第379話

「あのォ~、ひとつだけこの本で気になることがあるンですけど……」

 僕は彼の著書『名前のない悪魔』を掲げた。


「ン…… 何かね」

「この中に出てくると言う男にモデルがいるンでしょうか……」


「うゥ~ン…、ジョーカーか……」

 海翔氏も腕を組んで答えにくそうだ。


「ええ……」

 僕も頷いた。

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