還暦のつぶやき
瀬田 乃安
第1話 還暦がやってきた
若い頃には遠い未来のことでいつかは来るのかもとは思いつつ全く想像すらできない節目が還暦だった。うっすらと覚えているのは父親の還暦を祝ったことだろうか。そういう自分が、いよいよ還暦を迎えることとなる。
若い頃、何かの研修で習った、60歳になると10人に一人が亡くなるということだけが還暦という節目の象徴だった。自分の同級生の10人に一人が亡くなっているかどうか、同窓会などにも殆ど顔を出さないために分からない。
しかし、この分からないという事実が人間にとっては恐怖を覚えることだと思う。今や人生100年時代とも言われるが、やはり、一番難しいことは長生きをするということだと個人的には思う。
だって、頑張ってかなうことではないから・・・自分の力ではどうすることも出来ない運命によって定められているのが寿命というだと私は密かに思っている。だからこそ、同級生の状況を知るのが怖いのかもしれない。
仮に、今日みんなが存命であっても明日は分からないし、今日亡くなった同級生の情報も疎遠にしている分、下手したら一年後に知ることになるかもしれないだろう。
三年前に母親を亡くしてから、ついに次は自分の番が来るなって密かに覚悟を決めた。そこから、自分の人生で得たことを子孫に残さなければという思いが強くなり、ブログを書いたりエッセイを書いたりするようになった。
他のサイトでも、色々書いているしアマゾンでは出版も果たし大いに満足している。今さら新たなサイトで書き始めて良いモノかとは思うけど、何となくデザインが気に入って書き始めることにした。
ということで、特にテーマはない。単なる還暦じいさんのつぶやきだが、個別テーマがない分、本筋が書ける気がする。本筋とは何かといえば、この世界を変えることである。
素敵な世界に変えることだ。全ての人が生まれてきて良かったと思える世界にしたい。こういうセリフは普通若者が発するものかもしれない。だけど、この年で発するということは重みが違う。重みというより現実味だと思う。
若い頃には分からなかったことが分かるのが歳を取ることの醍醐味である。だから、歳を取るのが楽しくなる。それが若い人たちに伝われば・・・・
人生は常に挑戦だ!生きるということは今出来ないことを出来るようにすることだと思う。もちろん、出来ると限らない。でも、その挑戦が楽しいのである。きっと、そう思えるのが還暦だと思う。
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