第30話:須賀川肇の昔の記憶

 その後、2005年6月の梅雨の時期に、突然、須賀川肇さんから電話が入り

、おりいって、話がしたいと言われ、大宮の駅ビルの正直飯店という中華料理屋

で待ち合わせることになった。出かけて見ると、白髪の紳士、須賀川肇さんが

手招きして、個室に入った。ゆっくり、高級中華料理のフルコースを食べながら

、話をしようと言った。徳川泰平が、ご用件はと聞くと、そうあわてなんさんな

と言った。


 最初に前菜が出て、ゆっくり食べながら、紹興酒飲むだろと言って、お猪口に

注いでくれた。そして再会に乾杯と言った。えー、再会ですってと泰平が聞き直すと

、そうだ、再会だと言い、1974年9月のまだ暑い昼間、地下鉄の大手町駅を

出た所の大きな電器屋のテレビの前で始めた会った。その時、聞いた言葉を

思い出したと言った。

「あなたが、私に、これから話すことを、必ず守ることを約束させた。

「1つ、親にも、他人にも、絶対に人のしゃべらない」。

「2つ、あなたの指示に従う」。

「3つ、手渡す資料について、親兄弟、他人に絶対に渡さない」。

 これが実行できれば大金持ちになれると言ったので、その約束を守り、もらった

資料を頼りに、投資をすると、数年で、大金持ちになった。生涯で、こんな不思議

な体験をしたのは、始めて、最初、信じられなかったが、現実にお金が入って

きたので驚いた。そして最後の約束、

「もし儲かったら、地域のために、援助を惜しまないで下さい」。を忠実に

守ったと語った。徳川泰平が、とぼけて、何の話か良く理解できませんと

答えると、それを認めても、認めなくても、それは、構わないと、笑いながら

言った。


 ただね、恩人に、恩返しするくらいの良心は残っているから、お礼の金

として、1億円を君と君の家族の口座に、定期的に振り込むから、口座番号を

教えてくれと言われた。待って下さい。ありがたいお話ですが、今すぐに、

お返事できませんというと、これからも、他人に秘密にして、ここで定期的に

会いたいと言い、これからの投資についてのアドバイスも聞きたいと言ったので

、わかりましたと答えた。毎月、第二土曜日の11時に、ここで集まろうと

言ったので、泰平は、了解しましたと、答えた。


 その後、志保さんと、義理の両親に、挨拶に行き、お陰様で、元気で幸せに

暮らしていますとお礼を言い、ついては、私たちにも、幸運が舞い込んで、

投資で成功したので、おっそ分けとして、お金を義理の御両親に送りたいので

、お受け取り下さいと言うと、義理の父の斉藤友和さんが、そんなお気遣いは

無用ですと言った。翌日の晩に、徳川泰平は、自分の実家を訪れて、投資で

成功したので、恩返しに、両親の口座に、お金を振り込もうと考えていると

言うと、気持ちだけで良いと言いった。


 この話を聞いて、志保さんが、何て心優しい、御両親なのでしょうと、目頭

を熱くした。翌月の第2土曜日11時に、この店に来ると、須賀川肇さんが

来ており、その時、入金の件は、必要ないので、もし、いただけるなら、現金

で定期的にいただくか、小切手をもらえますかと聞くと、わかったといい、

現金で5百万円ずつ20回、持ってくることにしようと言い、君との毎月の

食事が終了した後、この話は、全て忘れる事にしようと話合いがまとまった。

 その後、毎月、この高級中華料理店の個室で面会した。その後、ニュース

速報で、シティバンクが2005年9月、日本から撤退するという話が出た。

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