第64話 燃やし尽くせない愛
「いくぞ! カエン! でしゃばったことを後悔するがいい! これが俺の最大の必殺技! ダーク&ダークだ!」
「なんだ!? 私の中から闇が生まれてくる!? うわあああー!?」
「落ちろ! 暗黒の世界に!」
カエンは、クライの必殺技で闇に呑み込まれてしまった。
「ここは? どこだ?」
カエンは闇の世界に閉じ込められていた。
「闇の世界よ。」
「その声は・・・フェニックス!」
闇の世界に閉じ込められたカエンの前に、フェニックスの少女が現れる。
「また会えたわね。カエン。」
「ああ、私は約束を守る男だから。」
見つめ合うカエンとフェニックス。二人の間には、信頼のような愛情が芽生えていた。
「カエン。炎を出してみて。」
「分かった。ファイヤー・フレイム。んん!? なぜだ!? 炎が出ない!?」
闇の世界では、カエンは炎が出せなかった。
「この世界は、闇の剣騎士クライが作り出した闇の世界。炎だけでなく、光や水も出すことはできない閉鎖された暗黒空間です。」
「なら、どうすればいい!? 私は、この闇から抜け出し、世界の平和のために邪悪なる者を倒さなければいけない。教えてくれ! フェニックス! どうすれば、この闇の世界から脱出できるのか!?」
「炎を出せないのなら、生み出せばいいのです。愛を。」
寄り添い惹かれ合うカエンとフェニックスは、闇の世界で新しい炎を生み出す。
「城の中に入った救世主様を追うとするか。」
クライは、カエンを倒し、イビル・キャッスルに入った救世主様の後を追おうとする。
「どこへ行く? 勝負は、まだ終わっていないぞ!」
「なんだと!?」
カエンが闇を焼き尽くし、その炎の中から現れた。
「なんだ!? そのナイト・ソード・アーマーは!?」
「これは炎の精霊サラマンダーの剣騎士の鎧だ。」
「サラマンダーだと!?」
闇の中から現れたカエンは、炎の精霊サラマンダーの剣騎士の鎧を装着していた。
「クライ! おまえの闇がどれだけ深くても、私の炎を燃やし尽くすことはできないのだ!」
「なんだと!? この闇損ないが!? もう一度、闇の世界に落としてやる!」
「もう、おまえの闇は見切った。私には通用しないぞ。」
「出まかせを言うな! ちょっとソード・ナイト・アーマーが格上げになったぐらいで調子に乗るな!」
「いいだろう。この世界は剣が全て。剣が最強。剣で勝負をつけてやる!」
「望むところだ!」
カエンとクライは、剣を構え必殺技の構えに入る。
「燃えろ! 炎の蜥蜴! サラマンダー・ソード・スラッシュ!」
「目覚めることのない闇に落ちろ! ダーク・ソード・スラッシュ!」
炎と闇の必殺の一撃がぶつかり合う。
「ダメだ!? クライの闇に押されてしまう!?」
「何が炎の精霊だ! 私の闇を燃やしきる程ではないわ!」
「カエン。」
その時、カエンにはフェニックスの声が聞こえる。
「フェニックス。」
「あなたと私の炎は、決して消えることは無いから。」
「うおおおおおー!!!」
フェニックスに励まされたカエンの剣気が燃え盛っていく。
「カエンのソード・フォースが上昇していく!? バカな!? カエンのどこに、これだけの剣気があるというのだ!?」
「燃えろ! 私の炎! 全ての闇を燃やし尽くせ! 邪悪なる者を倒すために!」
「このカエンの炎は・・・フェニックス!? フェニックスだと!? ギャアアアー!?」
クライには炎の中に不死鳥フェニックスを見た。カエンの炎がクライの闇を焼き尽くし、闇の剣騎士を倒した。
「少し、疲れたな。」
そのまま力尽きたカエンは深い眠りについた。
「眠りなさい。カエン。そして不死鳥の様に目覚めるのです。」
カエンを見守るフェニックスであった。
つづく。
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