七欲の王〜封印から目覚めた最強魔王は神殺しを目指す〜
@shiro_3
第0章 御伽噺
第一話 Prologue
むかしむかしのおはなし。ひとが生まれる、ずっとまえのおはなし。
あるところに、ひとりのてんしさまがおりました。
てんしさまはたくさんのいたずらをくりかえしました。
それにおこったかみさまは、てんしさまをこわーいこわーいじごくへとおとしてしまいました。
じごくへおとされたてんしさまは、それでもこりずにいたずらをつづけました。
てのおえないてんしさまは、ついにかみさまにふういんされてしまいました。
こうしてへいわなせかいがおとずれたのです。めでたしめでたし。
♦
光が、世界を駆けた。
それは余りに莫大な、可視化し得るほどに濃密な、力の奔流だった。
力を持たぬ一般人は、わずかに変化した雰囲気に首を傾げ。
戦う力を持ったばかりの者は背筋が震え。
一流、と呼ばれる者は身の凍るほどの圧力を感じ。
名のある古豪はただただその力に恐怖し。
長命極まるありとあらゆる生物は、世界を呪った。
何が起こったのか、理解できた者は、それこそ一握りにも満たない。
ただ漠然と、何かが起こったと感じるのみ。
一夜にして世界を駆けた衝撃は、翌日になっても解明されるに至らず。また、一部の認知済みの者は絶望から逃れるように籠る事となった。
何か世界にとって良くないことが起こる。そう予感させるには十分な出来事であった。
この一夜が、世界の転換点となる。吟遊詩人は口々に謳い回り、人々を湧き立たせた。
ある者は新たに神が生まれたと。
またある者は大陸が消滅したと。
そのどれもが荒唐無稽なお伽噺の中の出来事と言っても過言ではない代物だ。
現実では「ありえない」と一蹴される出来事。
そう。これはお伽噺に匹敵する出来事。
それ即ち、
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