問わず語りの備忘録【１】

26）ゆるっと他薦 その7（中・長編/新連載）

　最近はじまった中・長編の連載。ドラゴンノベルズ、ジャンプホラー、つばさ文庫――と、コンテストに応募している方たちもいたりいなかったり。ということで、コンテストに応募している作品もしていない作品も、みんなまとめて応援紹介。

　ー中・長編（連載中/順不同）ー

【坂井令和（れいな）さん作/手首蒐集家（ホラーミステリー/手首）】

　じつはわたしがはじめて読んだ坂井さんの作品がKAC1のフクロウ（ホラー）でして。そのとき、うわーこの人すげーって思って、その後アホアホとか読んでまたべつの意味ですげーって思ったんですが（笑）こちらの『手首蒐集家』は、自他ともに『新境地』といわれておりますけど、わたしはひそかに『本領発揮』だと思っております。

　ホラー風味の猟奇な本格ミステリー。手首への執着がすごい。8話くらいで完結予定ということです。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054889660759

　ちなみにKAC1のお話はこちら。1300文字ほどのショートホラーです。

『僕たち梟にならないか』

https://kakuyomu.jp/works/1177354054888743451

【薮坂さん作/憑かれやすい彼女（現代ファンタジー/憑依）】

　薮坂さんがシナリオを担当された同タイトルのノベルゲームを、ご本人がリライトした中編小説です。ゲームならではの話も小説ならではの話もあります。小説版もそろそろ佳境。ゲームは無料で遊べるブラウザゲームなので、ぜひ両方読んでみてください。ちなみに、幽霊は出てきますがホラー感はありません。むしろ個性的な幽霊たちがおもしろいです。怖いのが苦手な人でも大丈夫ですよ。

　やたら幽霊に憑依されやすい彼女。成仏させるのは彼女の幼なじみである主人公。だけど彼女には、幼なじみの彼にも言えない『秘密』があった――。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054889453854

【宇近太助さん作/童貞君、さよなら（ラブコメ/ほのぼの）】

ある意味スピンオフ？　宇近さんの短編集『たわいもない世界』に収録されている、おっぱいが憂鬱になっちゃった二人のラブコメ風味。ほのぼの癒やされる空気もしっかりほわんと宇近さんワールドです。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054889674318

【秋月創苑さん作/踵で刻むアフター・ビート（ミステリー/ハードボイルド）】

　コメントでおっしゃっている方もいらっしゃいましたが、探偵のどこかすっとぼけた感じや丁寧な情景描写の雰囲気から、わたしもかの名作『探偵物語』を思い出しました。つづきがとても楽しみです。

　探偵事務所に舞いこんだ依頼は高校生のいじめ問題。だけど、その背後にはなにやらきな臭い気配が漂っていて……。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054889696874

【マスケッターさん作/神様と精霊の間（略称）（異世界ファンタジー/日本神話）】

　日本神話と精霊、そして古代から現代への転生。斬新な設定に加え、マスケッターさんらしいテンポとセンスでぐいぐい読ませてくれます。話は古代から現代に移ったところ。今後の展開が楽しみです。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054889498891

【柊木紫織さん作/黄昏の世界に咲いた花（異世界ファンタジー/花）】

　一度文明が滅びた世界。生き残りの旧人類と、崩壊後に現れた新人類――花人が共存する世界。繊細で丁寧な描写がとても美しく、気がついたときには幻想的な世界にどっぷりとひきこまれていました。物語の中心にある『花』の表現がとにかくきれい（語彙力）

https://kakuyomu.jp/works/1177354054887312955

【無月弟さん作/朝霧小学校不思議倶楽部（現代ファンタジー/小学生）】

　きのう（5/27）連載が開始されたばかりの、ちょっと不思議な冒険譚……になっていくんですかね？　なにしろはじまったばかりです。追いかけるなら今です。

　小学生の少年と少女とあやかし。ポンポンとはじけるような、はずむような文体にとてもわくわくします。そしてこの、冒頭でガッツリ心をつかまれる感じがなんだか悔しいです。←

https://kakuyomu.jp/works/1177354054889433478

　一話ずつ読んでいるとあまり感じませんが、こうしてならべてみると――なんか結構読んでるように見えますね。完結作も読んでいるので、実際はこの倍くらいありそうだけど。笑