第325話

 間一髪、タッチの差だった。


 あと十秒、いやわずか一秒でも遅かったら母親を助けられなかっただろう。

 

 甘かった……。


 僕の知っている世界では確か母親の事故は三時以降に起こるはずだった。


 車を降りた時点では、まだ余裕があると思って油断した。


 しかし実際、この世界では三時少し前に事故は起こっていた。

 

 

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