えられていてはダメなのです。それは、国家の思惑で動く操り人間、奴隷、ロボットになるから。
国家が戦争しろ!と号令を発すれば、その通りに行動する。
国家が働けと号令すれば死ぬまで働く。
この二つは誰もが知っている現実ではないでしょうか?まあ、それでも、人々が笑って生きていければ別に良いのですが、いずれの場合も、悲惨な結末を生んでおり、決して容認できないのです。
これらは、国家というモノが出来てから日本人が追い込まれた状況であり、「さらば国家」という本にも書いている通り、明治以前にはない状況なのです。つまり、日本人は明治以降、学校教育によって改造されたと結論付けたわけです。
お陰で、驚くような発展を遂げ、江戸時代には想像できない環境を得たのですが、では、その環境で日本人は皆笑って暮らしているのかと言えば、むしろ、江戸時代より笑顔は消えているのではないでしょうか?
互いに助け合って生きて来た日本人は居なくなり、自分さえ良ければという欧米志向が、他人を敵とする環境を作り出し、人々は戦々恐々とした環境で怯えて暮らしているのではないかと思います。
その結果が、少子化という悲しい現実をもたらせている。子は宝と称した日本人はいなくなり、子を邪魔者扱いにする人ばかりになってしまったからそうなるのです。
それは、愛する家族を守る為に必死で働くというものが、いつの間にか、必死で働かなければ生きていけない環境になり、家族が蔑ろにされて行ったんだと思います。未必の故意というべきものだとも思います。
とは言え、年々状況が悪化していく中で、それを具体的に改善する方法を見いだせない理由を誰も考えることはないのです。それは、そういう基盤だから。そういうことを意識するOSとはなっていないからそうなるのです。
人間とは?とか生きるとは?と言った、人間に必要な基盤が抜かれているのです。
それは、学校教育によって、ただ、親の言うことを、先生の言うことを、上司の言うことを、そして、国家の言うことを聞くだけの機械とされているからなのです。その基盤を壊さない限り、日本人は消えていくことになると思うのです。
という思いから、学校教育を廃止すべきだと思っているのです。それが、学校教育に拘る理由なのです。学校教育を国家に委ねてはいけない。本当は、あの戦争で負けた時に気づくべきなのです。
しかし、私がパソコンがなければ気づかなかったように、目に見えないOSと言ったシステムのリスクを察知することは非常に困難だと思います。我々にとって最も危険なのは目に見えないもの。昨年より、世界を震撼させた新型コロナウイルスを見れば、それが分るのではないかと思います。
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