『クズだらけのプロット』 ジャンル:ラブコメ
1.あらすじ
俺は、物語が好きだ。愛していると言ってもいいかもしれない。ともかくそれくらい好きだ。寝ても覚めても、面白い物語を探し、吟味し、読みふける。そんな暮らしをしていたいと心から願っていた。
だけど、現実はどうだろうか。「これは本当にプロのレベルに達しているのだろうか」と疑問に思う作品が増えていくじゃないか。
こんなことではいけない。何とかしなければ。焦燥感だけが増えていく。しかし、現実として、俺に出来ることなんて大して無い。結果として「なんとかしたい」という思いだけが残ったまま、日々を怠惰に過ごしていくのだった。
そんな俺にも、誇れる作家がいる。コハル先生だ。
彼か彼女か分からないその作家が書いた作品は、久しぶりに俺を楽しませてくれた。可能性を感じさせてくれた。端的に言えばワクワクさせてくれたのだ。そんな気持ちになったのは久しぶりだった。こうして俺はコハル先生の大ファン──狂信者と化したのだった。
ある日。一つの疑惑が生じる。コハル先生の正体はあのカースト最上位女・
そんなことあってはいけない。崇高な存在のコハル先生が、俺を敵視し、事あるごとに「あ、陰キャオタクだ」とレッテルを貼り付けてくるクソ女であってはいけない。
疑惑の真偽を確かめ、安心したい。そう考えた俺は、春菜に一つのトラップを仕掛ける。これでいい。きっと、何かの間違いだ。コハル先生にかかった濡れ衣を取り払うことが出来る。今日の夜はきっと良く眠れることだろう。
「はぁーーーーーーーー!!!!????冗談でしょーーーーーーーー!!!!????」
そんなことはない。現実は非常である。
かくして俺がこの世で一番尊敬する作家は、一番忌み嫌っている女だったという事実が発覚したのだった。
……冗談じゃないんだな。これが。はぁ…………
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