Na

叶うはずのない胎内回帰



ベッドは私を包み込む


母親がかける掃除機の音は

もしかしたら

子宮の中で聴いていたもの

なのかもしれない



女性の子宮に戻りたいわけではない

ウートポスに戻りたい


どうあがいたところで

ウートポスだから

美しく 廃頽的で

だからわたしは恋い焦がれるのか



わたしは乳飲み子

目を離せない 手のかかる存在


私を一から構成して

無量大数の私を

粉々にこわして

再構成して


高純度の愛で

数がただ多いだけの私に

どうかやさしく制裁を加えてください

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