応援コメント

すべてのエピソードへの応援コメント

  • 第21話 夢から覚めてへの応援コメント

     お疲れ様です。

     昨年末にとても素晴らしい作品を読ませていただきまして。「過去作の長編も読んでみよう」となりました。現時点で今作と「それでも恋せよ乙女」、そして「詩人からの手紙」です。

     まずは「強みに迷っている」ことから。

     これは著者様、読み手と考え方、意見といろいろとあるのでしょう。読み手側から無責任ながら感じたことです。著者様の強みはルイス・キャロル氏だと思っています。最初に「詩人からの手紙」を途中まで読んだ時にかなり絶賛に近い評価をさせていただきました。そして最近また読み返してみようと一話から読んでます。あの作品はやっぱりすごいです。改めてそう感じてます。そして初めて氏の「少女からの手紙」を手に取り。

     著名な編集者さんが昔「好きな作家さんや目指したい作家さんがいるなら、まずその作家さんの作品を一冊丸々写してみることをお勧めする(本を一冊分、パソコンで打ち込めってことです。確実に文章力も上がりますし、その作家さんの癖なども身に付けることが出来るそうです)」とおっしゃってました。私自身も影響を受けた作家さんはいます。『誰にどれだけ影響を受けたか』はかなり重要なことであると今でも思っています。正解だとも思っています。今読んでもまったく隙のない文章。そしてそれを書かれたのは著者様。そうなると「著者様の強みはルイス・キャロルさんだと思います」が一番正しいと思います。

     数ある書き手の中から、氏の作品に出会い、著者様の感性がそれを選んだ。そしてあのレベルまで自分のものにされた。それを奇跡というか。必然というか。その答えは著者様がいつか振り返った時に答えが出るのでしょう。意外と早くに答えがでるかもです。

     引用しますね。

    >そう、僕はそんなところにいる。今は。この『今は』という限定の言葉を殊更に強調しておく必要がある。この念押しの意味を、察しの良い人ならば直ぐにお分かりになるかと思うが、ついに、とうとう、僕は六年近くずっと眺め続けてきたこの景色から離れる決心をしたからに他ならない。(「詩人からの手紙」第一話より)

     この部分。何度読んでもここです。私の中で「この書き方を知っている。誰だったっけ?」と。答えはすぐに出ました。ケルアック氏の「路上」の書き出し部分です。

    >そのことについては、あのみじめなほど疲れはてた二人の訣別と、なにもかも終ったというぼくの気持とにいくらか関係のある病気だったという以外には、とりたてていいたくはない。(「路上」第一部1より)

     こう書いてみると「あれ?全然違う。でも語り口調だからかなあ」、と。これは未だに「私には同じ匂いがしたんです」と言うしかありません。けれどそう思うことで折り合いがつくのです。そして「この時代にまだこんな書き方が出来る書き手さんがいるとは」となり。「20年の物語」は氏の影が一切見えなかったと思います。そしてそれを書かれたのも同じ著者様である。そうなると「新作も著者様の根っこの部分、大きな柱となる部分に氏を存在させているのかなあ」と考えます。

     それでは強みを念頭に置きながら今作と「恋せよ乙女」です。先にお伝えしておきます。もうハードルを高く読みました。厳しくみようとなってます。「20年の物語」。あのレベルの作品を書ききった書き手さんであるからです。

     今作「お伽噺をいただきましょう」の方が「恋せよ乙女」より確実に完成度は高いです。以前『文章のくどさ』の声をお伝えしました。

     引用しますね。

    >もしも、時間というものに色や音があったのなら、錆色になって、ギシリと音を立てていただろう。(「恋せよ乙女」三ページ目)

