第27話 ロビーフィールド

「では、ルールの確認だ。ルールは、可変レベルの到着順、難易度は普通、勝ったほうが負けた方の要求を飲む、相違ないね?」


相手のイケメン女子が宣言する。


「ルールは相違ないが、勝った場合の罰則がおかしいな」


宿名が淡々と突っ込む。


「レンヤさん!違うよ・・・私達が勝ったら、私があの方と付き合って貰うってそう」


カリンがイケメン女子、レンヤにくってかかる。


「カリンばかりずるいぞ?!そこはジャンケンだからな!」


レンヤの反論。

そもそも、謝罪するだけだったよな?


相手チームの他の女子まで騒いでいる。

ちなみに、相手チームは6人だ。


教えられたとおり、メニューからログインを選ぶと、視界が暗転。

テーマパークの入り口の様な場所に移動する。


此処は・・・


「此処が、ショップ専用のロビーフィールド。バトル受付は・・・向こうだな。あっちがフードコーナー。あっちが装備品を売っていて・・・向こうがユーザーショップで──」


「リアル店舗の意味無いよな?!」


最初から此処来れば良かったよな?!


ふと気付く。


「あれ、思わず言われた通りメニュー操作してログインしたけど・・・現実リアルの身体どうなってるんだ?」


店の前に放置?

茜が以前、悪戯はできないと言っていたが・・・

そもそも、サングラスするって設定は何処に行った?


「ショップのDDSは、ログインウィズボディー設定なので大丈夫っすよ。ログインと同時に現実リアルの身体は消えるっす」


茜が答える。

それは設定とかそんな話で済ませて良いのか?

何もおかしな所は無い、何もおかしな所は無い。


「バトルゲートはあっちだ。行くぞ」


レンヤが言う。


中央の巨大な吹き抜け。

上を見上げれば多層構造。

ショップの種別毎に分かれているわけでも無さそうだ。

ただの負荷分散なのか、レベル毎に分かれてるのか。

そもそも、数千・・・数万人?

全国共通なのか、あそこのショップだけなのか。


バトルゲートとやらは、1階のようだ。

モノリスの様な物が並んでいる。


「これがバトルゲート・・・」


凄い数だな。


「赤いのが使用中、青いのが空いてる。緑の物は予約済だな」


宿名が解説。

殆どは青い。


「混んでるときは、上層階にもあるわ」


紫苑が補足。

やっぱりでかい。


「こっちはプライベートゲートっす。向こうには、内部の映像が公開される、オフィシャルゲートもあるっす。使用料高いっすよ」


茜が補足。


「そっか、お金取るのか」


「え、リソースっすよ」


・・・収益構造どうなってるんだろうね?


「ゲートから入れば、直ぐにダンジョンだ。開始タイミングを合わせて突入となる。準備は良いか?」


宿名が尋ねる。

俺、茜、紫苑が頷く。

向こうも頷く。


「良し」


宿名が頷くと、一斉にゲートに飛び込んだ。


--


<ダンジョンに突入しました>


システムアナウンスが流れる。


向こうの平均レベルは35。


ダンジョン踏破のバトルは、難易度普通、レベルは平均レベルマイナス5、階層数を5とするのが一般的らしい。

向こうのダンジョンレベルは30。


こちらの平均レベルは16。

ダンジョンレベルは11。

こうやって、平均レベルからダンジョンレベルを決める事で、レベル帯の異なるPT同士でも、ダンジョンバトルが可能になる。


最近の攻略でも、2階層で立ち往生していたし。

結構不安があったが・・・杞憂だった。

敵は無視できる強さで、シールドで弾き飛ばしながら進む。


あっさり2階層への階段を抜け・・・


<チームブルーが、2階層に到達しました。11ポイント獲得>


ポイント?


2階層を進む途中で・・・


<チームレッドが、2階層に到達しました。30ポイント獲得>


多いぞ?!

俺達のチームは11・・・圧倒的に負けている。


「「「あ」」」


茜、紫苑、宿名が呻く。

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