2


少女は一人、電車に揺られている。

何も持たず、ただ一人で揺られている。


どこへ向かおうか。

山、海、もしくは大都会でも良い。

いや、いっそ誰もいないような街に

行ってみるのもいいかもしれない。


電車の窓からは人間が作り出した

ゴミのような世界が見える。

建ち並ぶ同じような家々、

森林を壊して作られた田畑、

あぁ、全て燃えてなくなってしまえ。


終点の駅に着いた。

誰もいない、無人の改札を通る。

目の前には広大な海が広がっている。

少女は一歩一歩、ゆっくりと歩き出した。

足に波が押し寄せる。腰まで波にひたった。

少女は歩くのをやめない。


少女は海の中へと消えていった。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る