     ここが一番分かりやすいと思いましたので。文章の『脂肪』です。どうしても重く感じる部分が目につきました。引用部分の『脂肪』を落とすなら。

     錆色の時間が、ギシリと音を立てる。

     これぐらいバッサリのがいいのでは、と。その連続でした。この作品は物語を読ませる作品だと思います。逆に『肉付け』が足りないと感じた顕著なのが6ページ目です。浅井くんにリアルが足りない、でした。振る舞いから言葉遣いまで作りものであると強く感じました。これは「20年の物語」の警察官が聞き込みで登場するシーンでも感じたことです。現代ドラマなら徹底して描写の力を抜かないが宿題になるのかなあと思いました。扱ってるテーマも特殊な作品ですので。

     そして「お伽噺をいただきましょう」です。読み始めはマーク・トウェイン氏の「不思議な少年」が頭に浮かびました。途中からテーマが物語を引っ張っていたように感じました。「真実とは」というテーマです。読み進めて思ったことは「現代ファンタジーなんだよなあ…。うーん、現代ドラマで書いて欲しかったなあ」です。でもその考えは途中までどうでもいいのかなあ、と感じてました。『そういうものなんです』が勝ってきたからです。これはこれでいいなあと読んでました。それは「最後にはいいところに読み手をいざなってくれるんだろう」と思っていたからです。実際そのように書いてらっしゃいました。14ページ目。あの文章をスラスラと書いたのであればものすごいのでは?と思いました。いったんフェイドアウトした女性警察官もかなりいい役を演じてたと感じました(あれだけのセリフを言ったあのキャラがあそこだけで消えるのは勿体ないと思ってましたので。それと先に書きました「リアル」の肉付けです。著者様は警察などの描写が苦手なのか?との不安もありましたので。取材などはどうしてもネットに頼る部分が多いのかなあ、と)。

     最後にファンタジー色が出たのが読み手として期待とは…です。それまでの不条理は『そういうものなんです』で押してよかったと思いました。哲学的なテーマに不条理の細かい描写は私には『脂肪』に感じましたね。トリ、コトハと強いキャラが登場したのも今作の特徴だと思います。

     脱字は二か所、変換ミス一か所です。それらの解釈はお伝えしてますが、最後の読ませるシーン(同一ページに二か所です)だと…ですね。

     同時に「書き手とは己の主張を文字にするものである」を再確認させてもらいました。読んでよかったと思ってます。

     感想になりますが個人的にかなり迷いました。読み手として書くべきか。失礼を承知で踏み込んで書くなら書き手としてになる、と。

     その辺レベルの書き手さんにはここまで言いません。著者様が「20年の物語」を書ききった事実とそれに至った積み重ねに敬意を込めてになります。勝手ながら期待してますよ。結果ではなく納得にです。

     ではまた。
     
    (伝え忘れの追加です)

    ・著者様の文章。地の文で改行をよくされてます。読んでいて気になりました。

    ・「長所を伸ばす」より「弱点を克服する」の方がいいと思います。私は「得意を伸ばすことは長所を伸ばすことだから努力も楽しいし取り組みやすい。ところが不得意の克服はそうでない。不得意は短所であるから、短所の克服は並大抵の努力では成し遂げられない。それには数々の努力と工夫、辛抱が必要となる。そしてそれらの改善の過程の努力や辛抱の姿勢が人を鍛え、長所にも影響する」と教わりました。得意なことを伸ばしても不得意が改善することはないが、不得意を克服することで得意が伸びていくことがある、です(桜井章一氏の言葉より)

    作者からの返信

    こんなに丁寧な感想を(しかも、他の作品のことまで交えて)ありがとうございます。
    嬉しいお言葉もご指摘も、なるほどと、心に留めて、これからもがんばります('ω')ノ

  • 第1話 夢への案内への応援コメント

    流麗で可憐な文章ですね。とても続きが気になります。素晴らしい導入だと思いました。

    作者からの返信

    ( ゚д゚)ハッ!
    カクヨム上で初めてコメントいただけて……しかもこんなうれしいコメント……ありがとうございます!!