石ころコロコロ
ぼくは石ころ
今日もコロコロ
転がる草地の上で
キラキラ光るやつを見た
玉と名乗ったそいつは
ぼくをまじまじと見て
驚いた顔でこう言った
「傷つくのが怖くないの?」
「気にしてたら転がれないよ」
ぼくが言うと
玉は寂しそうな顔
「傷ついたら自分が自分でなくなっちゃう」
「傷ついても自分は自分でしかないよ」
ぼくはそばを通りすぎた
しばらくして振り向くと
日に反射してキラリ
それは確かに美しくて
傷のないその光を
いつか誰かに見つけてもらって
ここではない場所へ行けるだろう
誰かを待つのも自分で転がるのも
同様に価値のあること
でもぼくは転がった方がいい
傷つくのなんかへっちゃら
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