39日目、自由曲が決まるまで

田中さーん……って小声で呼びかけたら、

「かなかな、どしたー?」って反応されてちょっと笑った。





以下、クラスの子には言わないでね、って言われた話。






阪田くん、「怪獣のバラード」を聞いたあと、

すっかり気に入っちゃったみたいで、

どうしても歌うか指揮したかったみたい。


それで、「怪バラ」を1位にした5クラス(!)で

ジャンケンしたんだけど、阪田くん、

なんと見事に勝ちとったらしいんだよね。


案の定、阪田くん、めちゃくちゃ喜んでいた。


ただ、それで、別のクラスの実行委員の子が泣いちゃって。

クラスからの「1位取ってこい」の重圧に耐えられなかったん

だと思う。



で。

しばらくしたあと、阪田くん、

「俺、後出しだったから、もう一度ジャンケンし直そう」

だなんて言い出したらしい。



やり直したジャンケンの結果、

「怪バラ」は別のクラスに、

「信じる」はうちのクラスになったみたい。



阪田くんは終始笑顔だったみたいだけど、

田中さんはやっぱりこれで良かったのか悩んでるみたい。



うーん。なんだかなあ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る