北米で暮らしてみた (仮題)
母猫
第1話 色々な物乞い
バンクーバーの物乞いは、軽い。
たいていティム・ホートン(カナダのドーナツ屋)の前にいて小銭をねだる。そこに悲壮感はあまりないの。カナダ人はおおらかなのか、結構小銭あげてる人や楽しく会話している人がいる。
でも物乞いの中でも結構気合の入ったのがバラッドとジョージア通りの角にいてね。白髭の老人なのだけど、真冬に上半身裸で震えている。たぶんわざと。見ているだけで寒いから、小銭をやる人もいるのかもしれない。
春からよくアメリカのウォルマートの入り口で見かける物乞い。ヒジャブをかぶったムスリムの女性たち。ただでさえヒジャブは目立つのに、襲われたりしないかハラハラする。女性だけだと危険だと思わないのか…男どもはどうした。まあこの前見た、家族総出のインド人の物乞いもどうかとは思う。
スーパーの入り口で若い白人男性に話しかけられたわ。ホームレスだという。離れたところに娘らしき女の子。男性の身なりは普通で、話し方も礼儀正しい。ホームレスには見えないんだけど。一瞬10ドルくらい払って英会話の相手でもしてもらおうかと思ったが、危険だし、そもそもキャッシュを持っていないので断りました。
このひとたちは、若く、美しく、しかもアメリカに合法的に住める権利を持っているのに、もらえるかどうかわからない一ドルの為に半日をここで過ごすのか…そう思うと悲しい気持ちに。本人たちは一向に悲壮な感じではないのだけど。
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