春がずっと続く

堀内テヅカミ

【春を待つ】

日も昇らぬうちに働きに出る

冷えた車のエンジンを

起こす

温まるまで雪をおろす

ブルートゥースが勝手につながり

ふるい落語が流れる


秋田県という 奇跡的に

あらゆる県から遠い県!


ここで生きていく

覚悟はあるかと問われて

答えぬままに暮らし始めた


春夏秋が束になってもかなわない

この朝が問う

答えは蕪の漬物の底に

答えは鶏ガラの臓物のなかに


「向こうではきりがないものばかりを集めていた」


春よどうか来てくださいと

願います 願えば叶う夢が

他に無いから

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