二番目の婚約者候補の受難。
ゆなか
第一話
ステファニー侯爵家の次女で、お母様譲りのプラチナブロンドにアメジスト色の瞳を持つ18歳です。
この度、私はめでたくもメルロー王国第一王子のカージナス様の二番目の婚約者候補になりました。
因みに、一番目の婚約者候補者は、アスター公爵令嬢の長女であり、ブロンドの立派な縦ロールと魅惑のメリハリボディを持つ、私と同い年のミレーヌ様です。
他にも、マスール伯爵令嬢やバン男爵令嬢を含めた合計四名が候補となっています。
…で・す・が!私は王子妃になんてなりたくありません。
王子妃になるという事は、将来的にこの国の王妃になるという事ですよ?!そんなのはとても面倒です!
私は優しくて理解のある旦那様の元に嫁ぎたいのです。
第一王子のカージナス様を批判している訳ではありませんよ?カージナス様は私と同い年なのにも関わらず、先見の明を持つ、とてもお腹の黒い、白銀のサラサラとした髪に、サファイアブルーの瞳を持った美しい方なのですから。
それよりも、オルフォード辺境伯のご子息であられるシャーロット様なんて最高ですわ!
私より二つ年上の20歳のシャーロット様は、騎士団に所属しているだけあって、引き締まったその身体つきは私の好みです。精悍な顔立ちも良いですね。
そして何よりも、オルフォード辺境伯の領地で採れる果実で作ったシャンパーニュの味が最高なのです!!
綺麗な夕日を眺めながら、シャンパーニュを飲めたら……至福です。
あの豊潤な果実の香りと弾けるのど越し…。
想像しただけで、口の中にシャンパーニュの味が広がって落ち着かない気持ちになります…。
………。
今日のディナーでは、シャンパーニュを頂く事にしましょう。
16歳からお酒を飲めるこの世界に生まれて、私はとても幸せです!!
シャンパーニュでシャーロット様を選んでる?
……ソンナコトナイデスヨ?
…でも!どうせ何処かに嫁がなくてはならないのなら、自分の好きな物のある所の方が良いじゃないですか!その方が夫婦円満でいられる気がします。
それなのに…。
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