第6話 結婚したらの取り決めを相談した!
セックスレスを突破口に話は生活の具体的な相談にどんどん進んでいった。
「じゃあ、生活費の分担だけど、どうする? すべて僕の負担でもいいけど」
「家事を私がすべてすることでいいのならそれでもいいんですが、私の我が儘を聞いてもらった分、それだけじゃあ少し後ろめたいです。まるで寄生虫みたいですから、宿主のメリットが少なくはないですか?」
「家事をすべてしてくれるならそれでいいけど」
「それでも家事すべてというと、負担が大き過ぎます。私も働き続けますから、少しは手伝ってもらわないと無理だと思います」
「そうだね、共働きになるからね。家事はできるだけ手伝うよ。今も一人でやっているからその点は大丈夫だから、安心して」
「そう言っていただけるとありがたいです」
「食事も作るよ。僕の作った料理、味は保証できないけど、食べてもらえるなら」
「好き嫌いは特にありませんから、お願いします」
「土日は僕が作るとかでもいいよ」
「都合の悪い時に作ってもらえるとありがたいです」
「いいよ、言ってくれれば」
「掃除、洗濯は手伝うよ」
「洗濯は私がします」
「僕の下着も洗ってくれるの」
「当たり前です」
「僕はしなくていいの。取り込みも片付けも?」
「洗濯は私がすべてします。乾燥機にかけますから、取り込みは必要ありません。自分の分の片付けだけお願いします」
「分かった。じゃあ、それでお願いします」
「掃除は手伝うよ。掃除は休みの日くらいにしかできないだろう。自分の部屋は自分でする。お風呂とかはまかせておいて」
「お願いします」
「良いだんなさまになりそうで安心しました。本当にやってもらえるならですが」
「きちんとやるよ。男に二言はない」
「生活費の分担だけど、住居費はマンションの賃料になるけど、僕が負担する。1LDKを2LDKに借り換える必要があるから負担は増えるけど、住宅手当も出ているからなんとかなる。生活費のうち、食費と光熱水費などを分担してもらったらどうかな? それなら君も気が楽だろう」
「はい、それなら気兼ねがありません」
「いくら掛かるか分からないけど、折半でどうかな? その管理は君に任せる。口座を新設して、それぞれが分担金を振り込む。それを君が管理するということでどうかな?」
「分かりました。生活費は私が管理した方がよさそうですから」
「それぞれの給料は自分で管理する。お小遣いもその中から、被服費、交通費、医療費などもそれぞれが負担する。もちろん貯金もそれぞれ責任を持ってする」
「あなたの負担が多くなりますが、いいんですか? 結婚するメリットがないのでは」
「それでいいよ。負担もこれまで一人でいた時とそんなには増えないと思う。素敵な君と一緒に住めて、家事もしてもらえるなら、言うことはない」
「すべてご期待に沿えなくてすみません」
「いいんだ、僕が努力してなんとかすればいいんだから。それと君が僕を好きになってくれればいいことだから。努力はしてくれるね」
「もちろん努力します」
「その努力にも期待したいな」
結婚してからの話がどんどん進んでいく。吉川さんはきっちり決めておきたいみたいだけど、私もその方が良いと思う。一緒に生活してから揉めるよりも良いし、安心だ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます