第110話 ありていに言って死にかけました
有り体に言って、
馬から落ちて死にかけました。蹴られなかったのは奇跡ですね。
昨日乗馬ツアーに行きまして。
馬でゆるりと歩きながらジュラシック ワールドの撮影に使われたロケーションなんぞの絶景を観光するツアーです。趣味がない夫と娘に、滅多にできない体験をしてもらいたくて。乗馬?やったことないですよ。
馬に乗るのは表彰台みたいな台があって簡単でした。馬が勝手に進んでくれるから楽だわーとか思ってたら、私が乗った馬、コマンダーは隙あらば草を食べようとするんです。手に豆ができるほど手綱を引きましたよ。しかもこの馬、グループに遅れると走って追いつこうとするんで、馬上10センチ飛び上がっては鞍にお尻をぶつけるを繰り返しました。景色は絶景だった。尾根から見下ろすエメラルドグリーンの海。途中灌木が形作る自然のアーチはレースのカーテンみたいに柔らかく日光を遮ってくれる。(コマンダー、草食うな)アーチを抜けた先に白砂の小さなせせらぎがあって、馬でせせらぎを抜けること自体がアトラクション。(コマンダー、駆け下りないで) 映画みたいに綺麗。崖の上で写真を撮る間も離れているのに潮の粒が飛んでくる。カウアイの海は波が高くて、普通の観光客は泳げないくらい。崖下に夢のように美しい砂浜があるけど、車が入れるのは途中まで。たどり着くのは困難を極める。尾根から見下ろしたジュラシックワールドのロケ地は、確かに恐竜でもいそうな佇まい。尾根には小さい紫や黄色い花が地面に生えていて、本土の黄色の花と棘を持つ、野いちごに似た植物が、気をつけていないと馬上の私らの脚を掠める。本当に、初心者がこのコース行って大丈夫?と思うようなアドベンチャーたっぷり見どころたっぷりのツアーでした。
さて、一生に一度の経験のあと、馬から降りようと私が台に脚をついた時でした。片脚のバランスを崩してころんと台の下に落ちてしまいました。途中私の肩がコマンダーのお尻にポンとあたり、ツルりと馬の後ろ足元に。
一番居てはいけない場所です。血相を変えたインストラクターのジムが駆けてきます。
間に合いません。
大きな馬の足が目の前に。
やばい。
死ぬ。
しかし馬が動く前に転がるように這い出したため無事でした。
「Wow!You are lucky」とジム。
結構な高さから落ちたのに傷らしい傷もなくラッキーでした。
図説110をご参照ください
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